変なカード作っても意外と面白いゲームができそうな件 ~【第3回】作新TSUTAYA推しポケ杯 開催レポート ~
おはこんハロチャオ!ともきちです。4月28日にTSUTAYA作新学院前店にて開催した自主大会『推しポケ杯』の様子をご紹介します。
第1章 『推しポケ杯』とは?
1-1 大会コンセプト
『推しポケ杯』は、「キミの好きなポケモンで勝利を掴み取ろう!」というコンセプトで、特殊ルールの中でデッキ構築をして頂いたデッキを持ち寄って対戦する大会です。お客様の層としては「60枚の紙束がなんとなし1人で組める」とか「YouTubeで見つけたデッキを再現ながら組めてとりあえず回せる」レベル以上の方のご参加を想定しております。宇都宮エリアは初心者向けのイベントが沢山ありますので、私のような新参者は、隙間産業で頑張っているところです。
普段は見ないようなデッキが数多く集まるので、同じ「推しポケ」を選んでいる方でもデッキの中身に違いが出ます。『強く使ってあげるためにはどうしたら良いのか』という疑問を晴らせる場になる他、初見のデッキの耐性を上げたい方にもオススメの大会です。
大会形式は、【予選スイスドロー + 決勝トーナメント】とシティーリーグと同じ形式で行います。「せっかく組んできてくれたデッキなので、1秒でも長く遊んで欲しい!」という意図を汲み取っていただけたら幸いです🤤
1-2 デッキ構築ルールについて
基本は【スタンダードレギュレーション】のカードプールです。『推しポケ』を指定してもらって、その対象となるカードを4枚以上採用したデッキを作成して頂きます。また、環境において強すぎるアーキタイプがいる場合、それに対する構築上の制限をかけています。
依然として 2進化ex の強さが際立っており、その辺りのストレージにいるような『推しポケ』では刃が立たないこともあり、以下のような構築ルールとしました。結果としてドラパルトexの盤面の再現性は少し下げられたと考えています。例によって、クリムゾンヘイズ発売前にルールを決めましたので、大会コンセプトが壊れないか毎回ヒヤヒヤしております。
1-3 「イベントカード」の導入
今大会の目玉とも言えるギミックが、下図1-1の「イベントカード」です。大会開始時に3枚綴りのシートをお渡しして、それぞれのカードを使用するときに券面の下側を破り捨てるという独特な運用方法を取りました。『カードを破って使う』心理的な障壁もあってか、必殺の1枚として要所で使っていただけていたようです。ミシン目を破くのって、なんか気持ち良いですよね。
特殊な構築ルールでパワーを落としたデッキが多いため、それを底上げできるようにと思って検討した次第です。つまり、いわゆる環境デッキと対面した際に、何とか勝ちきれるための切り札だった訳ですね。また、予選・本戦を通して【大会中1回しか使うことのできないカード】と位置づけ、イベントカードの使い所と、相手が何を温存しているのかを見ながら対戦を進める必要があるため、これまでのポケカには無い、新たなゲーム性を加えられたと感じております。
際立って強さを発揮していたのが「最終兵器」で、後攻1ターン目に「かがやくゲッコウガ」や「テツノカイナex」にエネルギーを貼りきってワザを使っていたのが印象的でした。
第2章 データで見る『推しポケ杯』
2-1 デッキ分布
真面目にカウントしました。デッキ分布がポケモンシルエットクイズです。見事に分布が分かれてくれて、ご参加の皆さんに大会の趣旨が伝わってきているのだと実感しています。真剣勝負というよりは、カジュアルに「ポケモン愛を叫び合う」大会になれてきていると感じています。
デッキ構築ルールのせいで、どうしても環境にいる Mill や Control が増えてしまう懸念がいつも付き纏うのですが、皆さんの善意で健全な遊び場が保たれています🙇とはいえ、Control デッキを練習したい方にとっては、初見デッキの練度が上がるので、良い練習にはなるのではないかと考えられます。
2-2 イベントカードの使用率
