
Black Coffee @ WOMB 行ってきました
はい皆様こんにちはDee-Sです。今回は珍しくParty Report記事になります。南アフリカの英雄、近代Afro Houseの父ことBlack Coffeeが遂に2025年1月10日に渋谷WOMBでDJというニュースが飛び込んできて、速攻で前売りをゲットし当日まで首を長くして待ち望んでいました。
だって、余りにもワールドワイドで売れすぎてグラミーも受賞しているBlack Coffeeの来日公演なんか今の日本の金銭事情では実現不可能なんじゃないか?と半ば諦めモードで過ごしてきて、まさかの前売りが早割で5000円、通常前売り6500円と超破格とも言うべき設定ですよ?そして会場がWOMBとなれば行かない理由なんて考えられませんよ普通に。
…と、まぁいきなり大ファン丸出しの書き出しで申し訳ないのですが、そもそもBlack CoffeeのDJって、どんな感じなの?という疑問もご存じない方も少なくはないと思いますので、先ずは2018年のCercle主宰のパーティーの動画で、そのDJを聴いて頂ければと思います。
皆様どう感じたでしょうか?とても優雅で郷愁感もあり、深いところから、しっかりとジワリジワリと展開していく古のNYアンダーグラウンド系のビルドアップのさせ方なんだけど、音はしっかりとアフリカの要素がふんだんに散りばめられていて、洗練されたお洒落なDJだと個人的には感じていました。一聴してすっかり自分は虜になってしまったうちの一人です。
そして、あまりこれは書くべきか悩ましいところではあったのですが、彼は幼いころに事故に遭い左手を動かすことが出来ない、というハンディキャップを背負っており、彼のDJは右手で全てをコントロールしています。故にHouseの肝であるロングミックスを施す際にMix中は両チャンネルのLowを切って、そこから徐々に次の曲のLowを入れていくMixで音を紡いでいくことが多く、そのスタイルが彼独特の個性となっています。また、Pioneerのミキサーに搭載されているエフェクトの使い方も非常に独特かつ想像を絶するテクニックに驚かれるかと。正直、自分は両手が使えるにも関わらず、彼のような芸当は到底出来ない、と最初動画を見たときに思いました。この彼のハンディキャップをむしろ武器にしたスタイルに、とてつもない才能を感じました。これは絶対に生で現場で聴かなければ自分は一生後悔する、とさえ思いましたね正直なところ。
当日の渋谷WOMBでの状況について
そして待ちに待った1月10日当日、自分は前売りも完売していることを知り、これは終電前に滑り込まないと、フロアに居場所なんか無いな、と判断し23時30分には渋谷WOMBの店内に行きました。結果として、この判断は大正解。私の友人やTwitterで相互フォローしている方から話を聞いたら「前売りチケット持っていても入場するまでに40分から50分を要した」という事態だったそうです。これ、当日8000円の入場が若干数可能だったと思うのですが、実際に当日で入れた方、居たんでしょうかね?Twitterや他のSNSを見た限りでは「2時間待っても入れなかった」という恐ろしいポストをしていた方が居たので、当日で入れた方、ほぼ居ないと思います。
また、パーティー当日に「当初は5H setで予定していたものが変更になりました」とアナウンスされ、「あれ、じゃあ何時にスタートなんだろう?」となり個人的には1曲たりとも聴き逃したくない、と思っていたのでオープン直後に行って店内に入るとタイムテーブルに25:00~、と記載されていたので、実質3.5Hというセットなら個人的には全然アリだな、となりました。
そして、これは個人的な所感ですが、Black Coffeeのパーティーに集まったお客様の層が6割から7割くらいは外国人勢だったと思います。最近の大きな会場は、言ってみればインバウンド勢が主流になっている傾向があると思うので、そこまで驚くことではなかったのですが、所謂アフリカ系のお客様もチョイチョイ見かけたので、幅広い人種のお客様が集まったなぁ、なんて思っていました。また、日本でのBlack Coffeeの人気度も私の肌感覚では「実際のところ、どうなんだろう?」と正直思っていたのですが、そんな心配はする必要もなく、物凄いお客様の数でトータルで見るとメインフロアへの移動が相当困難な状況までになっていてDJブース近くに行けない、という混雑っぷりでした。こんなギッチリ入っている日も久々だな、と思いました。
Black Coffee 当日のDJについて
自分もAfro Houseをガッツリ買っている、DJでプレイしている身なので当然ながら「どんなプレイするんだろうなぁ」なんて考えていて、特に2024年のリリース傾向を見ていると、かなりコマーシャルな路線も数多くリリースされていますし、自分がセットを組む場合はかなりアッパーな展開に組むことが殆どだったので、どのあたりのテンションからフロアを作っていくのかなぁ? というのは素朴な疑問で自分の想像ではかなり深いところから徐々にビルドアップしていくんだろうなぁ、と勝手に考えていたのですが、いい意味で裏切られました。のっけから「あれ?かなりアッパーなところから始めたなぁ」と思いました。
