なんちゃって絶対音感をつける方法
「毎週更新する」と息巻いていた割に半年放置してしまったので反省しきりですが、気を取り直して(もしくは恥ずかしげもなく、、、)さらっとまた音楽理論講座を連載しようと思っています。実はこの間に自分で立ち上げた会社の活動が活性化したり、その会社のメルマガが開始したり、と、様々なことが動いています。今晩あたりには新しい動きもあるので、それに合わせてこちらも再開しようと思っていますが、今日は最近Twitterで知り合った @kiku_sax こときくちさん(https://twitter.com/kiku_sax)から音感トレーニングを受け始め、それに触発されてというか過去にやっておこうと思ったトレーニングを自分で始めたのでそれについて書いておきます。
カラオケで原曲のキーで歌わないと気持ち悪い
僕は自分の声が出ようと出まいとカラオケでは原曲のキーで歌わないと気持ちが悪い人なんですよね、、、場合によってはアーティスト自身が加齢のためピッチを下げている(オクターブ下げているのはいいのですが)のも気持ち悪い。要するに原曲のキーの音でその曲を記憶しちゃってるのです(とは言え自分でパッと歌うと頭の中で再生してる音よりも半音から全音低く歌ってしまうことが多いですが)。なのでそれを逆手にとって「頭の中で再生できる曲をリストしてそれを12音並べたら12音全て音が取れるようにそのうちなるのでは/少なくとも歌えるのでは?という方法で「なんちゃって絶対音感」を付けようとしています。ただ、これ実際にこの方法で絶対音感をつけたという友人もいるのでそれなりに有効な方法だとは思います。
というわけで12音の僕のリスト
Do(ど/ C)= Confirmation
チャーリー・パーカーの「コンファメーション」です。でこれの最初の音程も覚えておくとよくてこれは「Do > La > Do」です。こちらの記事で書きましたが、ドレミファソラシドはDo Re Mi Fa So La Ti Doと書きます。
Do > La は長6度、La > Doは短3度、などと度数も覚えておくといいと思います。そのあたりはこの記事を参照してみてください。
Di/Ra(でぃ、るぁ/C#, Db)= If I ever loose my face in you
Stingの"If I ever loose my face in you" がドのシャープ、レのフラットから始まります。最初の数音は「Di > Me(x3) > Fi > Re」となります。跳躍の度数は「短3度>長2度>長3度下降」という感じです。DiというのはDoのシャープを読む時の読み方でシャープは子音をiに、フラットは子音をeに変えます。DoのシャープならDi、Reのフラットなら、、、あれれReすでにeがついてるのでaをつけてRaと読みますが、このRaはLa(メジャースケールの第6音)のラと違い舌を巻いて発音するのでルァという感じの音です。うまく歌い分けしましょう。スピッツの「ロビンソン」も同じ音から始まります(が自分が再生すると全音ずれるので使ってません、、、)。
Re(るぇ/D)= Red rain
Peter Gabrielの"Red Rain"です。これ便利ですよーなんと言っても歌い始めが"Re"で始まります。しかも、Re>Do>Ti>La>Soと降りていきます。なので「全て下降で長2度>短2度>長2度>長2度」です。本当かキーも把握してそのキーの相対のドレミでも理解しておくといいのですが自分で表を作るときにはやってみてください。
Ri/Me(るぃ、め/D#, Eb)= On green dolphin street
これまだ自分の中ではしっくりきてないのですが、なるべくジャズスタンダードを入れたい、という自分の都合で入れてます。実際は"Over the rainbow"やラピュタの主題歌「君をのせて」などもあるのですが、Over the rainbowはあまりにカバーが多くてどれを参照したらいいのかわからない、ということもあるので、これにしています。Kind of Blueはいいアルバムなので必聴です。音程は、Me, Le, Te, So, Diです。跳躍の度数は「短2度下、長三度下、短3度下、増4度上」かな。
Mi(み/E)= Wrapped Around Your Finger
The Policeの"Wrapped Around Your Fingerです。「Mi Mi La La Re Re So Fa Mi」です。跳躍は「完全4度上>完全5度下>完全4度上>長2度>短2度」と動いています(同音は完全1度なので省いてます)。
Fa(ふぁ/F)= スターウォーズ(テーマ)
