「隠れイップス」 バッティング(ストライクに手が出ない)
野球部に所属している高校3年生の男子。最初の来院は腰痛でした。当時は中学生、病院で分離滑り症と診断され、練習を数ヶ月休む様に指示されて、困り果てて紹介者を通じて来院されました。その腰痛も3回ほどの施術で改善し練習を再開することができました。それから、関節痛から野球のパフォーマンスに関してもサポートさせていただいていました。
あるとき、試合で本来のパフォーマンスが発揮されていないという親御さんからの指摘で、検査をしてみると、バッティングの際に「隠れたイップス」が潜んでいました。親御さんはいつも練習や試合で応援して息子さんの状態を見ているので、本来のパフォーマンスが発揮されていないのは明らかに分かるのでしょう。
他人の目には練習不足や未熟として映るかもしれませんが、以前できていたパフォーマンスができなくなっているのは、何かの誤作動があると感じたのでしょう。バッティングを頭の中で想起してもらい、脳の中で「誤作動記憶」があるか、PCRT(心身条件反射療法)の生体反応検査法で検査をしました。
すると、明らかに陽性反応が示されました。これは、表面的には見えない、「隠れイップス」が存在しているということを示します。いくつかの無意識の心の信号を引き出して「認知調整法」で調整しました。その後、身体バランスや野球のパフォーマンスをことあるごとに治療させていただきました。
そして、今ではレギュラーで3番を担う主力選手になっていました。今回は「しばらく調子が良かったけれども、最近、ストライクが来るのは分かっていても手が出せなくなった」ということで来院。これも、他人から見れば、単純に「スランプ」なのかと、思われるかもしれないし、素振りをしても何も異常は見られないでしょう。しかし、本人にとっては、今までできていたパフォーマンスができなくなるということは、脳に誤作動(誤学習)が生じているということであり、PCRTの生体反応検査法では明らかに陽性反応が示されました。
認知調整法で「探究心」と「自尊心」というキーワードが示され、野球関係の内容で、そのことを認識してもらい誤作動信号を引き出し、調整を行いました。ストライクに手が出せない感覚が、NRS検査、並びに生体反応検査でも最悪10段階中で5から2のレベルまで引き下げられました。
その後、1ヶ月ほど経過しても来院されていなので、恐らく「隠れイップス」が改善されて活躍されているのだろうと期待しています。