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薬剤師×生成AI ~働きながらのキャリアアップ術~【第2回】

NotionとAIで効率化する学習管理とレポート作成

前回は、在宅緩和ケアにおける専門性の必要性と、それに向けた私の決意についてお話ししました。

今回は、実際の学習管理とレポート作成について、NotionとAIの活用方法を中心にご紹介します。

AIの活用 ~正しい使い方と誤解~

まず最初に言っておきたいことがあります。
「AIさえあれば全部解決!」
そんな甘い考えは持たない方がいいでしょう。AIは確かに強力なツールですが、あくまでも私たちの仕事を補助してくれるパートナーです。

AIの本質は、適切な指示を行い、そのアウトプットを精査しながら活用することにあります。「AIに任せれば全部やってくれる」という考えは危険です。むしろ、AIに頼りすぎると、本当に自分が作りたいものから遠ざかってしまいます。

では、なぜAIを活用するのか?

それは、日々の業務に追われながら新しいことに挑戦するのは、本当に大変だからです。そんな中で、AIを味方につけることで、効率的なキャリアアップが可能になるのです。

2つの資格取得への道筋

資格取得のスケジュールは以下のように計画しました。

麻薬教育認定薬剤師(優先して取得)

  • 2025年1月13日:一次試験(選択問題)

  • 2025年2月11日:二次試験(プレゼン試験)

※一次試験合格者は、2025年2月6日(木)までに事前課題スライドを提出
※事前課題の詳細は、1月23日(木)に受験者全員に提示(2週間の猶予)
※事前準備:eラーニング20講座を全て受講、必須研修への参加

緩和薬物療法認定薬剤師(並行して準備)

  • 2024年中に100単位取得(来年も忙しいと思うので)

  • 学会発表2回(2024年1回、2025年1回)

  • 2025年:認定試験を受ける

これらの目標を達成するためには、効率的な対応が必要不可欠です。
特に、仕事と育児を両立しながらの挑戦となるため、時間の使い方には工夫が必要でした。

Notionによる管理

情報管理の要となったのが、Notionです。資格取得に必要な全ての情報を、ここで一元管理することにしました。

メモ管理ツールとして、以前はEvernoteを使用していました。しかし、有料化に伴いツールの見直しを行い、Notionへの完全移行を決意。

この選択は、予想以上に良い結果をもたらしました。Notionは単なるメモツールではなく、情報の整理・管理機能が優れており、特に資格取得のような長期的な目標管理に適していることが分かったのです。
管理していた内容の一部をお見せします。

Notionでの具体的な活用方法

1.レポートのまとめ

  • 研修ごとのレポート内容を整理

  • 重要なポイントを箇条書きでメモ

Notionでのレポート管理

2.資格要件の管理

  • 必要な単位数の確認

  • 受講必須の研修リスト

  • 取得済み単位の記録

  • 今後の研修スケジュール

3.研修情報の整理

  • 単位取得可能な研修一覧

  • 各研修の単位数

  • 参加費用

実際の運用方法

私の場合、PCは常に持ち歩いて使用していました。
スマホからメモを取ることも可能なのですが、第三者からの印象として、スマホだと「動画見てるの?」的な誤解を受けかねません(笑)

そのため、研修中はPCでリアルタイムに重要なポイントや、実務と照らし合わせた際の気付き等をNotionに記録。

一方、Notionはスマホアプリも充実しているため、PCを開けない状況でも、スマホアプリからメモを追加できます。 移動中はPCが使えないため、逆にスマホから研修中の気づきやアイデアを逃さず記録できます。なお、PCとスマホで完璧に同期されるため、後からPCで整理することも可能です。

AIを活用したレポート作成

レポートには、下記の条件がありました。

①受講した講習会等の概要(300字以上)
②新しく得た知識、役立った点、疑問点など(300字以上)

このような文章作成は、AIの得意分野です。
Notionにメモした内容を基に、ChatGPTに以下のようなプロンプト(指示)を使用します。
※ChatGPTは有料版を使っています。

私が使用していたプロンプト例

【共通の指示】

あなたは、在宅医療に取り組んでいる薬剤師であり優秀な編集者です。
メモの内容から、レポートを作成します。
下記の条件に従って作成してください。
#ですます調を使い、誤字脱字がないか最後に確認してください。

【条件によって分ける指示】
<①の場合>

#300字以上で講習会の概要をまとめてください。

<②の場合>

#300字以上で新しく得た知識、役立った点、疑問点などをまとめてください。

実践的な活用方法

ChatGPTを使うのは簡単だと思いませんか?
この指示をChatGPTに入力することで、研修の休憩時間や次の講演までの間に原案を作成することができます。作成された内容を最終チェックし、必要があれば追加の指示を出して完成度を高めていきます。

この最終チェックが大切です!
作成された内容に責任を持つのは私たち自身です。内容の確認を怠ることは決してあってはいけません。


プロンプトを書く時のコツはあるのか?

