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2021年 HIPHOP ベストソング 15曲
Twitterにて、HIPHOPのレビューを書き続けて4年目に突入したドラム師匠です。『月刊DiGG』では毎月20曲をピックアップしてますが、そこから2021年のベストソング15曲を厳選しました。
なぜ選んだか理由を語れるラスボスばかりです。HIPHOPを通じて2021年を振り返って下さい。
※ 歌詞=リリック、サビ=HOOK、ラップをしているパート=Verse
とHIPHOP用語で表記しています。
※ アーティスト名に下線がある場合、TwitterまたはInstagramとリンクしています。
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LEX / GOLD(Prod. Kevin Jacoutot & Sean Houston)
2021/09/29 公開
▶︎ 実力、人気、カリスマ性を兼ね備えたスーパースター
9月29日に4thアルバム『LOGIC』をリリースした LEX 。JP THE WAVYと共演した軽快なナンバー「なんでも言っちゃって」が公開からわずか1ヶ月で350万回されるスマッシュヒットしました。客演も含めた量・質ともに充実した"2021年はLEXの年だった"と言っても過言ではありません。
アルバム『LOGIC』のオープニングを飾るのがこの曲で、現状に甘んじていない渇望感を、彼の雄叫びから感じることができます。
「死にものぐるいで行け
もっと行きたい上
上 上 上 上」
欲望をここまで開けっ広げに口にするのはとても勇気のいること。言い訳することを許さず、自ら逃げ道を塞いでいます。
目標が高ければ高いほど、そこから見える景色は壮大なはずで、この曲に解放感を感じるのはそのせいかもしれません。リスナーの思いも一緒に乗せて…
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JP THE WAVY / WAVEBODY (Remix) feat. OZworld, LEX & ¥ellow Bucks
2021/10/12 公開
▶︎ 華のあるMC4人の共演
2021年、映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」の劇中歌として日本人で唯一使用されたり、雑誌GQが選ぶ「 MEN OF THE YEAR 2021」にLEXと共に選ばれるなど幅広い層から支持を集める JP THE WAVY 。
2021年3月に発表したEP『WAVY TAPE 2』に6曲のRemixを追加し、Deluxe版として9月に再リリースをしました。この曲は、OZworld、LEXが客演した楽曲に、¥ellow Bucks のVerseを加えたRemixです。
豪華な客演陣に囲まれても、"主役は俺"と言わんばかりにダンサブルなフローとHOOKを聴かせるVerse1のJP THE WAVY。流れるようなフローが超心地いいVerse2のOZworld。喉を強調することで歌声に雑味を加え、とんでもない爆発力を見せるVerse3のLEX 。
原曲はここまでで、もう十分すぎる完成度なんです。
この楽曲に新たにVerseを加えるのが ¥ellow Bucks なのですが、さすがの彼でも難易度が高い仕事だったのでしょう。その証拠にVerse4は、こんなリリックから始まります。
「Wooo こりゃ荒波
マジな話で このリミックスはヤバすぎる 」
3人に引けを取るどころか、色気のある声で存在感を際立たせる¥ellow Bucks は流石ですね。スター性のある4MCの共演はとても貴重で、見ているだけでワクワクします。
私は、そろいの服を着た4人を見てTERIYAKI BOYZ®を思い出しました。この4人がグループとして活動すれば、ワールドワイドに勝負できると思います。ただ4人をグループに拘束するのはもったいないな…
なんて勝手に葛藤してしまいました(笑)
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Montana Joe Carter / KINOPI / YB FEAT YOUNG BOY
2021/04/17 公開
▶︎ ダークなのに踊れるって最高じゃない?
