どっち?「乾しいたけ」or「干しいたけ」
ほししいたけを漢字で書く時、「乾」か「干」か、迷ったことはありませんか?結論から言うと、どちらを使っても間違いではありません。では、なぜ二通りあるのでしょう?
そもそもほししいたけは、20世紀の中頃まで単に「椎茸」と呼ばれていました。というか、「椎茸」と言えば「ほししいたけ」のことでした。しいたけは、江戸時代に人工栽培が可能になって生産量が増えたとはいえ生で流通するほどには至らず、干した状態でものが殆どだったからです。
ちなみに、「椎茸」という文字が初めて登場したのは室町時代。室町幕府の政所代を務めた蜷川親元が、将軍や有力大名の動向、政所の活動状況、応仁の乱前後の社会情勢などを記した「親元日記」の中に記されています。
さて、戦後になり、生産量が増えて生しいたけが食卓に上がるようになっても、ほししいたけは依然「椎茸」と呼ばれていました。そんな中、食品業界や料理研究家の中に、生しいたけと区別するために「干しいたけ」という呼び名を使う人が出てきたのです。「干」も文字が当てられたのは、当時、天日干しによってほししいたけが作られていたから。昭和30年代までは天日干し主流でした。
その後、昭和40年代中頃には天日干しから火力乾燥に切り替わったことや、文字のイメージが良くないといった意見が出たことを受け、林野庁が「乾しいたけ」を公文書で使うようになり、「乾しいたけ」という表記が一般化したと言われています。
とはいえ「干しいたけ」という表記も間違いではなく、食品業界でも「干しいたけ」と「乾しいたけ」と併用されているのが現状のようです。
ほししいたけファンクラブでは、皆さんにより親しみをもってその魅力を楽しんでいただきたいという想いを込めて、そして、「干」も「乾」もアリ!の気持ちを込めて、ひらがなの「ほししいたけ」としています。これからも、ほししいたけの魅力をどんどん伝えていきますので、よろしくお願いします!