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『週刊DiGG』 #4 -最新HIPHOP紹介('20/9/12〜9/18)-
HIPHOPのレビューをTwitterに毎日投稿しているドラム師匠です。2年10ヶ月続けていたので、レビュー数が1000を超えました。
この量を書ける人はそういないと思いつつ、自分をアピールしすぎるのも気が引ける…と迷いながらツイートしたところ、、、
'17年12月から毎日HIPHOPを紹介し続けて、1000レビュー達成しました🎉 誰か褒めて!
— ドラム師匠@🇯🇵HIPHOPを毎日紹介 / 1000レビュー達成 / 週刊DiGG編集長 (@drumshisho) September 16, 2020
たくさんの方からご祝儀いいね!をもらえ、さらにフォロワーが一気に15名ほど増えました。ありがとうございます。自分の気持ちを伝える事が大事なように、実績を伝えることも大事だなと思いました。
さて「週刊DiGG」も4号目。今回は、'20/9/12〜9/18に公開されたMV8本を紹介しています。紅白に出場したあの人から、これからブレイクするアーティスト。さらに、これ問題作では?とまさに今聴いて欲しい楽曲など幅広くセレクトしました。
HIPHOPの最前線を、一緒に味わって下さい。
※ 歌詞=リリック、サビ=HOOK、ラップをしているパート=Verse
とHIPHOP用語で表記しています。
※ アーティスト名に下線がある場合、Twitterとリンクしています。
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|STUTS / Mirrors feat. SUMIN, Daichi Yamamoto & 鎮座DOPENESS|
2020/09/15 公開
星野源との仕事で一躍有名になり、紅白にも出演したMPCプレーヤー/ビートメーカー・STUTS(スタッツ)。2年ぶりのEPからの1曲は、過ぎゆく日々とともに移ろいゆく自分と、鏡に写った自分の存在の危うさを歌った作品です。
ベースを入れず、黒人音楽の要素を減らしている分、韓国のシンガー・SUMINの歌声が消え入りそうなほど刹那げ。
客演ラッパーとして、ジャマイカ人の血が入った黒人特有の低音ボイスが魅力的な Daichi Yamamoto と、ミステリアスさを増す奇才・鎮座DOPENESS がフィーチャーされています。
ビートメーカーが作る楽曲は、アーティストの意外な組み合わせが楽しいです。この楽曲も他では考えられない組み合わせで、いい化学反応を起こしています。ぜひ聴いてみてください。
毎日毎日
変わるし
紛らわしい
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|KZ / I gotta fresh ft. tella ( Prod. by F1REWORKS)|
2020/09/14 公開
R指定が所属することでおなじみの梅田サイファーのメンバーであるKZ。8/22に4thアルバム『GA-EN』 をリリースしたばかりなのに、早くも届けられた新曲です。
mid 90sのHIPHOPを彷彿とさせる掛け声の懐かしさ、tellaの鼻にかかった声、KZのハートフルな暖かさが、張りつめた気持ちを和らげてくれます。長いキャリア中で、いい時ばかりではなく、時に辛酸をなめた事が心地いいメロディとして昇華されています。
HOOKの「年を重ねる度〜」に続く「I gotta fresh!」が力強く、長くやってれば何とかとかなりそうだなと励まされます。
何かに挑戦してて、上手くいかなくて、このままこれを続けても意味あるんかなと迷っている人にぜひ聴いてもらいたいですね。(あっ、著者のことでした;)
夏の終わり〜秋の始まりの過ごしやすい空気にハマります。
誰かが言う なあ諦めろ
いくつになれど 気持ちはMellow
聞き分けのねぇ Soulで生きていけよ
Verseと正論 蹴飛ばしLet's go
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|S-kaine / 明 feat. SILENT KILLA JOINT(prod.OGRE WAVE)|
2020/09/12 公開
リリースの多さにリスナーから苦情がくるほど才能があふれ出して止まらない大阪のラッパー・S-kaine(エスカイネ)。
リリースがどれぐらい多いかというと、7〜9月だけでEPが5枚とシングル1枚発表しています。しかもEPと言っても10曲以上収録されていている物もあって、アルバムと言ってもいいほどのボリュームです。
そんなS-kainêが憧れていたラッパー。それがYouTubeチャンネル・POLINKEY MOVIEのかずきむぎちゃとしても活動する・SILENT KILLA JOINT (以下SKJ)です。
その2人が共作した曲で、Verse1をS-kainêが、Verse2をSKJがラップしています。
SKJは約2年半、塀の中に入っており、出てくるのを待ち続けた後輩 S-kaine に「新たな出会いに祝福を込める」と歌っています。
陽の当たらない社会の闇をあぶり出し、その中でわずかな希望を見出す。後輩の目覚ましい成長を目の当たりにして、自分たちが活躍することが希望に繋がるだろうと言ってるように感じられます。
この2人は、曲をリリースするごとに、表現者としての純度を高めています。10月にも新作を控えているということで、リリースの波は収まりそうにありません。
「キリのないネガの鎖を断ち切れ 本当の意味で自由になれ」
3rd albumは間に合えば10月3日
— S-kainê (From.BDJ) (@Skaine_box) September 15, 2020
9割がた出来上がってます🔥
今は5th epの制作
beat.はMET'isao beats
BB DJ scratch nice
DJ GQ
KECHA
ウクライナから
KULYAを迎えた
5th ep
「Back in Black」
お楽しみに…