西東京エリアを活動拠点とする Montana Joe Carter 。情報は少ないが、RYKEYやRAU DEF(ラウデフ)の楽曲に客演参加している実力派ラッパーです。
「あいつらより倍の倍の倍に ヤバいんじゃないかって思ってる」
上記のリリックを見てもらえればわかる通り、彼は言葉をリフレインさせてリズムに乗せるのが秀逸です。2021年は声をひそめてラップするスタイルが流行りました。低音ボイスで曲調もダークのために見過ごしがちですが、言葉を小刻みに、小気味よくバウンスさせています。
パーカッシブなトラックも胸を弾ませますね。深い深い夜の時間に、大人だけが楽しめるダンスミュージック仕上がっています。
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S-kaine, Fuma no KTR, Spada / Day ’N’ Night (Prod. DJ UPPERCUT)
2021/07/15 公開
▶︎ 化学反応がスパークする
映像ディレクターの Spikey John が主宰するレーベル・NHOJYEKIPSから突如届けられた1曲は、3MCによる想定外の組み合わせが楽しめます。
S-kaine、Fuma no KTR の2人は大阪出身ということもあり、この組み合わせは予想がつきます。そこに2021年に活動休止となったNormcore Boyzの Spada が加わることで、意外性が一気に期待へと変わりました。
DJ UPPERCUT によるトラックが、ワンループで構成されているとは気が付かないほど色彩豊かに感じるのは、3MCの個性が爆発しているからでしょう。
Verse1のS-kaineは、のっけから濁った声のDopeさにヤられます。普段のBoomBapとは異なる洗練されたサウンドとの相性の良さに驚かされます。
Verse2のFuma no KTRは、滑らかなフローでも歌詞が耳に入ってきます。「失敗して進むもんだ あえて握る有刺鉄線」がこの曲1番のパンチラインですね。
Verse3のSpadaは、バチバチに気合が入ったラップをかましています。クルーを離れてソロ活動が増えたことで、人間的な成長を感じます。もっと聴きたいと思う所で曲が終了しますので、余韻が残って仕方ありません。
今回は、無糖強炭酸水VOXがスポンサーとなり、商品をさりげなく登場させながら(さりげないってのがポイント!)、予算をかけた映像になっておりSpikey Johnの手腕が発揮されています。
若者が好む尖ったイメージをHIPHOPが担っており、企業とのコラボを通じて影響力が増していくのは非常に嬉しいですね。この流れは今後も加速しそうです。
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ちゃんみな / 美人
2021/3/19 公開
▶︎ ありふれた言葉、でも刺激的なタイトル
女性が容姿を語る。男性に置き換えると"薄毛" "剛毛" "低身長"とかになるでしょうか?別にバカにしている訳ではありませんが、まず触れたくないテーマですよね。
この曲では、日本語、韓国語、英語を巧みに操るトリリンガルラッパー/シンガー・ちゃんみな の過去に受けた苦々しい体験を告白しています。
「あの時私はまだセブンティーン
あの時言ったよな
You can’t be beautiful
You can’t be famous
醜いブスが歌ってんじゃないよ
あの時狂った精神に才能が開花」
容姿を批判する無責任なコメントは、デビューしたばかりの彼女の心を傷つけます。ヤンキー上がりということもあり喧嘩上等!何を言っても平気だろうと思われたかもしれません。しかし、彼女はまだ17才の少女でした。
過剰とも言えるほどのメイクへのこだわり。ここから容姿へのコンプレックスが垣間見られます。人は皆、コンプレックスを抱えています。できるだけ表に出さず生活していますが、ちゃんみなは内臓をさらけ出すがごとく、すべてを打ち明けています。
当時感じた悔しさを晴らすべく、執念・怨念が歌となって見事に昇華されています。曲中のダンスを振り付けたのは GENTA YAMAGUCH 。彼はちゃんみなの美しさを見抜き、落ち込む彼女を「綺麗だよ」と言って励ましていたそうです。
再生回数は現在(12/31)993万回。コメント欄には英語のコメントが多数投稿されています。"表面の美しさに惑わされず、内面の美しさを磨け!"そのメッセージは確実にリスナーのハートをとらえています。
