yosukekosakaの事件簿ーそれからー
終えたと思っていた事件。
あれから、自分きっかけではあるが、また動きがあった。
時間が経ってしまったが、書かずにはいられない。
消えないモヤモヤ
すべきことは全てした。どこかスッキリとした気分にもなれた。
でも、このままでいいのだろうか。
そんな感情に襲われた。
このままでは、更なる被害者を産んでしまうだろう。自分なりの正義感で、可能な限り関係各所に注意喚起をした。
「依頼者から給与をもらえていません。何かご存知でしょうか?ご存知ないのであれば、今後の付き合い方は考えられた方がよいかと。」
全くスルーした人もいれば、「分かりました、気をつけます」という返答や、「知りませんでしたので、これから調査いたします」という返答をいただいたりもした。
クライアントを飛び越しての忠告。本来であれば御法度の行為なのは十分に理解している。
でも、動かずにはいられなかった。やっていることはただの「復讐」なのかもしれないが、「自分なりに役目を果たすことができた」のだと、自分に言い聞かせていた。
突然の連絡
数日して、突如奴から連絡があった。
「何がしたいんですか?営業妨害で訴えますよ?」
何がしたいか分からないとは。何故分からないのかが分からない。
こんな男を野放しにしておいてはいけない。ただ、それだけの話。
挙句、
「こちらは支払うと言っているでしょう。本当に意味が分かりません。」
ときた。
支払ってもらえる保証などどこにもない。こちらとしてはただただ事実を伝えただけ。そう言ってのけた。
訴訟問題?
それでもまだ納得のいかない彼。どうやら本気で私を訴えようとしているようだ。
「今弁護士と話をしています。正式に訴えるためにも氏名と住所を教えてください。」
一体こいつは何を言っているのだろう。氏名は業務開始前に伝えたはずだし、住所なんて教えようものなら何をされるか分からない。
答えられません。そう伝えたのだが、ここから不毛なやりとりの応酬が始まった。
「何故でしょう。こちらは全て情報を開示しているのに開示できないなんておかしいじゃないですか?正しいことをしているつもりであれば答えられますよね?」
「信用できない人にお伝えする義務はございません。弁護士さんと話されているのであれば、弁護士さん経由でご連絡ください。メールアドレスなら教えますので。」
「念のため、メールアドレスと携帯番号も教えてください。」
「不要な情報をお伝えする気はありません。」
「何故ですか?こちらは全てさらけ出しているというのに。」
全てさらけ出しているというのは、HPにプロフィールが記載されているという程度のもの。それを盾に取って議論を吹っかけてくるなど言語道断。
そもそも、本当に弁護士と相談しているかどうか怪しいものだ。普通に考えて、どうやっても非があるのは彼の方なのだから。
遅延損害金
少しして、「遅延損害金を法定利率でお支払いします」との連絡が入ってきた。
年利6.0%。提示してきた数字は私が聞いたことがあるそれと一致していた。
だが、一向に向こう側の弁護士から連絡がくる気配がない。弁護士経由で連絡してもらうよう伝えたが、逆ギレされて終わるの繰り返し。
結局、弁護士からの連絡は一度もなかった。
ほどなくして「正式な金額を計算したいので、そちらが考えている金額を教えてください」との連絡が入った。
夏の終わり
呆れて物も言えない。この後に及んでまだ記事数や金額を把握していないとは。
「確認しますが、そちらの試算ではいくらくらいなのでしょうか?」と伝えると、
「現在確認中です。」
との返答が。
おそらく返事は来ない。そう確信していたが、相手の動向を黙って伺ってみることにした。
2週間後。予想通り連絡が来なかったので、痺れを切らし、こちらの計算結果を伝えた。
「1ヶ月半後の9月10日に支払います。」
これが彼からの最後のメッセージとなった。
儚く脆き日々
9月10日。私の期待を裏切ってくれることはなかった。
変わらぬ銀行の残高。連絡もなし。
予想通りすぎるほど予想通りの結果だ。
数日してから、「お約束の期限を過ぎましたが、もう支払われないものだと思っていいですね?」と連絡したが、既読スルー。SNSにも、明らかに彼の被害を訴える声も聞こえるようになってきた。
彼に振り回された半年は、一体何だったのだろうか。冷え込んできたこの時期になっても、答えは出ないままだ。