誹謗中傷は弾丸であるか否か
インターネットの誹謗中傷で命を落としてしまった女の子がいる。
大分色んな人が口にしてるし、沢山の議論が飛び交っているのであまり首を突っ込む気は無かったのだが、別のnoteの下書きをしている時にふと自分が誹謗中傷されていた時のことを思い出してしまったので話題にしている。
まず自分語りをする前に、亡くなった木村さんにご冥福をお祈りします。
私は画像でしか貴方を見ることしかできませんでした。しかし、とても笑顔が可愛らしく、美しく強い方だと勝手ながら想像しました。
どうか安らかに、現世であった嫌なことを忘れてあの世で楽しんでくれていますように。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
私が初めて誹謗中傷されたのは中学生の頃だ。以前書いた、昔話という記事でも言ったように私はゲーム実況をしていた。
知識がなかったのでデジカメで直撮りをしたり、他の人も言ってるのを見て(もしかしたら見てもらえるかも!)と思い有名実況者に「私の投稿見てください!」等言ったりしていた。
その時に、コメント欄で「画面が暗くなった時に映る顔がブス」、「ガキはYouTubeやるな」、「売名は荒らし」等々言われてしまっていた。
でも流石にこれは私も悪くて、その後はちゃんと調べ、録画ソフトをダウンロードし、マイクも買ってそれなりの画質のものをアップロードするようにしていた。「売名行為」も悪い事だと思っていなかったので、それを反省し言動を改めた。
「顔ブス」は当時は学校や親に言われ慣れてたのでどうでもよかった。今なら発狂するが。
次に大きな誹謗中傷にあったのは、Twitterにて同じ趣味同士で沢山の人と繋がっていた時だった。そのジャンルでは絵を描くタイプのオタクをしており、そこそこFFが増えてきて匿名の質問箱やお題箱をやっていた。
ただ、やはりオタクとは言え地雷があり、私はお題箱に来ていた自分の地雷のお題へ、返信で「地雷なので入れるのやめてください」と呟いてしまった。
そうすると、「元から地雷なんて書いてないじゃないですか」、「人のお題晒すのやめてください」、「これも描けないとかこのジャンルのオタク辞めれば?」等々めちゃくちゃ袋叩きにされてしまった。
さらにタチが悪いことに、こういった意見はリプやDMではなく匿名で書けるお題箱に必ず投げ込まれていた。なんとか犯人を特定しブロックしたのだが、フォロワー全員が怖くなって速攻アカウント変えをしてしまった。
前から地雷についてはよくツイートしていたのだが、プロフィール欄に書いていなかったことは本当に申し訳ないと感じる。
お題晒しについては、「晒さないで」の一言がない限り、権利はこちらにあるので納得はいかなかった。そもそも私がそれを描いていたら「晒し」と言えたのか?自分の好きなものを嫌と言われたから「晒し」という言葉を使って印象を悪くしているように見えたな……。
マジでイラついてきた。
この話はここで辞めよう。
ここまでは正直私にも非があって、それを見返す良い機会にはなったと思っている。
次は本当に理不尽で何とも辛い思い出だった。
当時趣味と言える趣味もあまりなく、自撮りをあげつつ無差別にフォローしてくれた人にフォローを返すだけのTwitterを運営していた。ただ、ツイートだけはしっかりしていて、一貫性はなくとも思ったことをハッキリ述べるタイプのアカウントだった。
その当時フォローしてくれた人の中で、やたら絡んでくれる人がいた。仮にIさんと呼ぶ。自撮りも褒めてくれ、その人の仲良しとも繋がることができまぁ楽しいTwitterライフを送っていた。
そんな時、女子高生が走って痴漢を捕まえるという動画がバズっていた。フェミニズムや性犯罪について、日本はまだまだ弱い。
そのため、その動画にも「冤罪を考えろ」、「ブスがしゃしゃるな」などの批判コメントが殺到していた。
私は何気なく独り言で「痴漢を捕まえるため走れた女子高生は強い。勇気あるし、もっと讃えられるべき。そして日本は性犯罪に厳しい目を向けた方がいい」的なツイートをしてしまった。
その日から何かがおかしくなってしまった。
私が数日後自撮りをあげると、捨て垢から「ブス死ねや」とリプが来るようになったのだ。
私も無視をすればいいものの、変にプライドが高く負けず嫌いだったので「はぁ?誰だよ」とスクショを晒して対抗してしまった。
それが火に油を注ぐ結果になってしまい、前からあげてある自撮りにも「ゴリラ死ね!」、「可愛くないくせに自撮りあげるな」等々誹謗中傷が飛んできた。
そして、ストーカー粘着気質だった私はすぐにその捨て垢が以前よく絡んで頂いてたあのIさんだったことに気付く。
