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履修履歴で学業への取り組みを評価。共済事業を推進する新卒人材の採用に活用

全国生活協同組合連合会プロフィール
全国生活協同組合連合会(略称:全国生協連)は、消費生活協同組合法に準拠し、厚生労働省の認可を受けて設立された非営利の生活協同組合で、都道府県民共済グループの元受団体です。県民共済をはじめ、都民共済、府民共済、道民共済、神奈川の全国共済を含め、全国47都道府県で事業を展開し、2,170万件の加入に支えられる助けあいの共済となりました。1971年の創立以来、ご加入者の利益を最優先に意思決定して実践し、誠実にご加入者に奉仕し、人道的な姿勢で接するという「非営利主義」、「最大奉仕」、「人道主義」を事業哲学として守り続け、共助社会の実現を目指しています。


都道府県民共済グループの元受団体として共済事業を展開している

池田吉来(以下、池田):事業内容について教えてください。

全国生活協同組合連合会・佐藤(以下、佐藤):全国生活協同組合連合会は、略称を全国生協連と言います。当会の事業は「共済事業」ですが、一般的には馴染の薄い事業なのでまずは簡単に「共済」についてご説明します。「共済」は一定の地域や職域にいる仲間たちが経済的に助けあうことで、字義からいえば 「ともに(共)すくう(済)」ことです。狭い意味では、協同組合がおこなう“保険事業”をいいます。都道府県民共済グループでは生命共済事業と火災共済事業を運営しており、全国生協連と47都道府県の生協がグループになって事業を展開しております。私たちは47各都道府県の生協を会員生協と呼んでいますが、各会員生協は当会とは別法人であり、本社と支社の関係ではないというのが大きな特徴です。そのため全国生協連で採用になった方は、全国生協連のみの所属となります。会員生協は業務委託契約に基づき、県民共済制度の募集や顧客接点の事務処理を担当します。法律上では、会員生協は全国生協連の会員であるとともに「共済代理店」の位置づけになります。一方、全国生協連は共済元受団体として、ご加入者から掛金を受け、共済金をお支払いする責任を負います。また、共済制度の開発や改正、共済情報システムの開発や運用、都道府県民共済グループのシンクタンク機能やCI戦略、各会員生協の普及推進活動や業務推進の支援などの役割を担っています。

履修履歴データベースで学業を可視化し、ストレスや困難への取り組みが面接で分かる


池田:
履修履歴データベース導入のきっかけや、活用方法を教えてください。

佐藤:きっかけは、「ガクチカ」は学生さんの話術に左右されますし、客観的な評価が難しいため、学生生活の取り組みに対するエビデンスを求めていたことです。そこで、客観的な評価として履修履歴に注目し、2016年頃から成績証明書を使用し、履修履歴面接を始めました。ところが、実際に履修履歴面接を行うと、学校によって評価基準が全く違うため、成績証明書の数字だけでは本質的な評価ができないことが分かりました。
履修履歴データベースでは、各大学や学部の評価のレベル感や傾向、教授の考え方に左右されずに判断できること、履修履歴データを見ることで学習への取り組み方、例えば自分の好きなことをするタイプや、難関なことにチャレンジするタイプなどを見分けて、社会人としての日常的な行動を推し量ることができることなどが大きな特徴で、学業の取組結果がデータとして可視化できるようになることで、課題に対する取組姿勢やプロセスもより可視化できるようになり、面接評価の精度が向上しました。
また、従来は、学生生活で自分がポジティブに活動した取り組みに対する「自己評価」を面接で見てきましたが、学生生活の基本となる学業を可視化することで「やるべきこと」への取り組みに対する「客観的評価」というもう一つの視点を組み入れることができ、ネガティブな状況下での対処力も評価しやすくなりました。
履修履歴データを活用した面接を開始してから、学業にきちんと取り組んでいる人からの応募が増えたこともメリットの1つです。また、日常のストレスに対する捉え方や考え方がしっかりしている人が増えた印象です。学びに対する取り組み方や困難に対する打ち込み方が面接で顕在化したと思います。

履修履歴を活用し、結果に至るプロセスを面接で率直に話し合うことができる

池田:履歴履修データベースは内定承諾率向上や辞退防止に繋がっていますか?

佐藤:履修履歴データベースというエビデンスを共有しながら面接しますので、学生さんとしても説明はしやすいと思いますし、率直に話ができると考えています。目に見えている結果までのプロセスを確認すると、率直に話しをせざるを得ないですよね。プロセスを重要視していますので、成績が悪くても本人が反省点や課題を認識できていることをフィードバックすると満足感が高い面接になると思います。一次面接から履修履歴データベースを活用した面接を実施していますが、二次面接の参加率は非常に高いです。

池田:履修履歴データベースを今後どのように活用したいですか? 

佐藤:離職率との相関性など、入職後のデータとして活用したいです。他には、受け身で仕事を覚えるのではなく、自分なりに能動的に聞きながら、勉強しながら仕事を覚えるのにどのような能力が必要なのかを知りたいですし、ストレス耐性や対処力との相関性などにも活用したいと思います。
また、例えば法律知識が必要なリーガルチェックや契約書作成の仕事には法学部出身者がマッチする傾向があるなど、学生生活での勉強と実際の業務の相関性という点で履修履歴データがその後のキャリアとどのように結び付くのかも興味があります。


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