『King Crimson』【遊戯王デッキ紹介】
こんにちは、はじめましての方ははじめましてDropと申します。
デッキ紹介の前に第7回AAオフのレポを少しだけ。
(デッキ紹介とは関係ないので読み飛ばしてもらって大丈夫です。)
今回は過去に類を見ない700人規模のオフ会と言う事で、期待と不安を胸に会場に着くと、見渡す限りデュエリストで埋め尽くされていて「遊戯王のカジュアルプレイヤーってこんなにいるんだ…」と、その数に圧倒されたのを覚えています。
いざ、オフ会が始まると対戦したデッキがどれも面白いデッキばかりで、毎デュエル「すげぇ」とか「はぁー」とか文学部出身とは思えない語彙力のリアクションをしながら感心しっぱなしで、オフ会が終わった後もXで参加した方のデッキレシピを見るたびに「それ俺が組みたかった…」ってなるレシピばかりで参加者の構築力の高さに舌を巻きました。
個人的には小学校の頃から動画を見ていたミソさんとデュエルさせていただき、エグゾディアを決める事ができたり、フォローしてる方と戦う事ができたり、じゃんけん大会で勝ってBIC MAGIC様の景品をいただけたりと、嬉しかった事が盛りだくさんで、総じて遊戯王へのモチベーションが上がったとても楽しく活気のあるオフ会でした。
(運営の皆様、対戦してくれた皆様、本当にありがとうございました。)
さて、突然ですが、皆さんが考えるカードゲームにおける最強の能力とは何でしょうか。
効果無効、全体除去、召喚・特殊召喚無効、ハンデス、サーチ、革命チェンジ、いろいろと候補があると思います。
そんな数ある能力の中で筆者が考える最強の能力は「ターンスキップ(追加ターン)」だと思います。
カードゲームは基本的に自分のターンに行動するので、相手に何もさせず、自分の行動回数が2倍になるターンスキップは極めて強力な効果と言えるでしょう。
「無双竜機ボルバルザーク」「Time Walk」「次元の超越」「創世の巫女 マユ」「本田未央」これらのカードは遊戯王のカードではありませんが、すべて比較的簡単に追加ターンを得る効果を持ち、それぞれのカードゲームで環境の一時代を築いたカードです。そしてそのほとんどは、強大なカードパワーから遊戯王で言う禁止、制限に近い扱いを受けています。
一方遊戯王では追加ターンの効果を持つカードとして、《星守の騎士プトレマイオス》や《アルカナフォース XXI-THE WORLD》などがありますが、強力な効果の代償として発動の条件が重いものになっています。
このように、通常では使用ができなかったり、条件が厳しかったりするカードがほとんどである事からも、追加ターンがいかに強力な効果なのかが伺えますね。
今回は擬似的にではありますが、そんな強力な戦術を取り入れたデッキを紹介しようと思います。
1.デッキレシピ
2.コンセプト
・《地縛神Chacu Challhua》と《タイム・イーター》で相手のメインフェイズ1とバトルフェイズをスキップし、疑似的なターンスキップを狙う。
・《レッド・デーモンズ・ドラゴン》関係のカードや、地縛神のバーン効果及びダイレクトアタックで決着をつける。
今回使いたかったカードはこれらのカード。
タイムイーターの効果でメインフェイズ1を飛ばし、チャクチャルアでバトルフェイズをスキップする事で、相手はドロー、スタンバイ、エンドフェイズしか行動ができないようにすると言うコンボを決めるのがこのデッキの目指すところです。
これらのカードの組み合わせを使ったデッキは【チャルアイーター】と言われるアーキタイプで2008年ごろから存在していましたが、上級モンスターによって相手モンスターを戦闘破壊した上で、地縛神を召喚し、維持しなければならないという動きの重さから、ロマンデッキの類とされていました。
加えて【竹光チャルア】や他の方法で同様の戦術が簡単に出来てしまうこともあって、あまり見かける事のないアーキタイプでした。
時は流れて2024年。
学生だった筆者もストレス社会を生きる社会人となり、カードプールも増えた現代なら、【チャルアイーター】のコンボを狙えるのではないかと思いデッキを作成するに至りました。