ピーキーなカードが多いためか、イベントカードの使用率は最大でも65%に留まりました。「ゴージャスおまもり」のような汎用性が高く、いつでも使用しやすいカードだと、ためらい無く使って頂けたようです。一方で、「最終兵器」は、手札を全てトラッシュするのがリスクと感じられたのか、使用率が比較的低い傾向にありました。
興味深い結果として、5回戦でのカードの使用頻度が高いことが挙げられます。「予選最後だし、記念に使っておこう」という方がかなり居たことが判ります。実際に対選卓を見ていた際も、ビリビリとカードを破く音が聞こえてきた記憶があります。
ギミックとしては割と成功した印象で、次回以降も採用したいと考えていますが、今回得られた使用率のデータ等から、今後のカードデザインについては検討の余地がありそうです(検討内容を書くと次回のネタバレになるのでご容赦ください)。同じカードを使おうとは毛頭思っていないのですが、「最終兵器」のような【1枚でゲームを決めてしまうようなカード】には注意しなければなと思っている次第です。
第3章 デッキリスト フィーチャー👀
今回は「ベストデッキ賞」の配布を行いませんでした。運営側が一方的に受賞者を決められてしまうことや、事前の告知ができていなかったことが主な要因です。6月30日に予定されている第4回においては、「ベストデッキ賞」の表彰は事前に内容や基準を告知した上で実施したいと考えております。「ベストデッキ賞」の代わりとして、今回面白いデッキを組んできてくれた方のデッキリストをこちらで紹介いたします。
3-1 なおぴーさん(推しポケ:イーブイ)
ブイズがほぼ全部入ったバレットデッキで、6タイプのアタッカーで柔軟に対応していきます。ネイティオの特性「アカシックセンス」でエネルギーをつけながら山札も引けるのが強力です。サンダース・ブースター・シャワーズの「とうしの●●●」系のワザで、ポケモンV・exに大きなダメージを与えて、残りをブラッキーの「だましうち」で取りきるプランがあり、見た目に反してコンスタントにサイドを取り進めることができます。
「すごいつりざお」の3枚目を「スイレンのお世話」に換えてみることで、「アカシックセンス」に必要な基本超エネルギーを手札に直接回収できる他、前のターンに倒されてしまったブイズをもう一周使用することができて勝ちプランが広がると思います👍
3-2 イブキさん(推しポケ:オニゴーリ)
ユキメノコのワザ「ゆきのろうごく」で相手のポケモンをマヒにさせて、ジワリジワリと勝ちを手繰り寄せていくデッキです。ユキメノコでワザを使う数だけ「スズナ」が必要になるので、「きゃくよせ」のシャリタツやポケギアが厚く採用されているのがポイントです。ポケモンの状態異常はベンチに戻ったり進化・退化すれば治りますが、にげる以外でベンチに戻るカードが比較的少ない今の環境ではマヒがかなり痛手になります。
デッキを回す難易度が低めに調製されていて、ジュニアプレイヤーにも優しい構築なのが◎。水エネルギーを大量に付けようとすると、セグレイブを入れないといけないのですが、こと推しポケ杯に於いてはデッキ構築ルールで採用が難しいデッキが多いです。そのような事情の中でしっかりと60枚のデッキとして構築されているところがポイント高いです。強いて言うとすれば、エネルギー12枚の内1枚を「ともだちてちょう」にしてしまって、常に「スズナ」が山札にたくさんいる状態を整えてみてはいかがでしょうか。
3-3 やまたんぐさん(推しポケ:フシギバナ)
こちらは初代ポケモン「赤・緑」に登場するポケモンのみで構築された、とても愛の深いデッキでした。いろいろなフシギバナがデッキに採用されており、中でも特性「クラクラキャッチャー」のフシギバナが印象的で、相手ポケモンを呼び出しつつどくとねむりにしてしまいます。デッキ構築ルールとしては「フシギバナex」は2枚までですが、「クラクラキャッチャー」の「フシギバナ」は4枚まで採用できるので、「ボスの指令」の枠を別のカードにしてしまうのも手だったかもしれません。少しずつ勝ちを手繰り寄せていく「推しポケ杯」ならではのデッキタイプでした👏
3-4 りーぬさん(推しポケ:クチート)
