![空音サムネイル.001](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/20880915/rectangle_large_type_2_5d56702e8e1da972b1089ff314c5a2ed.jpeg?width=1200)
コアなHIPHOPファンは、ラッパー空音をどう見ているのか?
どうも、HIPHOPライター/YouTuber のドラム師匠です。今、りるごり君というYouTuberと、HIPHOPについて語るラジオをやっていています。
正直に言いますが、私はトークが上手くありません。なので事前に台本を書いています。毎回3000文字ぐらいになるので、それをラジオ収録前にnoteで公開することにしました。映像でも、文章でも好きな方でご覧下さい。
空音のプロフィール紹介
それではドラム師匠が関西のHIPHOPシーンについてお届けします。
2020年1月19日にTRIANGLEというクラブで行われた、EAGLEYEのリリースパーティーの様子をお伝えします。
今回は、SUB、kaisei に続く第3弾!今や人気ラッパーとなった空音のライブレポートです。HIPHOPサイドから見た空音が、今どのような立ち位置なのかを語ります。
空音のことを知ってる人がほとんどだと思うのですが、もしかしたら知らない人もいるかもしれないのでプロフィールを紹介しておきます。
空音君は、2001年生まれ 兵庫県・尼崎のラッパーです。
サイファー出身で、circle 6 clan(サークル・シックス・クラン)というクルーのリーダー的存在です。
ちなみにこのクルーには、EAGLEYEも、NeVGrNも所属しています。
2019年7月3日にリリースした1st EP『Mr.mind』がiTunesの「ヒップホップ/ラップチャート」で1位を獲得。
9月11日には2nd EP『Boi in luv』をリリース。
この EP に収録されている「Hug feat. kojikoji」のミュージックビデオが2020年3月現在157万回再生されてバイラルヒット。
この勢いのまま12月18日にアルバム『FANTASY CLUB』をリリース。全国6箇所をまわるリリースツアーが全公演sold out という人気ぶりです。
というのが空音の簡単なプロフィールになります。
ちゃんと伝えておきたいのが YouTubeでMVがたまたまバズったとか、ラッパーBASIさんにフックアップされたから人気が出たってことじゃなくて、1st EPがリリースされる前から、小箱のクラブやアンダーグランドなパーティでもライブを積み重ねてて実力をつけたということ。
フリースタイルをやらしたら誰よりも上手くて、ヘッズの間でも一目を置かれてたというところやね。
私もアルバムをリリースする前のライブは何度も見てて、この人は売れるなと思ったんよ。多分りるごり君のYouTubeのコメント欄にも「空音がいい!」みたいなことを書いたと思うわ。当時は「ステージの照明を全て消して下さい」って言って、真っ暗な中でライブしてたのが1番記憶に残っているな。
りるごり君は空音についてどんな印象を持ってる?
空音についての個人的な感想
個人的には、1st EPの頃は、HIPHOPのフォーマットにファンタジーの要素を入れてて、それが絶妙なバランスが好きやったんよ。
大ヒットさせた「Hug」は超スウィートなラブソングやから、ちょっと俺には甘過ぎるなという感じ。あくまで個人的な40代の男性の感想と思ってきき流して欲しいんやけど。
🆕|空音@srn_0_6_c/planet tree|
— ドラム師匠@🇯🇵HIPHOPを30秒で毎日紹介 / YouTuber / ライター (@drumshisho) December 4, 2018
尼崎サイファーで腕をみがく高校生の空音。実に味わい深い作品である。リアルと寓話が交錯するリリック。清濁あわせ持ち、低音をアクセントに効かす歌声。そして年代物のワインのように芳醇なメロディが舌先に残る。本当に高校生??
▶️https://t.co/CaiAoawRSO pic.twitter.com/K6q0dy2EEZ
🆕|空音@0_sorane_6 / Mr.mind|
— ドラム師匠@🇯🇵HIPHOPを30秒で毎日紹介 / YouTuber / ライター (@drumshisho) April 26, 2019
歯切れの良さが特徴の空音1stEPからの1曲。心の中のもう1人の自分と対話すると、ネガ→指先、ポジ→気休めという位置関係。それでも指先から物語性あるリリックが生み出される。ラッパーとしての生き様に説得力が宿る。
▶️https://t.co/UnA0qUNzSw pic.twitter.com/voInTt1QdN
空音について聞こえてくる雑音
その「Hug」が話題になった頃からHIPHOP界隈では、「あいつはHIPHOPじゃね」という雑音が聞こえるようになったんよね。当然注目が集まるから、その分ヘイターが増えてくるのはしょうがいないことやねんけど。
空音君がTwitterで「HIPHOPじゃなくてもいい、曲をアートとして見て欲しい」みたいなツイートをしたところ、東京のラッパーバチスタがそれは逃げだろうという批判をして、その批判に対してTERUやEAGLEYEがDIS曲を発表して、ビーフに発展したことがあった。空音君はビーフには参戦してなかったから、東京と大阪の代理戦争みたいになってて面白かったわ。
HIPHOPじゃなくていい。アートとして見てほしい。っていうのは逃げ。1番大嫌いな考え方。
— バチスタBCST (@bcstinged) October 1, 2019
そしてアルバム『FANTASY CLUB』もかなりポップな仕上がりで、普段HIPHOPを聴かないような女性リスナーからも支持されたんよ。空音がなぜPOPなアルバムを作ったかについては、後ほど喋りたいと思います。
HIPHOPパーティーでの空音ライブレポート
今回のEAGLEYEのリリースパーティーは、どちらかというとコアなヘッズ向けのイベントで、TRIANGLEというクラブもHIPHOPの原液のような濃いパーティーを開催しているハコやねん。
そこで空音がライブをするということで、どんなライブをするのか、選曲はどうするのか、そして自分もどんな気持ちになるのかを楽しみにしながらライブを見たんよ。
どんな内容やったかというと、アルバムの曲を中心にと言うよりも、1st、2nd EPの収録曲が中心やってて、甘さ控えめでHIPHOPファンに受けるような選曲になってた。
改めて感じたことは、「空音君、ラップ上手いわ〜」ということ。これだけキレのあるラップしてたら、ポップでメロディアスな曲をやってようが、下手なラッパーは文句は言われへんなと思った。
ライブ映像①紹介
ということで、空音君のライブ映像を見てもらいたいと思います。1st EP『Mr.mind』に収録されたJazzyな曲です。空音で「Rush」のライブバージョンです。どうぞ!
