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「意識して」トレーニングをするには?
こういうの大体「丹田」って言葉が出てくる。
— 毒多TKO (@Chirosamurai) December 14, 2021
詳しい人に聞くと臍の下だと思ったけど骨盤部と捉えるそう。
そうだと少し理解できる。
下からのフォースを股関節部で重力から受け、力を上方へ伝える。
その際に固有感覚受容器の豊富な仙腸関節部の体性感覚をフィードバックし動作を遂行する。 https://t.co/KSBTCKudKx
アスリートがトレーニングをする際に動員する筋ではなく、別の部分を意識して行うという件。
「スクワットでは下半身を意識しないほうが効率が(良くなる)・身体の使い方はうまくいく」
「トレーニングするときは“丹田”を意識する。競技動作をするときも丹田を意識するから」
ということですが。
申し訳ございません。私も”丹田”というのは昔の研究室の細胞と心身のつながりという部分で理解した程度で説明をするほど見識がありませんので、詳しい言及は避けます。
ただ、ここでの発言から察するに動作中における重力や身体動作の中心をどう認識するか?その中で個人の意見として丹田という場所を意識するという私なりに把握いたしました。
ーまずトレーニング中の意識の前に
競技動作中の重心の安定性を保つには力の方向性への力を維持する能力が重要です。時にそれは相反する力となるかもしれません。
その力に対して平衡性を維持する能力であり、力ということになります。
となるとお腹の部分、骨盤の部分ということに限らないことになります。
拮抗筋であったり、下肢であったりするわけです。
”体がぶれないように”という目的であれば体の中心部ではなく、バランス平衡感覚の小脳前庭系によるコントロールがメインになります。
個人により重力や動作の平衡性を保つための意識は異なって良いかと思います。それがお腹であったり、足であったり。ただそれを担うにはバランス中枢によるコントロールありきだとは思います。
ただ丹田というのは解剖学的なもの以上の意味合いがあると言われているので東洋的な何かが存在するのだと期待しています。
ーということでトレーニング中の意識の話です。
動作というのは無意識化で遂行される動きが訂正化されているのが理想ではあると思います。
動作コントロールという観点では不安定な物体を持つエクササイズなどを行う場合もあるかと思います。
そんなWater bagなどを用いたバランス系エクササイズでも「どこ」に意識というよりも、その平衡性を保つべく動作を維持することを重要視するべきと考えます。
それはすべて力のベクトルへの平衡性を保つ中心が競技中に必ずしもお腹だけに関わるとは言い切れないからです。(異論反論あるかと思います)
ーことウエイトトレーニング中に関しては目的が動作遂行のためということでもターゲットに対して意識を集中すべきだとは思います。
これは河森さんが仰られていることに同意です。
”意識をしないでウエイトトレーニングをすると、すでに強くて使いやすい筋肉を主に使うような動きになりがち”
”それだと、鍛えようとしている筋肉が使われず、筋力向上に繋がらない場合がある”
筋肉はその収縮ベクトルによってかかわる筋の活性がことなります。
適切な関節運動を行っているか?は動作の中心部としての意識では位置覚の把握は難しいかもしれません。
そのためには動作を見る、筋活動を感じることは効率的な運動という目的でも目的遂行のためには重要かと思います。
ーさてここから意識することで効率的な運動が遂行できるのか?ということについて
また、ここで言及されているスクワットという動作では
「股関節を伸展させるケツの筋力を高めるため」
となりますが、その股関節伸展にかかわる筋群、またそれを上述の力のベクトルの平衡性を維持する筋群が非常に多いです。
意識のみで目的の動作、筋群を適切な関節運動で遂行できるか?
となると困難な場合もあります。
感覚を認識するということは、その適切な受容器の感受性とフィードバック機構がありきです。
例えば、
大殿筋はそれぞれの繊維で機能が若干異なりますが、主な機能は股関節の伸展という股関節を曲げた状態から伸ばす動きです。また後ろに蹴るという動きです。
しかし、いわゆる大殿筋ロックという状態で、股関節の伸展動作の力に反する部分の筋群、股関節の屈筋群などが過度にハイパーな状態になってしまっている場合は、その曲げた状態からしっかりと伸ばすことが難しく感じている状態になっています。
(ご参考に)
https://note.com/drtko/n/n84fffb3e25db
つまり大殿筋を使おうにも使えない状態になっています。
その他、臀部の筋は股関節の求心化による安定を担うとされていますが、股関節にかかわる筋群の相互関係によってその安定性が保たれていない状態では動作の中で意識して不活化している筋群は使うことができません。
そのような場合には先に適切な筋紡錘の感受性を獲得することが関節運動に重要かと思われます。
また、動作を行うということは感覚器の入力も必要になるので、視覚、聴覚、温度覚、触覚などの感覚も動作の変化に関わります。
見る方向に体も誘導されますし、嫌な臭いは避けます。
また疲労した部位、体の粘性が上がったような硬い部位は感覚が鈍麻する傾向が報告されています。
意識しようにも感覚を感じることが鈍っていると目的部位には意識を向けるの言葉で誘導をしたり、触ったりということではなかなか難しい場合があります。
https://note.com/drtko/n/n95f1e24654e
しかしながらアスリートの感覚は独特なものがあります。
その人にしかできないこと。競技の中で独自で積み上げたものがありますので、これを外野が色々言うのは野暮というもの。
やるのは自由。勧めるのは責任をもって。
正解を見つけるのは自分自身。
こちらは持っている専門の中からお伝えするのみで選手には強要してはいけないと思っています。
より多くお読みいただけるように今回も無料記事にいたしました。
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