あらためて「絶望の一秒前」について考えてみる
1→2→3→4→1(5)
2022年2月1日に乃木坂46に加入した5期生。
その5期生に授けられた最初の期別曲である「絶望の一秒前」は、そのタイトル、歌詞、曲調、MV含めて中毒的な雰囲気を纏っています。
今回は5期生加入1周年を迎えてなお不思議な魅力を保ち続けるこの楽曲について考えてみたいと思います。
歌詞から飛び込んでくるのは「覚悟」にも似た感情。
応募人数87,852人、倍率7986倍というオーディションに飛び込んだ彼女たちが向きあう不安、希望、覚悟、諦めがフラッシュバックするような世界観。
「絶望の一秒前 星は微(かす)かに光り 漆黒の闇が来るよ」
「僕が見つけた夢は いっぱいの惑星の中 紛れ込んでしまった」
様々な希望をかけて申し込んだその先には、星の数ほどのライバルの存在があり、叶えたい夢が萎んでしまいそうになりつつも、抗い続ける。
自分はどうしたいのか?この曲は問いかけ続けます。
MVは校内や通学路での談笑やメンバーが走る日常風景シーンと、楽曲をパフォーマンスするシーンが交錯しながら進んでいきます。
日常風景シーンではプロフィール動画公開時の制服を着用しているメンバーが、パフォーマンスシーンでは5期生制服を着用していることから、ここで明確な転換(乃木坂46になった)が発生していることを想起させます。
乃木坂46として活動を始めた9人。夕暮れ刻にどこかへ向けて走り続けます。最後は2人の少女と手描きの乃木坂マークでMVは終わります。
9人が向かう先はどこなのか。まだ走り始めていない2人の少女は何を思うのか。
最後にタイトルのギミックについて。
2017年3月22日発売の17th Single「インフルエンサー」に収録された、3期生楽曲「三番目の風」。
2019年5月29日発売の23rd Single「Sing Out!」に収録された、4期生楽曲「4番目の光」。
これまで3期生、4期生ともに初めての期別曲には加入時期に伴ったナンバリングがタイトルに付与されています。
その流れを踏襲するのであれば、5期生は「5番目の**」になるだろうというのが大方の予想でした。でも蓋を開けてみれば・・。
これは戦略的に予想を外してきたとか、色々な見方があって面白いですが、基本的にはタイトルに数字が含まれている時点で、何らかの意味を持たせているのだとは思います。
個人的には5期生に「1」という数字を付与したのは、期待の象徴だと捉えてます。
1→2→3→4→1(5)
2023年の活動が開始してまもなくキャプテンである秋元真夏さんの卒業が発表になりました。1期生は2023年2月の11th year birthday live以降、活動に携わることがなくなる。
この未来は予測不可能だったわけではなく、ある意味予見されていた未来。
5期生には新しい乃木坂46を形作っていくことがそもそものコンセプトとして組み込まれていたのなら、この先の新しい1ページを描く最初の期としての期待を込めて「1」を楽曲に託したのではないでしょうか。
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