TUG of Brain
にしのし
そういえば、CHAGE and ASKAの表記って、時代と共に変わってるってのご存じですか。
Wikipediaにも書いてあるんですけど、ユニット名は、①チャゲ&飛鳥 → ②CHAGE&ASUKA → ③CHAGE&ASKA → ④CHAGE and ASKAと変遷したんですよね。
②ASUKAから③のASKAになった理由は、たしかオフィシャルファンブックに書いてありました。ASUKAって書くと海外の方が「アス↑ーカァ」って発音しちゃうんで、「アスカァ↓」って落ち着いて発音してもらえるようにスペルを変えた、ってことだったはずです。界隈ではだいぶ有名な話です。
その後、③&が④andに変わった理由は知りません。
ぼくがRed hill(たぶん一番有名なアルバム)を買ったときは、すでに「④and ASKA時代」だったんじゃないかなあ。SAY YESとかがバカ売れしていた頃。
その前の「③& ASKA時代」の代表曲と言えば、「Big Tree」「Pride」あたりでしょうか(このへんの単語を聴くだけで泣き崩れる人たちがいます)。
……なんて書いてから、念のため、Wikipediaで調べてみたら、SAY YESもYAH YAH YAHも、すべて「&③ ASKA時代」なのであった。あっれー?
「and ASKA」に表記があらためられたのは、2001年のことだという。じゃあ、ヒット曲がだいぶ出尽くしたあとのことなんだなあ。
たまに思うことなのだが、我々の脳は、情報を時間軸に沿って蓄積することにあまり気を遣っていない気がする。
「料理のにおいで昔の台所の風景を思い出す」とか、「ヒット曲で実家のソファの感触を思い出す」みたいに、五感それぞれの記憶をかなり強烈に連結しているくせに、「あの頃すでにand ASKAだったよなー」みたいな記憶はからっきしポンコツだ。出来事の順番に無頓着。
「いつ経験したかは問題ではない、いつか経験したという事実だけが大事なのだ」
みたいな話なのかしら。
危機回避が目的ならそれでもいいのかもしれない。「一度危ない目に遭った動物の牙を二度目にはかわせるように」、「一度死にかけた毒を二度目は吐き出せるように」。サーベルタイガーに襲われたのとキノコ毒にやられたのはどっちが先だったっけ、なんて、そんな「残念の時系列」は、生き延びる上ではさほど必要なかったのかも……。
ちなみにぼくがCHAGE and ASKAにやけに詳しい理由は、前の妻が大ファンだったからです。だれがno no darlin'やねん。
(2021.7.30 市原→西野)