みんな大好き「スターウォーズ」のテーマです。「Fa Fa Fa Te Fa Me Re Do Te Fa」あたりまで覚えてしまうと良いかも。Fa Te Fa Meの跳躍の度数は「完全4度上>完全5度上>全2度下」です。
Fi/Se(ふぃ、せ/F#, Gb)= Solsbury Hill
Peter Gabriel の"Solsbury Hill"です。これもイントロから思い出せるのですが、なかなかさっとFi/Seをとるのが難しいので思い出しがいがあります。
So(そ/G)= ST. Thomas
Sony Rollins版の"St. Thomas"です。So Do Ti La Soと動きます。So Doは完全4度上ですね。これはCメジャーなのでテーマ全部歌えるようにしておくといいかもです。
Si/Le(し、れ/G#, Ab)= アニメ「かぐや様は告らせたい」第一期テーマ曲「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」
いきなりなんだよ、って話ですが、いい曲ですよこれ。ぜひフル尺で聞いて欲しい。で、鈴木雅之さんの声から記憶もし易く、Le(ラのフラット)という難しい音を記憶するにちょうどいいのでこれにしています。Le Mi Re Tiなので、Le(れ)と、Ra(るぁ)の歌いわけしっかり覚えるといいです。LとRの発音の違いとか高校くらいに散々やったなぁ。。。音程の跳躍は「短6度上、短3度下、長2度下」です。
いやスタンダードなら超有名曲 "All The Things You Are"というのがあるんですが、、、そっちで覚えられる人はそっちをどうぞ(ただ結構演奏は原曲キーじゃないケースがスタンダードにはあるので気をつけてください)。
La(ら/A)= Owner of a Lonely Heart
YES の "Owner of a Lonely Heart" です。オーケストラヒットが有名ですよね。これも僕はジョン・アンダーソンの歌声ごと覚えているので音程を覚えるのに「音色」とセットにするのはかなり有効な気がします。最初の跳躍はLa Mi なので「完全4度下」です。
Li/Te(り、てぇ/A#, Bb)= My little suede shoes もしくはStella by Starlight
My Little Suede ShoesはCharlie Parker版を。Te Me Soで跳躍は「完全4度上、長3度上」です。
Stella by StarlightはMiles Davis版を。頭にいろいろついていますが、リードシートと同じキーで吹いてまして、リードシート的にはTe Laなので短2度下です。これLaとセットで覚えておくと楽です。
Ti(てぃ/B)= が一番困った、、、
Ti は正直全然見つからなくて困りました。いや、探すだけならありそうなんですが、基本的に「僕個人の記憶と結びついてる曲」を探さないとならないので、すごく困っていたのですが、ありましたよ。困った時のSting頼み。
Englishman in New York / Sting です。
Ti Le Mi Di と動きますが、この曲はメロディーが大変よくできていてこれでもか、というくらいにTiを強調してきます。本当にいいメロディー。跳躍は「短3度上、長2度上、短3度下」というふうに動きます。
これの使い方
そもそも自分の記憶にある音楽や好きな音楽で記憶するのがいいと思います。ほんとうなそうそう転調されてしまわないクラシックとかで記憶するのが一番ブレなさそうでいいかと思うんですが、まぁ、原曲に今は当たりやすいですからこんな風に個人でまとめておくといいと思います。僕はこちらのScrapbox 気になった音源は調べて追加してます(全部覚えてはいませんが)。
で、なるべく毎日「Confirmationでドが正しく取れるかを試してそのあと半音ずつこれらの楽曲の頭を自分で歌っていく」というのをやっています。ドが正しくとれていれば楽器で確認しなくてもベッドの中で寝る前に、とかでもやれます。友人曰く「だんだんとそういうことしないでも音がわかるようになる」と言っていましたが、まぁそんな風に慣れていく、というのは一つの手ではないでしょうか?
というわけでこのやり方は今後「跳躍を覚える」「キーを覚える」のにも使えるのでいろいろ工夫してみてください。
最後にこれらの曲のプレイリスト(Apple Music)をつけておきます。自分なりにプレイリスト作っておくと楽しいですよ!
では、次こそ時間を開けずにコードの話を書きたいと思います。
ではまた次回!!
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