クチートで60枚のデッキにキレイに収まっていたのがまず衝撃でした。クチートのVSTARパワー「スターロンド」がとても強力で、相手のベンチポケモンを呼び出して「クチートVSTAR」を前に出すという「プライムキャッチャー」のような使い方ができます。ただし、「プライムキャッチャー」と効果の書き方が違い(省略)、相手のベンチポケモンが居なくても使用することができて、カビゴン Stall にも強く出ることができます。また、ワザ「あまいわな」を持つ「クチート」が非常にテクニカルで、相手のデッキの自由を奪いながら「クチートVSTAR」の絶妙に足りない打点を補うことができます。
あくまで私見ですが、「ノココッチ」で回していくデッキにおいて中終盤の山札に「ノコッチ」「ノココッチ」の数が多くなってしまうため、4-4で採用してしまうと欲しいカードにアクセスしにくくなると考えています。そして、「ダブルターボエネルギー」を採用していることもあって、「ノココッチ」の4枚目を「かがやくジラーチ」に換えてみても良いかもしれません。クチートたちで倒すことのできない大物のポケモンたちを相手取ることができそうです。
3-5 𝒮𝒽𝒾𝑜𝓇𝒾さん(推しポケ:エルフーン)
「こくばバドレックスVMAX」と組み合わせて使用していたのがもはや懐かしく、久しぶりに見ました。私も推しポケの一匹でしたので、ついついフィーチャーしてしまいました👀 デッキの大きなギミックも、特性「アカシックセンス」の「ネイティオ」でアタッカーを育てつつ、山札を引き進めていくのが主で、「こくばバドレックスVMAX」を彷彿とさせます。VSTARパワー「わただまスター」で相手の大物を一撃で倒せるのがとっても快感です。
ネイティオやミミッキュを相手に取らせる盤面がある程度出てくるような印象を受けました。サイドの残り枚数が1枚になるプランがあって、かつ、サイド2枚を取れる打点が出しにくいデッキという事もあって、「ネイティ」と「ネイティオ」をワザ「たそがれのひらめき」を持つ「ヤドラン」と「ヤドン」に換えてみても面白いのではないかと思いました。
3-6 ハジメさん(推しポケ:ニョロモ)
ワザ「ジャンピングアッパー」の「ニョロボン」が、条件付きとはいえ240ダメージを出すことができて注目の1枚でした!ついているカードを全て山札に戻すので、エネルギーも温存することができます。必要なカードが多いデッキですが、「かがやくジラーチ」を自然と採用することができて、ジラーチをバトル場に差し出して、特性「ねがいをたくす」で欲しいカードを根こそぎ持ってくる動きが強力です。
山札から「ニョロボン」を複数回引いてこなければならないので、山札を引き進めるギミックとしては特性「とりひき」の「レパルダス」等の方が良かったかもしれません。「ノココッチ」だと、どうしても山札を引きたいのに山札のあたりカードの濃度を下げてしまうことになるので、継続してワザを使っていくことが難しくなってしまいます。また、「ジャンピングアッパー」の効果でバトル場に差し出すポケモンの枠として、「ミミッキュ」以外にも「オーガポンいしずえのめんex」や特性「とおせんぼ」の「カビゴン」 、「ガチグマアカツキex」なども候補に挙がってきますので、環境に応じて採用するカードを調整していきたいところです。
第4章 さいごに
『推しポケ杯』の大会コンセプトを皆さんがだんだん理解してくれている上に、リピーターさんが多く来てくれるようになってきました。想像を超えるエントリー数で、キャンセル待ちが発生したことが嬉しい悲鳴でした。大会のスケジュールを考えるとこれ以上の増員は難しく、店舗側との調整を進めているところです。いつかは64人開催とかやりたいな…。
次回は6月30日を予定しております!イベントカードも新たに3枚綴りで製作中です。定員32名ですので、参加予定のかたはとりあえずエントリーをお願い致します🙇
↓ エントリーページ ↓
https://tonamel.com/competition/W5Xh9?open=competition-participation