「AIへの指示(プロンプト)って難しい...」 そんな心配は無用です。

プロンプトは思っているほど複雑ではありません。
単純に、自分のやりたいことを書くだけでOKです。 少し前までは「AIに正しく指示を出すには特別な呪文のような文章が必要」と思われていた時期もありました。

しかし、最近のAIは非常に賢くなっており、私たちが普段使う言葉で十分に意図を理解してくれます。

「でも、うまく指示が出せない...」という方へ。
実は、それは言語化力の問題かもしれません。でも、心配はいりません。
むしろ遠慮せずに、AIに相談してプロンプトの指示を作ってもらいましょう!

例えば: 「レポートをまとめるために、どんな指示を出せばいいか教えて」 といった形で、AIに相談するところから始めるのも一つの方法です。

ChatGPT レポートをまとめるために

このような効率的な作業プロセスにより、研修会当日のうちに、一瞬にしてレポートを完成させることが可能になりました。そのおかげで、研修会で不在だった自分を待ってくれていた子供たちと過ごす時間を確保することができています。

業務効率化の本当の目的は、単なる時間短縮ではありません。
生まれた時間を、より価値のある活動に充てることにあります。私の場合は、子供たちとの大切な時間と自分の趣味の時間を確保することができました。

情報の確認と補足

講演会を聴いていると、
「この内容についてもっと詳しく調べたい」と思うことがありませんか?

そんな時に便利なのがPerplexityです。
これはウェブ検索型の回答エンジンで、ChatGPTのように自然な対話形式で質問に答えてくれるだけでなく、回答の"出典"となるWebサイトも同時に提示してくれます。 一般的なチャット型AIは「回答は返してくれるけれど、情報源を示してくれない」ことが多く、本当に正しい情報なのか確認するために改めて検索し直す必要がありました。

一方、Perplexityは検索結果に基づいてAIが回答を生成し、その情報源も明示してくれます。「この情報、本当に正しいのかな?」と思った時に、すぐに元のサイトを確認できるので非常に有用です。画像検索もできるので、Google検索に近い感覚です。

レポートを作成する際にも、講演内容を補足する情報の確認などに活用しています。情報の正確性を担保しながら、効率的にレポートを作成できるのは大きなメリットです。

Perplexity

AIツール選択のヒント

「どのAIを使うのがいいのだろう?」
これは多くの方が最初に抱く疑問だと思います。まだAIを使ったことがない方、あるいは複数のAIを比較検討してみたい方には、GMOが提供している天秤AIがおすすめです。

天秤AIは、無料(上限あり)で利用できるサービスで、1つのプロンプトで最大6つのAIの回答を同時に比較することができます。

例えば、「医療安全に関するレポートの書き方」というプロンプトを入力すると、ChatGPT、Claude、Geminiなど、複数のAIからの回答を一度に確認できます。

サイトへの登録は必要ですが、異なるAIの特徴や傾向を把握するのに非常に便利なツールです。

2025年2月からPlusプランという有料オプションも導入されましたが、まずは無料プランで各AIの特徴を掴んでみるのが良いと思います。

天秤AIで使えるAI

エピローグ  研修参加の裏話 ~仕事と育児の両立~

研修会に参加するまでの調整の方が大変だったりします。

薬局での仕事では、以前、子供達を連れて職場に行き、患者さんへの配薬対応をしていたこともありました。そのため、子供達からしたら「仕事には一緒に行ける」という認識が根付いています。

ある研修会前の会話。
「夕方には帰ってくるよ」と伝えても、
秒で「ダメ!」と言うパパ大好き4歳児。

4歳児「一緒に行く!」
パパ「研修会は一緒に行けないんだよね...」
(同伴参加ができたとしても、効率って何?というレベル…)

パパ「帰ってきたら、おもちゃを買いに行くのはどうでしょう?」
4歳児「おもちゃ2個...?」

パパ「予算が限られているので、小さいの2個でお願いします」
4歳児「家で待ってる~!」

このような交渉(?)が、たまに繰り広げられてきました。
いつの時代もおもちゃは最強です。 だからこそ、研修会での時間は最大限効率的に使い、帰宅後は約束通り子供との時間を大切にする。それを実現するための強い味方が、AIなのです。


次回予告

次回は、選択試験対策として、Google Notebook LMを使った効率的な問題演習について、AIツールの活用方法を詳しくご紹介します。


【関連情報】
薬剤師のスキルアップに役立つ動画コンテンツをご紹介します。

学びを支えるリソース

自社のものですが、お勧めです!
YouTubeチャンネル「ファーマシストキャンパス」です。

YouTubeチャンネル

ファーマシストキャンパス(YouTube)で学べること

  • 処方解析や服薬指導のコツ

    • 患者対応や服薬指導の実践的なポイントを学べる

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  • 薬剤師のキャリアアップのヒント

    • 専門資格の取得や業務効率化の方法を紹介

  • 実践的な業務スキルを短時間で習得

    • 現場で役立つ情報を動画で視覚的に学べる

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このように、薬剤師としてのスキルアップを目指す方にとって、実務に直結する知識を得ることができるチャンネルです。

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