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Kvi Baba / Fool in the Moon(Prod. BACHLOGIC)
2021/07/30 公開
▶︎ 寂しさと共鳴する歌がある
Kvi Baba(クヴィ ババ)は、1999年生まれで大阪・茨木出身のラッパーです。。Red Bullがキュレートする人気マイクリレー企画・RASENへの参加したり、人気ラッパー ZORN の日本武道館ライブで、AK-69、KREVA、般若、ILL-BOSSTINOといった大御所ラッパーと肩を並べて出演するなど注目を集めています。
7月30日にリリースした5th EP『Toge ni Bara』は、2nd EP以降、すべての楽曲を手掛けるBACHLOGICがプロデュース。XXXTentaxionやLil Pumpに代表されるエモトラップ〜クラウドラップの影響が感じられ、ジャンルの垣根を越えた口ずさめるメロディとダイナミックさが特徴的です。
この曲は切なさを紛らわせるため、満たされないと分かりながらダンスする。そんな心情が描かれいます。UK a.k.a AMP Killer によるギターと、太めの縦ノリなドラムが、'80〜'90年代のオルタネイティブ・ロックっぽい疾走感を演出します。
疾走感が増せば増すほど、切なさも増して胸を締めつけます。最後に「yeah」とはり上げた歌声は、彼のやり切れなさが夜の街に響き渡るように感じられます。
▼Kvi Babaを紹介した記事
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OMSB / CLOWN(Prod. OMSB)
2021/08/16 公開
▶︎ 負けてるからやるんだろ!
曲が書けないというスランプを2年ほど経て、まとまった作品としては6年ぶりにEP『MONKEY』をリリース。そして3ヶ月も経たないうちに次のEP『Haven』をリリースした OMSB(オムスビ)。
子供ができたことをきっかけに、一度は就職を試みるも肌に合わずに退職。本気で音楽をしようと吹っ切れたとfnmnlのインタビューで語っています。この曲が収録されたEP『Haven』は、前EPと同時期に作られたことから好調ぶりが伺えます。
OMSBの視線は、女性から相手にされない負けの美学。その悔しさをラップに、マイクに、ステージにぶつける様がカッコいいですね。マイクチェックをするHOOKで、声を全面に押し出す音響デザインも、気持ちを反映しています。
「人一倍大汗かきながら
立つ奴だけ見れる景色を味わう」
タイトルにあるCLOWNは"道化師、ピエロ"という意味から、苦しいこともあるんだろうけど、それでもラッパーとしての誇りを感じます。
次に紹介するTORAUMAが同じテーマで曲を制作しています。比較して聴くと、味わい深く感じられるはずです。ぜひ聴いてみて下さい。
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TORAUMA / Sol (Prod. CraftBeatz)
2021/03/26 公開
▶︎ 情念がHOOKで一気に着火
青森県出身のラッパー TORAUMA 。彼は、沖縄のクルー604の中心メンバーMAVELとHANGに誘われ、現在は沖縄で活動をしています。
2021年3月26日、自身初の1stアルバム「Sternbergia」リリース。現状を幸せと言いつつ、どうしようもない空虚さをラップすることで埋めようとしています。
曲が進むにつれ上がっていくボルテージ。そして情念をHOOKで一気に爆発させる。それは生きづらさへの苛立ちであり、もがきでもあります。HIPHOPへのリスペクトがあるから、お前はラッパーだろ?と自らを奮い立たせています。
同クルーの HANG からの影響を感じさせつつも、「今度こそ逃げずに守り抜くよ」と抱えた深い闇を感じずにはいられません。
「歪ませろビート ノイズに生きてこう
消えるプライドにエゴを重ねろ
自分の意思で震える足で
笑って見せろよ ラッパーなんだろ?」
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8cloudbroz / JoJo Bitch (prod.0mSv)
2021/01/29 公開
▶︎ 正気でなんかいられっか!
