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とある花崎さんの日常

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花崎さんの夏夢高校での生活日誌です。
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#スキしてみて

猛勉強、その結果

 如月さんを見つけて帰ってきた後、私達は4人で協力して勉強した。  その時に知ったのだが、如月さんはイギリスに住んでいた時期があり、その影響で英語が抜群にできることが判明した。  これは3年生の白波先輩の英語力を超えて、勉強会の最後の方は如月さんが白波先輩に英語を教えると言う、彼女の独壇場になった。もちろん、私も教えてもらった。皆、得意分野があって凄い。  その後、自宅でも猛勉強し、迎えた高校初のテスト週間。初めてにしては先輩方の力もあって、手応えは悪くなかったと思う。  

ブランコ-如月さん視点-

 私に好きな人ができた。背の高くて気遣いのできる優しい、一つ上の先輩だ。  きっかけは、私が中学生の頃に観に行った夏校の文化祭で先輩がライブをしているのを見たことだ。先輩の一生懸命だけど、どこか余裕のある弾きっぷりはカッコ良さを感じさせた。  私はライブが後に先輩に話しかけに行って、そこから私のことを知ってもらった。    高校はもちろん先輩のいる夏猫高校にした。もともと学力的にちょっと頑張れば届く距離だったし、私立だから設備も整ってて良いかなと思った。もちろん決め手は先輩が

練習

「……でこの形がCコード」 「えっ、辛っ……」 「こんなので根をあげてちゃ基本コード弾けないよー」 「まじですか……」  私は今日も第二音楽室(軽音楽部の部室だ)で白波先輩からギターを教わっている。けど、 「うわぁー、無理っ!」  難しいのである。早くも挫折しかけている。   なにせ弦を抑える指が痛い。弾き慣れている人は指の先が硬くなってて痛くないらしいんだけど、初心者は指の先が柔らかくてすぐ皮が剥けるらしい。何それ怖過ぎる。 「今からカスタネットに転向していい