3.コンボの手順
このデッキにおける【チャルアイーター】のコンボの流れは以下のとおり。
フィールド:《ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン》、《クリムゾン・ヘルガイア》、任意のフィールド魔法
墓地:《レッド・デーモンズ・ドラゴン》、《ヴァレルロード・R・ドラゴン》(ライオット)、《タイム・イーター》
デッキ:《地縛神スカーレッド・ノヴァ》、《地縛神 Chacu Challhua》
これにより相手のメインフェイズ1とバトルフェイズがスキップされ、実質的なターンスキップ状態となります。
4.初動
前述したコンボを完成させるために、このデッキでは初動にオルフェゴールを採用しました。
採用理由としては、
・タイムイーター(闇属性・機械族)へのアクセスが容易。
・ガラテアからフィールド魔法(《オルフェゴール・バベル》)にアクセスができ、バベルが墓地からの回収効果を持っているので、フィールド魔法の採用が少なくて済む。
・バベルがあるとオルフェゴールの効果がフリーチェーンで使えるようになるので、相手のスタンバイ、エンドフェイズに動くことができ、コンセプトと噛み合っている。
主な理由としてはこの3点になります。
以下に基本となる展開を紹介します。
《宵星の騎士ギルス》or《ダーク・グレファー》or《終末の騎士》+《レボリューション・シンクロン》(レボクロ)or《調律》
(今回はギルスとレボクロ想定)
結果
画像のような盤面になり、
・相手ターンにオルフェゴールの効果起動(《オルフェゴール・スケルツォン》を経由してのディンギルスの蘇生など)。
・マスカレーナでスカーレッドデーモンを含んでL召喚をすることでレッドデーモンのS召喚扱いでのSS。
といった動きができます。
さらにスカーレッドノヴァが手札にあると、スカーレッドデーモンを《地縛神Aslla piscu》に変換できるので、マスカレーナと合わせて相手のモンスターをすべて破壊しながらL召喚をすることもできます。
また、レボクロが引けていない時は、オルフェゴールの基本展開、《ソウル・リゾネーター》からレッドデーモンズのシンクロをするなどして準備をしていきます。
どちらのテーマも2ターン目以降のリソースを確保しやすく、安定しているテーマなので、戦線を維持しながら相手の隙を見てコンボを決めに行きます。
5.採用テーマの主なカードについて
・オルフェゴール
オルフェゴールは初動と戦線の維持が主な役割なので特筆すべきカードはありません。
強いて言えばトロイメアがタイムイーターや《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の打点を上昇させることができる点と、《オルフェゴール・ロンギルス》のリンク先にアスラピスクを置いておくことで、リソースを回復しつつ全体除去が打てることでしょうか。
・地縛
《地縛神 スカーレッド・ノヴァ》
手札・フィールドの地縛神又はレッドデーモンズを墓地へ送り、デッキ・EXデッキから地縛モンスターを特殊召喚する効果を持つカード。同名カードも特殊召喚でき、自身は地縛神モンスターでありながらフィールド魔法に依存しないので、緊急時の戦線維持もできます。
《地縛神Chacu challhua》、《地縛神Aslla piscu》
このデッキのフィニッシャー。
チャクチャルアはバトルフェイズのスキップと守備表示でのバーン、アスラピスクは場を離れると言う緩い条件で相手モンスターの全体除去とバーン効果を持ちます。加えて、地縛神は共通効果で直接攻撃があるので相手に大ダメージを与えることができます。
また、相手ターンにスカーレッドノヴァで出して、攻撃を阻害する事もできます。
《地縛戒隷 ジオグリフォン》
スカーレッドノヴァからも出すことができ、スカーレッドノヴァでバーン効果を使ったチャクチャルアを墓地へ送り、ジオグリフォンを出して蘇生することで、チャクチャルアが再度バーン効果を使用できるようになります。