そして畳みかけるように極上のAfro House楽曲に即興でアカペラ突っ込んで、フロアを煽る煽る!超絶スキルのエフェクト使いとEQ捌きに外国人勢が異様なまでのハイテンションで応えるから一気にフロアのボルテージは急上昇、Afro Houseって割としっとり目なコード進行だったり、地味目な曲も多いのに、「何なんだこのアガりっぷりは!?」と自分もいきなり高いところに連れられてしまいました。
昨今のAfro Houseの特徴でもある控えめな「微Afro Beat」にミニマルなLead系シンセ、郷愁感を感じるピアノ、そしてMelodic Houseから吸収したような展開の応酬にロングブレイクになると、海外フェスで有りがちなスマホ撮影会?とも言うべき状態になるんだけど、みんな地蔵のように立っている訳ではなく、しっかりガン踊りしてる感じでした。自分も今となっては何曲か素晴らしい展開の時に撮っておけば良かったなぁ、なんて後悔しています。唯一撮影できたのは最近Black CoffeeのDJsetでお馴染み &ME,Black Coffee - Rapture pt iii とKings Of Tomorrow ft. Julie McKnight - FinallyのAcapellaをMashupさせているプレイでした。
中盤から終盤にかけてのプレイで印象的だったのはStardust - Music Sounds Better With YouのLoopを使いながらDaft Punk - One More TimeやMichael Jackson - Wanna Be Startin' Somethin'のAcapellaをMashupさせたり、言わばMashupタイムは相当センスを感じる面白いプレイでフロアも大爆発してましたね。他にも最近のDJsetで定番となっているKeinemusik - Muyè にR.E.M. - Losing My ReligionのAcapellaをMashupさせたり。
あと旧譜ではもはや定番曲なのか?という使用頻度のDetroit Experiment - Think Twice (Henrik Schwarz Remix)も当然プレイ、個人的には大Classicsなので、これも当然ブチ上がりましたし、大ネタ中の大ネタSwedish House Mafia & The Weeknd - Moth To A Flame (Moojo Remix)も久しぶりに聴いて何だかこみ上げてくるものがありました。
そしてあっという間の3.5H、何かもうずっと踊っていられるし、いつまでも聴いていたいモードに突入したのが個人的には10年以上振りで、「あぁ、このままパーティーが終わらなければ良いのにな…」という気分にさせられてしまいました。〆はDisco Classicsの金字塔Gloria Gaynor - I Will Surviveをこれでもか!って位にボリューム、EQ、エフェクトをふんだんに使い倒してパーティーは終了。何だかとんでもないDJを目の当たりにしてしまった、という感想しか湧かない状態になってしまいました。恐らくフロアに居た皆様も自分と同様の感想をお持ちになった方は多数いらっしゃるかと思います。
総評
とにかく圧巻の一言。2025年もスタートしたばかりなのに、自分は既に「2025年も本当にありがとうございました」という状態になってしまいました。とにかく凄すぎた。近年稀にみる伝説のパーティーに立ち会ってしまった、という事が真っ先に頭に浮かびました。あと、個人的に最高にグッと来た展開でドロップされたTyla - WaterのAfro House Remixがもう心の内側にグサグサ刺さりまくってマジ泣きするところでした。展開の作り方も昨今のAfro House作品がアッパーなことも影響しているのか、いきなりアッパーなところから始まるも緩急バランスよくフロアをコントロールしていて、個人的には完全燃焼して灰になって燃え尽きた、言わば昇天状態にまで持っていかれましたね。ヤバ過ぎました。
おまけ
色々な場所で開催されたパーティーでDJがプレイした曲をプレイリスト化しているサイト「1001traklists」でも早速プレイリストが公開されています。トラック不明なのも数多くありますが、おおよそのトラックの正体が判明していますので、当日行けなかった方は是非このリストを見て想像していただければ幸いです。
リンク
https://www.1001tracklists.com/tracklist/1zv02t91/black-coffee-womb-tokyo-japan-2025-01-10.html
それでは
いいなと思ったら応援しよう!
