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銀行決算の用語解説
4/12にJPM、Citi、WFCの決算が発表されました。
銀行の決算書には他の企業にはない各種Ratioが記載されていますが、馴染みのないものが多く、初心者には理解しずらいものです。
以下では実際に決算書を見ながら各種重要指標の意味を解説します。
ローン・ツー・デポジット・レシオ(Loan-to-Deposit Ratio)
銀行が預金に対してどの程度の貸出を行っているかを示す指標。
数値が高いほど、銀行がより多くの貸出を行っていることを意味し、流動性リスクが高まる可能性がある一方、数値が低すぎると銀行が利益を最大化できていない可能性があります。
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オーバーヘッド・レシオ(Overhead Ratio)
Overhead Ratio = Operating Expenses / (Taxable interest income + Operating Income)
銀行の運営コスト(人件費、家賃、事務用品など)を課税対象となる純利息収入と営業利益の合計で割った指標。
Overhead ratioが低いということは企業が生産に直接関係のない事業経費を最小限に抑えていることを示しています。
より効率的に運営されている銀行ほどこの比率は低くなります。
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エフィエンシー・レシオ(Efficiency Ratio)
Efficiency Ratio = Expenses (not including interest) / Revenue
銀行の総収入に対する非金利経費の割合を示す指標。
Efficiency ratioが低いということは銀行が効率的に運営されていることを意味し、収益性が高いことを示唆します。
有形自己資本利益率(Return on Tangible Common Equity, ROTCE)
ROTCE = 当期純利益 / (普通株主資本 - 無形資産)
ROTCEは無形資産を除いた有形普通株主資本に対する当期純利益の割合を示す指標。
無形資産とはのれんや商標権、ライセンスなどの無形の資産を指しており、これらは財務的な裏付けがないため、分母から除外することで、より実質的な資本収益性を測ることが可能です。
一般的なROE(株主資本利益率)が単に株主資本で割っているのに対し、ROTCEは実体資本ベースでの収益力を示すため、銀行の本源的収益力をより適切に表せると考えられています。
ネットチャージオフレシオ(Net Charge-off Ratio)
貸し倒れとして計上された貸付金額から回収できた金額を差し引いた額を総貸出金額で割った指標。
この比率が高いと、銀行が高リスクの貸出を多く行っていることが示唆されます。
また30日以上延滞債権残高、90日以上延滞債権残高も貸出のリスク評価の指標となります。
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Tangible Book Value Per Share
TBVPS = (自己資本 - 無形資産) / 発行済株式数
銀行の純資産(自己資本)から無形資産(のれん、商標権など)の金額を差し引いた実質的な純資産額を、発行済株式数で割ったもの。
銀行が実際に保有する有形資産の価値を1株当たりに換算した指標。
無形資産は資産の帳簿価額には計上されるが、実質的な価値を伴わないためTBVPSの算出では控除し計算します。
銀行の資産の実質価値を示す尺度となり、①自己資本比率とともに、銀行の財務健全性を判断する材料、②株価が理論的な純資産価値を下回っているかどうかの目安となります。
CET1比率(Common Equity Tier 1 Ratio)
CET1比率 = CET1資本 / リスク加重資産(RWA) × 100
銀行の自己資本の質と健全性を表す指標。
CET1資本は発行済み普通株式、内部留保(未払配当を除く)から構成される自己資本に近い概念。
リスク加重資産(RWA) はバーゼルⅢでガイドラインが示されており、銀行の資産とオフバランスシート項目に関連するリスクの量を反映したもの。
RWA = 与信リスク資産額 + 市場リスク資産額 + オペレーショナルリスク資産額
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