別の生き物/2月2日(日)〜2月8日(土)
2月2日(日)
昼夜が逆転しだす。
2月3日(月)
もはやテッペンを越えてからが本番、という気運。
2月4日(火)
友人とご飯。
2月5日(水)
図書館へ。ヴィルヘルム・ライヒ『ファシズムの大衆心理』(せりか書房、1982年)を上下巻借りる。なんとなく重要そう。
2月6日(木)
バイト。近々辞めようと思っている、という旨を担当者に伝える。いつでもいいということだったので、急遽今日が最終日となった。
バイトの行き帰りの電車でちまちま『ドン・キホーテ』読んでいた。『ドン・キホーテ』は岩波文庫で全6巻の大長篇で、さぞ大冒険を繰り広げるのだろうと予想していたのだが、いまのところ近所をうろうろしているだけである。現在第3巻の半分くらいなので、この調子だと、最後までそう遠くへは行かないだろう。しかもドン・キホーテ自体は、ほとんど何もしていない。むしろドン・キホーテと出会う人々のほうが、大冒険や大恋愛を経験し、困難を乗り越え大団円を迎えている。物語を謳歌しているのだ。ドン・キホーテはその脇で、妄想上の敵と格闘しているだけ。
ドン・キホーテは現実と闘わない。けれどそのドン・キホーテを中心として現実が動いていく。周囲の人々は呆れ果てながらドン・キホーテの相手をしたり無視したりしているだけなのだが、たぶんドン・キホーテがいなければ現実は変わっていかないのだ。
2月7日(金)
メールを返す。現在、基本的に依頼を受けないことにしているが、実際に依頼が来るとやっぱり考えてしまう。
2月8日(土)
友人宅で読書会。一才の赤ん坊がいる家である。赤ん坊はつい最近歩き始めたばかりなのだが、いままでハイハイで歩いていた生き物が歩きだすと、途端に別の生き物のように感じる。そう言うと、ある友人が「わかりますよ。僕も犬が急に二足歩行で歩き始めたら、別の生き物だって思いますもん」と同調してくれる。