〜ライブ映像①を流す〜
はい、いま見てもらったのは、「空音/Rush」でした。
りるごり君に感想を尋ねる。
1stアルバムがPOPな理由
1stアルバムがPOPに振り切ったを理由を考えてみました。ここからは私の推測。
元々そいういう曲が好きっていうのはあるやろうけど、もう1つ理由があると思ってて。空音君は2019年の3月まで高校やったんよ。卒業も間近ということで進路を決めなあかん時期になるやんか。実は企業への内定が決まってて、働きながら音楽をするってことを考えたんやけど、音楽一本でやりたいってことで2月に内定を辞退してるんよ。
現実的に音楽だけで生活ができているラッパーってほんの一握りやん。コアなHIPHOPリスナー相手やとどうしてもパイが小さいから、もう少し多くのリスナーに聴いてもらうにはどうしたらいいかを考えたのではないかと思って。
HIPHOPというジャンルにこだわるのではなくて、音楽家として生きていくことを選んだんじゃないかなって。
ライブ映像②紹介
さっき言ったような批判や葛藤に対してどう思っているか、空音がライブ中に喋っている映像があるので見てもらいたいと思います。
Olive Oil「WAKABA」という曲のビート使ってフリースタイルをしているので聴いてもらいましょう。空音のフリースタイルです、どうぞ。
〜映像②を流す〜
いま聴いてもらったのは、空音のフリースタイルでした。
りるごり君に感想を尋ねる。
やっぱり空音君を語る上で大事なことは、サイファー出身で腕を磨いて、コアなHIPHOPリスナーからの信頼を得て、今はより大きな音楽リスナーに刺さる曲に挑んでいるということ。
空音の独自のポジション
今年はコロナウィルスの影響でフェスがどこまで開催されるか分からんけど、大きな会場で客を沸かせられるポテンシャルがありつつ、week dudusが出演するような濃いHIPHOPパーティーにも出演したりしている。
空音の活動が、HIPHOPの枠を拡げてくれてるし、普段HIPHOPを聴かない人への入りやすい入り口を作ってくれているとも思うんよ。
現場ならではのエピソード
現場ならではのエピソードがあって、会場にはいわゆるB−BOY系の人が多かったんよ。その中で1人ジャニーズみたいな人がいて、その人が俺に酔っぱらいながら話しかけてくれたんよ。俺は取材してたから、動画とか写真をバシバシ撮ってたのを見て「カメラマンですか?」みたいな感じで。
その人に“今日は誰のライブを見にきたん?”と質問したら「空音です。ツアーに行きたかったけど、チケットが取れなさそうなんでこっちにきました」って言ってて。“他に誰か気になるアーティストはいた?”との質問に「EAGLEYEがカッコ良かったです」って言ってたからそこで乾杯したわ!
お互いのTwitterのフォローし合おうってなったけど、ジャニーズ系の彼は鍵アカウントやってから、「じゃあフォロしてよ、フォロし返すから」って言ったのに一向にフォロしてくれてないという(笑)
それはいいとして、こういう人がクラブに足を運んでるというのが答えかなと思った。
で最後にこれだけ言わせて!
空音のLIVEの終わりに、「今日はやるつもりはなかったんやけど、みんなとこの曲を歌いたい」って「Hug」をやったんよ。
その会場にいる人たちは、演者も含めて一緒に歌いながら、「売れてよかったな、空音」と祝福しているようでピースフルな空間になっていたのが良かったわ。
次回の予告
ということで、ラッパー空音が気になった方はグッドボタンとチャンネル登録をお願いします。
今回のラジオを収録するにあたり、なぜ空音君がHIPHOPリスナーから愛されるか、それを語る上でBASIさんとKojiKojiちゃんの存在がいかに大きいかという理由も考えたので、また別の動画でお伝えしようと思います。
🆕|空音@0_sorane_6 / 相棒 feat. BASI|
— ドラム師匠@🇯🇵HIPHOPを30秒で毎日紹介 / YouTuber / ライター (@drumshisho) March 11, 2020
キャッチな喧騒をぬけ、ふと1人、音楽と向きあった曲。「逃げたくなったり 辞めたくなるが」とポジティブだけじゃない空音の人間味がでていて嬉しくなる。Albumをこの曲で締めることで、次はどんな展開に?なんて想像したり…
▶️https://t.co/cOlefxD170 pic.twitter.com/RwamLlddKB
来週の予告です。
次回は、この日のライブレポート最終回。EAGLEYEのライブの魅力を伝えたいと思います。
それでは最後まで聴いてくださった方、ありがとうございました。
さらにHIPHOPを知りたい人へ
『週刊DiGG』という連載を始めました。毎週最新HIPHOPを紹介していきます。毎週日曜に投稿します。(でも週末にHIPHOPパーティに行った時は火曜で許して)見逃さないようフォローをお願いします。
またYouTubeでもHIPHOPを紹介していますが、登録者数が伸び悩んでいるのでチェックしてもらえると、すこぶる喜びます。では。
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