と言うもの、Iさんはかなり女性差別的で極右的な発言が目立っていたので前から自分とは価値観の違う人間だと分かっていたのだ。
私はその人の価値観を否定しようとは思わないが、自分の意思はしっかり持っていたかったのでフェミニズム的な発言をした次第だった。ただ、その価値観の相違でこのように誹謗中傷に繋がってしまったことがただただ悲しかった。
証拠に、Iさんは「フェミニストは全員ブス。女の嫉妬」と発言していた。
インターネットにあまり気分を害されたくなかったので、一旦Iさんをブロックし、私自身も鍵をかけた。
これで安心かと思われたが、そう上手くはいかず。Iさん経由で繋がったフォロワーも全てグルで、私が鍵をかけた後のツイートをほぼ全てIさんに流していたのだった。
まさか、仲良くしてくれてたと思った人達がこんなことをするなんて思ってもなかったので正直ショックだった。
人間不信に陥り、とりあえず疑惑のある人をブロックし、本当に信頼できる人だけに新しいアカウントを教えひっそりと隠居した。
あの時は、全然グルじゃない赤の他人の方もブロックしてしまった気がするのだが、本当にそれは申し訳ないと思っている。
精神に余裕ができた時に、Iさんのツイートを見てみると「暇。次のターゲット探そ」と言っており、めちゃくちゃ恐怖を感じた。
「暇だから」という理由だけで人を傷つけることができる倫理観を疑ってしまったのだ。
久しぶりに思い出したので書いてみたが、本当にアンチや誹謗中傷は下らない癖に人を簡単に傷つける。
ちなみにその後、「ブス」と言われたことが腹立ってめちゃくちゃ痩せて可愛くなってやった。
今でこそリバウンドしてしまっているし、ブスなことには変わりないが、これを思い出したのでまた俄然やる気が出てきてしまった。
可愛くなってしまう、本当に申し訳ない……。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
自分語りはこの辺にして、誹謗中傷は弾丸になるか否か。という話に戻ろう。
答えは即答でYesだ。
というかそんな話もうみんな分かっているハズなのだ。
木村さん以前に誹謗中傷で傷付き悲しんだ人は山の数ほどいる。それを放っておいた結果このような凄惨な事件が起こってしまった。
「嫌なら見なければいい」
「インターネット辞めろ」
「メンタル弱すぎ」
SNS時代の中これらは意味の無い戯言だ。
ましてや芸能人ならば、ブランディングや集客方法のためにインターネットが使えるのは最早必須事項である。
私たちが今求めるべきは、被害者の根性を叩き直すことでなく、いかにこの情報化社会と穏便に向き合っていくかである。
インターネット特有の“匿名性”は、時に秘密を守ってくれる便利なものであり、時に誰かを傷付け殺してしまう凶器へと変貌する。
というか、実際、匿名であることは人間の凶暴さを顕にすると心理学的観点から答えが出ている。
『指"殺人"』が起こってしまった以上、法的な規制や警察による逮捕が必要とされてしまっているのだ。
これからミスiDエントリー者として活動していく女の子たちはもしかしたら誰かのつまらない暇つぶしで酷い言葉をかけられてしまうかもしれない。
負けるな、気にするなと言いたいが、そんな時まずは無理をしないでほしい。
人によって感じ方や捉え方は様々で、ましてや顔の見えないインターネットならそれが顕著に現れる。
私のように傷付きつつアンチを糧に懲りずに動き続ける人もいれば、本当に耐えられず活動を辞めてしまう人もいる。
人の暴力によるキャパ数ってものは各個人決められていると思っていて、例えば、東京ドームのように広くステージから顔が見えないので「誰だよ、勝手に言っとけ」と一蹴りできる人もいれば、十数人しか入らないこじんまりとしたライブハウスのように一人一人の顔を直に丁寧見てしまい真面目に受け止めてしまう人もいる。
(この例え思いついた時は良いと思ったのに後々見たら分かりにくいね)
苦しい辛いと思ったら必ず誰かに吐き出すことだ。人に吐き出すのが難しければ、相談窓口や駆け込み寺のような掲示板に逃げてもいい。
最後に、マザーテレサの言葉に
「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。」
というものがある。
ここでは、アンチ的な思考をしている人はロクでもない運命を歩むことになるし、夢に本気な人は本当にその道を進むようになるということだと解釈する。
あながち間違ってないかもしれない。
私たちは本当は同じ星の人類なのだから手を取り合うべきなのだが、様々な格差が作られたことによって平和は死んでしまった。
悲しいなぁ。