どうせ妄想するなら石油王と友人になればいい
いやー、度肝抜かれました。
それ、実際にやりました
――ナラティブの実現ってどんな感じ? まてぃさん/Saori Kawamata より
もうやってた……さすが……!!
そして同時に、「そうか、そうだな、そりゃそうだよな」という気持ちになったことも事実です。
当時流行っていたキュレーションサイトを作り、できる限りの介護情報を集めて掲載しました。自社の各介護誌記事のほか、外部の新聞社や他出版社のWebメディアにある介護記事を契約に基づいた形で転載。
(中略)
冒頭で紹介した先生の1~3をまさに実現した形です。専門家が目を通した介護記事を集めただけのサイトです。
――ナラティブの実現ってどんな感じ? まてぃさん/Saori Kawamata より
だよなー、考え付くよなー、みんなやろうとするよなー、って感じ。
業界を眺めていて、何が足りないかに気づけば、アイディアまでは出せるんですよ。システムのなんたるかがわかっていないぼくであっても。
ぼくの出身大学院には、次のような「小言」が伝わっています。
”お前が思い付いたアイディアは過去に絶対考え付いた人がいるし、お前が今取り組んでいる「自称最先端の研究」は世界中探せば最低3箇所以上ですでに研究されている”
最初にこれを言ったのが誰なのかはわかりません。しかし、医学研究科以外の友人もだいたい似たようなことを言われているといいますので、「研究業界」の共通認識ではあるのでしょう。
夢を見るのは簡単なんです。
問題は夢にいかに手足を付けて歩き出させるか、ってとこなんですよね。
まてぃさんの言、大変参考になりますが、特にいちばん「そうだよなああ!」となったのは以下の箇所です。
記事を作らないサイトの運営は、外部サイトとの契約やコンタクト、事実確認に膨大な作業が発生しますので、運営のための運営だけがひたすら続く
――ナラティブの実現ってどんな感じ? まてぃさん/Saori Kawamata より
ははああ……なるほど。
医療系の記事はすでに大量にある →「から」→ それをまとめればよい
というぼくのアイディアは、裏を返せば、
医療系の記事はすでに大量にある →「けど」→ それをコツコツまとめ続ける人間の人件費とモチベーションの問題が発生する
ということなんですね。実際に動かしてみないとわからないことだな……。
さて、まてぃさんの用意してくださった次の模式図を拝見し、その後に続く言葉も読んで……。
ぼくはいろいろと考えました。
イメージは、合ってます。こういうことです。ぼくがぼんやりと思い描いていたこと、つまり、
「善意の医療者達があちこちに大量の記事を書いている今、すでにある記事を最大限に利用(適切に再配布)するために、医学の文脈がきちんとわかる人が、専門家と非医療者の『中間』に入って、記事を選んだり監査したりするシステム」
は、図に起こすとこうなるんですね……。まてぃさんの思考回路のクリアさに驚きます。
さて、問題点の中で一番やばそうなのが、以下ですかね、やっぱり。
これ、構築と運営に膨大なお金かかりますね。初期構築費が億の手前か億越え、運用費は年単位で数千万レベルでかかりそうな気がします。
――ナラティブの実現ってどんな感じ? まてぃさん/Saori Kawamata より
ふむ。
お金って、具体的にどこにかかるんでしょう。サーバー代? UIを構築する費用? ていうか人件費? ぼくはそのあたりがよくわかりません。
もっとも、「初期構築」に莫大に金がかかるというのは、プロジェクトのでかさを考えれば、十分に想像は付きますので、ふしぎなことではありません。しかし……。
ふと、素人考えで思ったことがあるんです。
それは、今のSNSにおける医療者たちの「医療情報に対する向き合い方」を見ていて思い付いたことなんですが。
監修グループも、編集部も、これ、ボランティアでは不可能なんでしょうかね?
「ボランティアぁ? 忙しい医師がそんなのやるわけないだろ」とすぐさま反論されそうな気もしますけれど……。
今、すでに、Twitterを使う医師の多くは、タイムラインで「時事的に盛り上がっている医療記事」や、「目に飛び込んできた医療関係のニュース」に、各自テキトーにコメントを付けています。
それこそ、ボランティアで。
そのボランティア精神を、もうちょっと拡張できるようなシステムが、このSNS全盛時代に、なんらかのかたちで「外挿」できたら……
予算の一部は浮きますか? それとも、やっぱりシステムを新たに作ることには、膨大なお金がかかるのでしょうか?
SNSの利用と、医療者達が現時点ですでにボランティア精神を発揮している部分を利用することとを組み込んだとしたら、まてぃさんの描いている図はどのように変わる(あるいは変わらない)のでしょうか。
(2020.1.6 ヤンデル→まてぃさん)