スケボー、アパレル、アート、タトゥーなど遊び仲間で構成された大阪 守口のクルー SEERES CREW 。その中の音楽部隊 adnym、總、spook dra、DON-8 の4人で構成されたのが 8cloudbroz(エイトクラウドブラザーズ)です。
ビートメーカー 0mSv が左右に揺さぶるバグパイプの音色は、三半規管を麻痺させ正気でいられなくなります。
えもいえぬ怪しさと騒々しさ、その中にあるユーモアさを奇才・天使弾道ミサイル が見事に映像化。マントを羽織った鳩軍団(どう見ても怪しい!)が、滑らかにスケボーに乗りこなし(上手すぎて怖い!)、消化器と花束(なぜ?)を持っててシュールに狂っています。
さらにバスケットボール・フリースタイラーで3度日本一になり、KIRAの「Bye Bye Boy」にも出演していたパフォーマー Bug!? も出演してカオスさに拍車をかけています。
このデタラメ具合が超楽しいですね!これでいいのだ。
「このバイブレーションは感染症
ワクチンで耳の穴高圧洗浄 YES YES Y'ALL」
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SPARTA / Nobody ft. BIM( Prod. No Beer team)
2021/01/25 公開
▶︎ 憧れがつなぐバトン
2021年に飛躍したラッパーの1人に、SPARTA (スパルタ)が挙げられます。
彼は熊本出身で、有望なスケーターとして活動していましたが、怪我により挫折。そこから映像を手がけつつ、ラッパーの道を志すことになります。
東京に上京して出したMV「Orca」が反響を呼び、メディアから取材を受けるようになります。KID FRESINOなどのラッパーと知り合えたのもこの頃で、アーティストの繋がりができ始めます。ちなみにKID FRESINOと初めて会った時、「SPARTAじゃね!?」と向こうから話しかけてくれて嬉しかったとBlack File TVのインタビューで語っています。
「嘘みたいなStory 夢のように」
ピアノの旋律で始まるこの曲は、憧れのアーティストたちとの楽曲制作を夢のようだとドラマチックに歌っており、「次は俺の番」と夢を与える側になる気概も見せています。
そして、Verse2で客演参加しているラッパー BIM にもまたドラマがありました。
「Dream sky見上げ憧っれった
あのラッパー 本当にいるんだな ハッハー」
ここで言う「Dream sky」とは、ラッパー RAU DEF(ラウデフ)が2010年に発表した1stアルバム『ESCALATE』に収録された曲のことです。
今やレーベルメイトになったPUNPEE、憧れのRAU DEFに照れくさくて言えない気持ちを、リリックを通して伝えているのが微笑ましいですね。
そして今、SPARTAを羨望の眼差しで見上げ、リリックを書き始めた若者がいるはずです。こうやってHIPHOPが受け継がれていくのでしょうね。まだこのストーリーは始まったばかり…
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Deep Leaf / intro (feat. 16)
2021/06/28 公開
▶︎ 音が鳴っているのに、静けさを感じる…
福岡で結成された8人組のクルー・Deep Leaf 。2021年4月18日にリリースされた1stアルバム『infinite』をきっかけに、ニートtokyoに出演したり、初MV「LALALA」が31万回(2022年1月現在)再生されるなど注目を集めています。
若さと勢いとヤンキー魂が炸裂したアルバムの中で、異色さに目を引くのがこの曲。16 がしぼり出しすカスれた声は、触れたら切れそうなほど繊細な感情の機微を表現しています。
そして、初監督とは思えない Ryota_Fukuoka による映像の演出が見事なんです。
白いスーツと赤い血
ライブでの喧騒の中の孤独
死の中の生
これらを対比させることで、すべての時間が止まったような静寂を感じずにはいられません。こんな曲が Deep Leaf のアルバムに入っていたなんて…彼らの奥深さに驚かされました。
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MONJU / Ear to street(Prod. 16FLIP)
2021/11/22 公開
▶︎ 本能を掻き立てるBoomBap
3rd EP『Proof Of Magnetic Field』を発表するのは、ISSUGI、仙人掌、Mr.PUG からなるHIPHOPユニット・MONJU 。2008年に発表した2nd EP『Black de.ep』以来の約13年半ぶりの新作なっています。
パーカッションを絶妙にミックスさせたドラム、アフリカ由来の黒人が受け継ぐコーラスがプリミティブに本能を掻き立てます。
(ele-kingのレビューには、元ネタはアフロ・ブラジリアン・ファンクの名曲と書かれていました。著者はどの曲か未確認なので、知ってる人いたら教えて下さい!)
