街風 episode.4 〜亜麻色髪と夕暮れと〜
「おーい!ワタルー!一緒に帰ろうぜー。」
よし、今日はこの辺で切り上げて帰るか。
「分かったー!ちょっと待っててー。」
今日もクラスメイトのカオリさんは放課後の教室で読書をしている。亜麻色の長い髪が、教室に差し込む日差しに照らされてゆらゆらと煌めいている。僕は、思わず見惚れてしまいそうになったが、はっと我に帰ってカオリさんに声を掛けた。
「カオリさんももう帰る?」
まだカオリさんが帰らないことを僕は知っている。それでも少しでもカオリさんと話したくて、いつ