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|¥ellow Bucks / Yessir|
2020/09/16 公開
ー Yes sir = かしこまりました ー
¥ellow Bucks は、AbemaTV『ラップスタア誕生!』シーズン3のチャンプとなり、その名の通りスター街道を歩く飛騨高山のラッパーです。この曲は、8月19日に発売された1stアルバム『Jungle』からの1曲となっています。
ドラム以外の音はフルートのワンループのみという構成で、トラックだけ聴くと物足りないと感じるかもしれませんが、その隙間を埋めるように¥ellow Bucksの存在感が曲として成立させています。
むしろ声という最高の素材を生かすため、あえて余計な音を削ぎ落としたと言った方が正確かもしれません。
彼の活躍に裏付けされた自信の表れが「Yessir」の一言に集約されています。Red Bull がキュレートするマイクリレーシリーズでも共演していたEric B Jr.の、アクの強いかすれた声にも注目して欲しいですね。1度聴いたら、誰が歌っているかすぐ分かるほど、声のキャラが立っていますので注目して下さい。
「ストリートに音符を降らす俺ら ストレスから生まれるMoney&Power」
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|HekA / KEMURI (Prod by RexxBeats) |
2020/09/13 公開
名古屋の3MCクルーTripRoomの一員・HekA 。インディR&Bや、アシッドフォークなどを経由したクリーミーな歌は、色気があって魅力的。メロディーに歌心を感じます。
この曲では、何かをあきらめて止まってしまった現状と、空に消えゆく煙を重ね、その行方を眺めるだけの自分から、一歩踏み出そうとする姿を描いています。
その歩みはこれからどうなるのか気になるアーティストです。
「目を逸らした事実から 曖昧にして逃げてた」
※実はこのMV、6月12日に公開されたのですが、新しいHIPHOPメディアPRKS9 によって9月13日に再公開されました。これにより、私も知ることができた曲です。
HIPHOPのMVは年々増え続け、2020年は4000本以上公開される見込みです。リスナーに届かず埋もれてしまう曲も多いと思うので、この「週刊DiGG」を含めて多くのメディアが、様々な形で曲を届けられるといいですね。
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|W.O / the WOrld (Prod. by ATSUKI)|
2020/09/16 公開
一筋縄でいかない足立区のクルーVANADIAN EFFECTに所属する W.O のソロ作。
突き放したような声で他人を寄せつけないInner Worldを描いており、ダビーなSAXが作る音像は、密室的でありながら空間的拡がりを作りだしています。
重力を失う脳がflyhigh
「未だそこにいる君とbyebye」
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|8S Protean / New|
2020/09/18 公開
Human BeatBoxer/ラッパーの 8S Protean が、自分の声だけで完成させた楽曲。自分の息がかかった音で構成されているため、ラップとトラックの一体感と、微妙な機微をとらえたグルーヴ感がスゴいです。
ブレイクでは、トラックと共に声を潜ませ、後半に盛り上げるハイハットの多彩さ。アウトロのボイスパーカッションの遊び心。ストリートで培った目の前の客を飽きさせない手法がギュッと詰まっています。
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|Tohji / Oreo|
2020/09/17 公開
憤りをTRAPビートの乗せてパンキッシュにシャウトし、若者に絶大な人気のあるTohji。直線的だったTohjiのラップスタイルが徐々に変化を見せています。
kZmと共演した「TEENAGE VIBE」ではフニャフニャと揺らぐフローを披露しTohjiってこんなこんな事もできるのか驚きました。そして前MV「プロペラ」という曲では、ビートこそTRAPですが、発声を聴き取れるかどうか分からない程あいまいにし、言葉の輪郭が無くなっていっていました。
そして、この「Oreo」では、ヨーデルの要素を取り入れてて、音程を上下に揺さぶり、ラップも前作同様あいまいなため、言葉もメロディもつかみどころがないという問題作になっています。
もはやHIPHOPですらなくなっています。現時点でカッコいいかどうか判断つかず保留した状態です。
でもよくよく考えるとアートの世界では、アンディーウォーホールに代表されるように、先駆者たちは、物議をかもす作品を発表しますよね。
“それはアートか?アートじゃないのか?と
同様にこの作品も先鋭すぎて自分がついていけてないだけかもしれません。
これは実験作なのか?
Tohjiの気まぐれなのか?
それともイノベーションを起こす時代を先駆けた作品なのか?
ぜひあなたの耳で確認して下さい!
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さらにHIPHOPを知りたい人へ
最新HIPHOPを8曲紹介してきました。いつもよりも情報量が多かったですが、いかがだったでしょうか?また感想をきかせてください。
「週刊DiGG」では、これからもHIPHOPを紹介していきます。毎週火曜日に投稿するので、見逃さないようフォローをお願いします。
またYouTubeでもHIPHOPを紹介しています。そちらもチェックしてもらえると嬉しいです。では次週お会いしましょう。またね。
⬇︎ドラム師匠のYouTubeチャンネル
⬇︎毎月2回、厳選した30曲のプレイリストを作っています。連続して聴けますし、シャッフルしても聴けます。じっくり聴きたい人にオススメです。
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