"足の向くまま気の向くまま"に歩くことをテーマにした曲。そのステップには理由があって、理由はストリートに聞いてくれと歌っています。
HIP HOPの形がどんどん変わっていってもBoomBapを貫き、地道に活動をする3人だからこそ、言葉がストリートに染みていくように感じられます。
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IKE / Mad Man feat. SHABACO
2021/07/17 公開
▶︎ 大きく弾むリズムに首揺れ必死
IKE & rice water Groove Productionで活躍するMC兼ビートメーカー IKE(アイク)が、'21年7月23日にソロアルバム『FLIP』をリリースしました。
前MV「Self Ctrl feat. ONENESS」では自身はシンガーに徹し、艶やかな歌声を聞かせてくれましたが、今作では過剰なほどラップをしています。
ウィルスの脅威にさらされた近未来が舞台で、映画『メン・イン・ブラック』を彷彿とさせます。
緩急をつけたフローで粘り気のあるGooveを作るIKE、SF設定だったら多少ハメをしても大丈夫でしょと言わんばかりに、遊び心でフローを崩す SHABACO 。
スキルがあるからできるビートの上暴れっぷりが最高です。とりあえず首を揺らしときましょ。
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Young Yujiro Ft. Well-Done, ILLNANDES, S-kaine, DJ BULLSET / 風の時代(Prod. Lil Yamagucci)
2021/09/10 公開
▶︎「HEY」の一言で伝わるヤバさ
Jin Dogg を擁する HIBRID ENTERTAINMENT の創設メンバー Young Yujiro 。シビれる低音ボイスが特徴で、1年ぶりの新曲は煙たさとヤバさを充満させたBoomBap。
客演には、長年関西で活動するクルーPSYCHOPATCHやYELLOW DRAGON BANDのメンバー ILLNANDES 、大阪の大所帯クルーTha JointzのWell-Done、MCバトルでもお馴染みS-Kaine と関西アンダーグランドの新旧メンバーを組み合わせています。
先輩の胸を借りるように、若手ラッパーがのびのびと躍動しています。リリックで自らのキャラを肥大化させる Well-Done 。どれだけ人気が出ようが地元大阪の現場を大切にするS-kaineの台頭が目覚ましいですね。
その他、MVには関西の主要アーティストが多数出演しており、アンダーグランドなHIPHOPが脈々と根付いていることが分かります。
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Tohji, Loota & Brodinski / Yodaka
2021/07/22 公開
▶︎ やはり避けては通れなかった
山奥のさらに奥にある、人が近寄らない聖域に踏み込んでしまったような、とてつもないパワーを感じる曲です。それは決して快適なものではなく、むしろ居心地の悪い。圧倒的なものを目の前にし、足がくすみ、声が出なくなる。そんな感覚に襲われます。
木をノコギリで切る音は、気忙しい息づかいにも聞こえ不穏さが増します。フランスのビートメーカー Brodinski のトラックは、前触れもなく動き出したと思ったら、突如静寂を放ち、また動き出すことを繰り返します。
Tohji と Loota によるファルセットを多用した歌は、どこにも着地することなく終焉を迎えます。前衛映画を見ているようで、私はいまだこの曲を消化できずにいます。でも今は感じるだけで十分な気がしています。みなさんはどう受け止めましたか?
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終わりに
最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事を書きながら、やっぱりHIPHOPがいま1番面白いし、才能が集まっていると感じます。
この記事以外に、TwitterでHIPHOPを紹介している PAPA-KIMG さんと2021年を振り返る座談会も行いました。そちらもぜひご覧ください。⬇︎
最後に、2021年を振り返る「年間Best30 日本語ラップ / ヒップホップ 」のプレイリストを作りました。今回紹介できなかった名曲も多数ありますのでチェックしてください。では2022年もよろしくお願いします。
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![ドラム師匠@ヒップホップライター](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/20795455/profile_87d8b76b07da8a562325f7fc0c6f635c.jpg?width=600&crop=1:1,smart)