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けーすけ
2022年8月31日 17:56
クチナワの治める地方から更に西へと向かう。疲れてはいないが休み無しで大空を駆けるオオカミ様は、背中で呑気にガールズトークを楽しんでいる2人に呆れている。 「やれやれ。これから向かう地方は、”歪み” の生じた忌み地であるというのに。タツミが治めているから大丈夫だとは思うが…。」 オオカミ様の独り言は、ミカとカナエの耳にも聞こえた。ミカは、興味津々にオオカミ様に質問をした。 「オオカミ様
2022年8月28日 19:50
「そろそろ着きそうだね。」 オオカミ様の背中から、タマは自分の住んでいた街を見下ろした。いつも日向ぼっこをしていた自分の元住処だった寺を見つけると、自分の街に戻ってきたことが分かった。カナエは、自分の住んでいた街や通っていた学校を指差しては嬉しそうにタマに教えてあげていた。 自分の社から大空を駆けていたオオカミ様は、目的地である街の端にある小さな祠を見つけると、ゆっくりと下へ下へと向かっ
2022年8月27日 00:07
小鳥のさえずりが遠くから聞こえる。 オオカミ様はパチリと目を覚ますと、寝た姿勢のまま大きく伸びをした。伸ばした自分の足先を見ると、慌てて飛び起きた。 「まだ ”この姿” のままか!」 寝室に置いてある鏡に近づくと、恐る恐る自分の映った姿を覗き込んだ。そこにはピンと耳を立てた真っ白なオオカミの姿があった。オオカミ様が自分の姿を確認すると、鏡の中のオオカミはしょんぼりと耳を垂らしていた。
2022年8月26日 09:27
「ああー。疲れた。」 久しぶりにオオカミの姿になった大神様は、自分の社へ帰宅するとぐったりした。そして、自分の寝室へと向かい布団の上でとぐろを巻くように丸まると、自分のフサフサとした毛並みを愛おしそうにペロペロと毛繕いした。あまりに疲れきっていたのか、そのままスヤスヤと寝息を立てて眠りについてしまった。 「おはよー!」 朝陽がすっかり昇りきった頃、オオカミ様の社に元気