破壊された時の効果も優秀で無駄のないモンスターです。
・レッドデーモンズ
《クリムゾン・ヘルガイア》
デッキ、墓地からレッドデーモンズ関係のカードを毎ターン手札に加えることができ、モンスターが破壊された場合にレッドデーモンズを蘇生、レッドデーモンズの攻撃時に相手を全員裏守備にとなんでもござれのカード。
毎ターン《クリムゾン・ヘルセキュア》を使いまわして、魔法罠主体のデッキにプレッシャーをかけるなんてこともできます。
《ボーン・デーモン》
手札、フィールドのカードを墓地に送り、自身を蘇生できるカード。
縛りこそつくものの、墓地に送りたいカードをいつでも墓地に送ることができ、墓地で発動する効果の多いこのデッキと非常に噛み合っています。
また、もう一つの効果でリゾネーターを墓地へ送れるため、《ビジョン・リゾネーター》からヘルガイアへのアクセスも可能で、ワンハンドレッドアイドラゴンの素材にもなれる優秀なモンスターです。
6.その他の採用カード
《ヴァレルロード・R・ドラゴン》
墓地に存在する時に自分の手札、フィールドを破壊して自身を手札に加えることのできるカード。
このデッキの潤滑油ともいえるカードで、ターンスキップのコンボパーツである他、
・手札のオルフェゴールの墓地送り。
・ダークグレファーのコスト確保
・《終焉の精霊》を破壊することで除外された闇属性モンスターを墓地に戻す。
・ヘルガイアがある時にフィールドのモンスターをレッドデーモンズに変換する。
といった多彩な役割を持つカードです。
《終焉の精霊》
レッドリゾネーターからサーチができるリソース回復カード。オルフェゴールとスカーレッドノヴァが墓地から除外して発動する効果なので、除外から墓地にすぐ戻せるこのカードを採用しました。
相手のカードも戻しちゃうお茶目なやつですが、基本的にこちらの方がアドバンテージを獲得できるので無問題です。
《億年の氷墓》
タイムイーター以外のメインフェイズ1スキップ要因。
このデッキには破壊耐性のあるカードや破壊された時に発動する効果を持つカードが多く、《S:Pリトルナイト》のような破壊以外の除去を持つモンスターを呼びやすいです。
そのため、発動の機会が多く、デッキコンセプトとも噛み合っているため採用しました。
受動的ではありますが、使ってみるとメインフェイズ1をスキップするだけでも、相手が結構困ってくれるのでお気に入りの1枚です。
7.おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回このデッキを構築するに当たって一番頭を悩ませたのは、ターンスキップと言う強力な戦術をどうカジュアルに落とし込むかと言う点でした。
個人的に対戦相手との対話を楽しめるデッキが好きなので、実質対話拒否と言えるターンスキップ戦術は相手を不快にさせてしまうのでは…と最初はヒヤヒヤしながら構築をしていました。
結果として、殴り合いの末にターンスキップで〆る構築にしてオフ会などで回したところ、結構好意的な反応が多くてとても安心しました。
初動がちょっとオシャレ(当社比)なところもお気に入りなので、もう少し細かいところを調整して長く使っていきたいと思います。
デッキ名の由来は「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンド名から。
時間(ターン)を消し飛ばす点や、レッドデーモンズドラゴンとの名前の親和性から名前を拝借しました。
ちなみに筆者はジョジョ未履修です。大人になってもまだ見ていない名作があるって、ワクワクしていいですよね。←
一応ニューロンのリンクも貼りますのでよしなに…。
長くなってしまいましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました。
それではまたの機会に。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…👋