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【ポケポケ】一口デッキ解説⑤「カツラ」 非exデッキ総大将


はじめに

 一口デッキ解説第5弾。今回は、環境中堅組の一角を担う速攻デッキ「カツラ」を紹介する。
 実は私はこのデッキのことを滅茶苦茶評価しており、初心者向けデッキとしては環境トップ並みにおすすめできると思っている。トップ層とも十分に戦えるデッキかつ、進化のシステムや火力サポの切り方など、他デッキで使える考えが自然と身につくからだ。それでいて全体的なレア度も低く、揃える難度が低い。現環境では希少な強い非exデッキでもあり、exを使わない構築のメリットなども感じることができる。
 今回はカツラの基礎を大まかに捉えつつ、このデッキの総合力にも触れて解説していく。

デッキ概要

 今回使用するリストは以下の通り。
「キュウコン」「ギャロップ」「カツラ」の3種を固定とする場合、このデッキの固定枠は非常に多い。汎用の博士モンボ含め14枠は固定になり、「スピーダー」もこのデッキではほぼ2固定になる(理由は後述)。よって、16枠が固定という状態で、残り4枠くらいしか調整の余地は無い。
 この枠は万能サポの「ナツメ」、確定ラインをずらす「キズぐすり」「サカキ」などの採用が多い。自分がキズぐすり選択な理由は単純で、「ミュウツーex」の「ねんどうだん」2発で処理される展開を減らせるから(サカキを積むとサポ枚数が嵩むというのもある)。
 せっかくの非exデッキなので、たねポケモンを増やして終盤を詰めやすくするという手もある。カツラ対応の「ブーバー」や非exの「ファイヤー」など、候補もそれなりにある。

まったく同じリストの人も多そう

 このデッキは見た目通りの速攻デッキで、2エネ90点のキュウコンと1エネ40点のギャロップをカツラでバックアップするのが基本となる。特にキュウコンは強力なアタッカーで、カツラ込みの「かえんほうしゃ」は120ダメージを叩き出す。これは、後攻2ターン目で発揮しうる現行プール打点としては第2位の火力である(なお、1位は「カスミ」依存だが「キングラー」の「ひっさつクラブ」。「カメックスex」は後2に出す手段がまだ無いので選外)。
 メインアタッカーが進化ラインのみというのは不安要素だが、1進化は2進化よりも遥かに動かしやすい。2進化のように進化元を潰されるケースが少なく、仮に潰されても2体目の進化元が控えていればそちらに重ねる択を取れる。これに加えてキュウコンとギャロは起動エネも安いため、引いた瞬間から前線へ参加できる。

デッキの性質・強み

 カツラは高速デッキに分類されるが、他の高速デッキと比較してもクセが少なく高水準にまとまっている。

 まず、主力となる2体の逃げエネが安い。メインアタッカー2種の逃げエネが1で統一されている高速デッキは少なく、「フリーザーex」「ナッシーex」「サンドパン」など2エネ ↑ 要求が1種は混ざる場合が多い。
 逃げエネ0~1のアドバンテージは大きく、余剰エネや「スピーダー」で柔軟なスイッチが可能になる。起動も逃げも安いアタッカーをどう回していくかが、カツラにおいては重要となる。
 構築を歪めずに逃げ1統一可能なのは「ピカチュウex」とカツラ、あとはせいぜい「ガラガラex」「オコリザル」くらいで、これだけでも十分な優位性と言える。

 当然、最速キュウコンの火力も無視できない。先述したように、キュウコンは後2のそれとしては最高クラスの火力を持つ。その威力は、カツラ無しでもピカexや「スターミーex」に並ぶ。
 最速サークルや最速ハイドロに勝てないデッキは、最速かえんほうしゃにも勝てない。つまり、カツラはトップ層のデッキに匹敵するだけの足切り能力を有しており、速攻全般の中でも十分なパワーを持っていると言える。

 非ex統一ゆえ確実に3回の勝負ができ、先行したアタッカーのかけた負荷をしっかりポイントに繋げるチャンスも多い。

スピーダーの重要性

 逃げ1デッキの スピーダーは 強い
 言うまでもないことではあるが、カツラの場合はその優位性がより顕著となる。
 たとえば、自分が最速かえんほうしゃを決めた次のターン。対面がナツメでキュウコンをベンチへ下げる。通常ならこれによって1ターン遅延されるが、スピーダーがあれば継続してキュウコンが殴れる。
 キュウコンはエネをトラッシュする手前、ナツメでターンを稼がれやすい。カツラにおけるスピーダーは繰り出しを早めるだけでなく、遅延への耐性付与という観点においても必須である

先2ギャロップカツラによるゲーム破壊

 ギャロップもこのデッキにおいては重要な役割を持つ。
 ギャロップの「ほのおのたてがみ」をカツラで強化することにより、先攻2ターン目からの70打点が実現。初手出しのたねポケモンなどを進化させずに刈り取れる。先2の火力としてはナッシーexと水タイプの皆さんが立ちはだかるが、トスに依存せず行える序盤の崩しとしては十分な火力である。
 もっとも、こうした崩しはカツラを引くかどうかでもある。しかし、トスはプランに組み込みづらいが、引いたカードはプランに組み込める。この違いは大きい。手札に来れば信頼できるというだけで十分である。

デッキの弱み

 総じて高水準なデッキだが、非ex1進化のため耐久は絶望的に低い
 キュウコンは90点を出せる一方、自身も90点で倒されるなかなかの紙耐久である。ギャロップも1進化にしては優秀な耐久ラインだが、「サカキ」で十分越えられるようなラインだ。打点も「低くはない」程度のもので、正面から単体でがっつり打ち合える水準かといえば怪しい。
 ピカや水タイプと比べると長期戦に難を抱えており、あくまで速攻デッキの範疇を出ない程度に収まっている。
 キュウコンが落とされると中盤戦が絶望的なため、アタッカーの繰り出し順が実は繊細なデッキだ。余剰エネを活かしてギャロップから倒させるような形で戦うなど、リスクリターンを鑑みた基本に忠実な動きが肝要である。
 炎タイプなおかげで「フシギバナex」に完封されづらいのは非常に偉い。

総括

 このデッキは構造こそ実にシンプルだが、現環境における必要十分条件を満たした良デッキである。
 火力・スピード・取り回しの全てにおいて優れ、進化先の欠損以外のストレスが少ない。アクの無い入門向けデッキであると言え、初心者から上級者まで使い続けられる。
 環境トップをすぐに組めない状況なら、カツラを使ってみるのも一興だろう。

余談

 ……なんか、文字数普段より多いな……。
 最近肌に合わないデッキ意味不明のデッキを調整していたので(記事を書くためというより、暇な時に構築をアップデートする時間が好き)、久しぶりに好みかつ高水準なデッキで楽しかったです。こないだめっちゃカツラにボコられたのもあって丁度良かった(ニドクインのnote参照)。
 カツラは強さの割に使用者少ないなあと思っていて、少しでも布教に繋がっていれば幸いですね。

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