【ほししいたけファンインタビュー】株式会社武久 武久景子さん
1)ほししいたけ、あなたの推しポイントは?
ほししいたけは9世紀ごろ中国から伝わったと言われています。1,000年以上の歴史を持つ貴重な食材であるということが一つ目の推しポイントです。里山の自然の中で育まれる原木しいたけは、菌を打ってから発生するまで四季折々を待つ楽しみもありますね。さらに、ほししいたけを料理に取り入れると、簡単に天然の旨みを加えることができるなど、食生活が豊かになるところもおすすめのポイントです。
2)ほししいたけとの出会いはいつ?どんなふうに?
私とほししいたけの最初の出会いは、物心つく前でしょうか。ほししいたけを取り扱う家で育ったので、小さい頃は家の手伝いでほししいたけの袋にシールを貼るなどしていました。母が作るお味噌汁はほししいたけ・いりこ・昆布の出汁を使っていて、料理にもよくしいたけが入っていました。でも、私は中学生の頃まではしいたけが大嫌い。お箸で除けて食べていました。
2度目の出会いは、学校を卒業して一度就職をした後に、ビジネスをしたいという想いから家業を継ぐことを決心、実家に戻った時のこと。会社のホームページを作るため、ほししいたけのレシピを開発することになったのです。しいたけを甘辛く炊き、天ぷらにしたものだったのですが、それがとっても美味しくて。「今まで食べていたしいたけって何だったんだろう?」と、ほししいたけの美味しさを知ったのはこの時だと思います。
3度目の出会いは、結婚・出産後に訪れました。2歳になった我が子の顔に発疹ができてしまい、何をしても治らない。困り果てていたところに、食の先生から「あなたはいつも何を食べているの?」と聞かれ、ハッとしました。その頃、私は仕事と育児の両立に忙しく、インスタントな食事ばかりをしていたのです。子供は母乳を飲んで育つため、母親の食生活がそのまま子供に影響を与えるということを教えていただきました。そこで、すぐに食事をほししいたけ・いりこ・昆布出汁の母が作ってくれていたお味噌汁に変えたところ、なんと子供の発疹は2日で治り、自身の疲れやだるさも軽減したのです。小さい頃から触れていたほししいたけのある食生活がとても素晴らしいものだったのだ、と気づいた瞬間でした。
3)景子さんは普段何をしている人ですか?
ほししいたけの卸・販売をしている株式会社武久の4代目として、ほししいたけの販売以外に、直営店「陽より子」の運営をしています。「陽より子」では、ほししいたけの出汁を使った味噌汁と主菜にしいたけを使ったランチを提供して、しいたけの美味しさをお伝えしています。また、春と秋には原木しいたけの収穫・試食体験イベントを開催したり、出汁のワークショップを行なったりしています。
近年力を入れているのが、ほししたけを使った商品開発です。毎日忙しい方々が、ほししいたけの健康成分や出汁の旨みを日々の食事に取り入れ易いよう、簡単に取れる出汁パックや、ポン酢などの調味料を日々研究しています。
また、ほししいたけの素晴らしさを世界にも伝えるための活動にも力を入れています。
4)みなさんにどんなふうにほししいたけを楽しんで欲しいですか?
食生活が乱れていると感じている方、中でも子育て中の方に、ほししいたけをおすすめしています。現代の子供達はさまざまな問題を抱えていて、子育てしづらい世の中だと私も感じています。疲れたなあと思った時、ちょっとだけ時間を使って、ほししいたけにいりこ、昆布などを加えた天然の出汁で味噌汁を作ってみてください。「美味しい」という小さな感動や、体調の変化があるはずです。ぜひ一度経験していただきたいと思います。
味噌汁だけに限りません。「ほししいたけをカレーに入れたら、ぐんと美味しくなった」などのお声も多くいただきます。普段の食事にほししいたけが取り入れられることを知っていただいて、実際に試していただきたいです。
楽しい記憶と美味しい体験には密接な関係があると思います。日本の伝統食材であるほししいたけを食生活に取り入れて、日々の暮らしを豊かにしていただけたら嬉しいです。