運転に必要な知識をわかりやすく解説~道路交通法第3条「自動車の種類」~
車の運転や免許の取得に必要な知識である道路交通法。教習所の教本や市販のテキストでも解説はされているものの、理解が難しいケースが多いです。そこで、教習指導員の資格を保有し、指定自動車教習所での指導経験ある筆者がわかりやすく1つずつ丁寧に解説します。
なお、この内容は2021年11月10日時点の条文をもとにしています。
道路交通法第3条「自動車の種類」
道路交通法第3条には、自動車の種類が定められています。
早速、条文を見ていきましょう。
道路交通法第3条「自動車の種類」
自動車は、内閣府令で定める車体の大きさ及び構造並びに原動機の大きさを基準として、大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ。)、普通自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ。)及び小型特殊自動車に区分する。
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自動車は、内閣府令で定める車体の大きさ・構造・原動機の大きさを基準に次の8種類に区分します。
【道路交通法における自動車の区分】
・大型自動車
・中型自動車
・準中型自動車
・普通自動車
・大型特殊自動車
・大型自動二輪車(側車付きのものを含む)
・普通自動二輪車(側車付きのものを含む)
・小型特殊自動車
普通自動車の免許を取得したはずのに「中型車8t」や「準中型車5t」になるのはなぜ?
平成19年6月2日から「中型自動車/中型自動車運転免許」、平成29年3月12日から「準中型自動車/準中型自動車運転免許」が施行されたことにより、免許更新をすると限定条件が付く場合があります。
普通自動車運転免許取得日と更新時の限定条件は次の通りです。
■平成19年6月1日までに普通自動車運転免許を取得し、免許の更新すると「中型車は中型車(8t)に限る」
■平成19年6月2日から平成29年3月11日までに普通自動車運転免許を取得し、免許の更新をすると「準中型車で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る」、AT限定免許で取得していた場合は「準中型車(5t)と普通車はAT車に限る」も併記
自動車の種類および免許の種類が増えたことで限定条件も増えました。限定条件の内容がよくわからなくても、普通自動車(一般的な乗用車や軽自動車)を乗るのであれば、特に心配はいりません。
ただし、限定条件を無視して、中型自動車または準中型自動車を運転すると免許の条件違反になるため、「乗車定員」・「最大積載量」・「車両総重量」を車検証で確認してから運転するようにしてください。
ややこしい中型自動車と準中型自動車の限定条件
中型自動車と準中型自動車は、限定条件の有り無しによって、車両総重量と最大積載量に違いがあります。
各免許の「車両総重量」・「最大積載量」・「乗車定員」は次の通りです。
■中型自動車
・車両総重量:11t未満
・最大積載量:6.5t未満
・乗車定員:11人以上29人以下
■中型自動車8t限定
・車両総重量:8t未満
・最大積載量:5t未満
・乗車定員:10人以下
■準中型自動車
・車両総重量:7.5t未満
・最大積載量:4.5t未満
・乗車定員:10人以下
■準中型自動車5t限定
・車両総重量:5t未満
・最大積載量:3t未満
・乗車定員:10人以下
■普通自動車
・車両総重量:3.5t未満
・最大積載量:2t未満
・乗車定員:10人以下
免許の条件違反にならないよう、車両総重量や最大積載量、乗車定員をしっかり確認しましょう。