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岡崎百々子がガルプラに出たこと叩いてた人達ってさあ...
ガルプラの予告に岡崎百々子が映った時の彼女のファン達(さくら学院やBabymetalが大半)の反応は、よく覚えている。
「あれは百々子じゃない!!!!!」
「何で韓国なんか行くんだ!!!!」
まだ名前すら出ていなかったのに、意地でも本人と認めたがらない反応が少なくなかった。
本人であることが判明すると、余計に百々子の挑戦を苦々しく見る人達が増えた。
それどころか、ガルプラや黒執事経由で百々子を知った女の子に排外主義丸出しのクソリプを投げつけているBabymetalファンを見た時は心底虫唾が走った。
絵に描いたような老害だと思った。
百々子を輩出したさくら学院やBabymetalのファン層は中年男性が大半である。80年代に青春を謳歌した世代であり、リアルタイムでメタルやロックを通っている率も高い。そしてアイドルにはそこまで興味がないどころか、嫌っていることも少なくない(特に48系列や韓国)。
彼らは、「日本のミュージシャンが欧米の大観衆の前に立つことを見てみたい」と長年思い続けてきた人達なのだ。ロックやメタルは洋楽至上主義の気風が昔はもっと強かった。実際には海外の一流ミュージシャンも意外と日本のアーティストに影響を受けているのだが(メタル周辺だけ見てもBoris、G.I.S.M.、Sigh、Boredoms、Death Side、Merzbow等)、それらはほぼ全てがアンダーグランドなカルト的な存在のため、日本では知られる機会すらなかった。
彼らにとっては「日本の音楽は白人様には勝てない」のが常識なのだ。
それをまさかの「アイドル上がりのメタルバンド」がぶち壊してしまった。
それも彼らにとって「軟弱なもの」として蛇蝎のごとく嫌っていたはずのアイドルが常識を壊したのだ。
そのBabymetalの母体のさくら学院にもファンはどんどん流れた。
しかし彼らは自身がアイドルを好きだとは認めたがらない傾向が強かった。
娘どころか下手したら孫レベルの思春期の女性を推しているのは、側からしたらロ○コン同然なのだが、
「さくらやベビメタはアイドルじゃない!!! プロのパフォーマンス集団だ!!」
「俺たちはロリコンじゃない!! 親目線で見守っているだけだ!!」
というように意地でもドルヲタとは違う、と言い続ける人は多かったように思う。
なまじライヴのクオリティが高いだけに、プライドも同じように高かった。
さらに親でも殺されたのかというレベルに嫌韓を拗らせた人達の多さ。
今とは比べ物にならないレベルに自国を蔑む教育を受けて育った世代なだけに、その反動でどうしても右に流れやすい。そのためマスメディアを嫌う傾向は強いし、そこに露出しまくっているアイドルグループなんて聴こうとも思わないはずである。
そもそもK-popの音楽性自体、アメリカのトラップやクラブカルチャーの影響が強いのだから、生演奏至上主義が強く、ビートミュージックに耐性のない80年代の価値観で育った人には理解し難いだろう。
しかも思想でバイアスがかかっているのだから尚更である。
かつてBabymetalが保守的なメタルのコミュニティから中傷を受けた時、多くの人たちが「ジャンルなんて関係ない!! いいものはいい!!」と騒いでいたが、その言葉はどこに行ったのだろうか。
ジャンルなんて関係ないって言ってたのに、K-popのコミュニティに入っていく百々子に「失望した」などとほざくのは、甚だしい矛盾ではないだろうか。思いっきりジャンル関係あるじゃねーか。
さくら学院のファンは父兄を名乗っており、ロ○コン的な目線ではなく親目線で成長を見守っているのが彼らの言い分だそうだが、
親目線で見ているのなら、なぜ本人の想いを尊重してあげないんですか
と言いたい。
百々子の先輩であるBabymetalがブレイクするきっかけを作ったメタリカのジェイムズのこの発言を100万回読み直してほしい。
考えてみてほしい。もし自分の実の娘が同じような道を志したら、その時あなたは同じような態度で接するんですか?
そんな人達が「俺たちはロ○コンじゃない!! 親目線で見守っているだけだ!!」なんて言っても説得力ゼロだし、それは自分の都合のいい存在にしたいだけでは無いでしょうか。
しかも皆さん、去年の紅白で非ファンの人たちが「Babymetalの三人目誰!?」ってなってた時に、ホイホイ飛びついて「さくら学院の岡崎百々子ちゃんです!! 博多華丸さんの次女です!!」とか声高に拡散しまくってましたよね?
BABYMETALの3人目は誰⁈っと思った方!
— りるめ (@rl_metal) December 31, 2020
その子はサポートに入ってくれている博多華丸さんの娘さん、岡崎 百々子さんなんですよ!!#BABYMETAL#NHK紅白 pic.twitter.com/rqsfA3FLGX
本人達が話するのあえて避けてるのにこれで親の七光りみたいに思われたらどうすんの、って言ってる人が少しだけいたけど、まさにガルプラに関する報道でお父さんの名前出されて、知らない人から「どうせ七光り」みたいに言われちゃったじゃん。
自分たちにブーメラン返ってきちゃってるじゃん。
お父さんの名前出されてキレてる人いっぱいいたけど、紅白の時過剰にあれを拡散しまくったりリプでホイホイ教えまくった人には、マスコミや知らない人たちにキレる資格ないよほんとに。
親目線で見守っているならリアル父兄の博多華丸さんの姿勢も見習おうよ。
七光りみたいな印象ついて、同じセルのキムセインちゃんがエムネの悪編によりほぼスケープゴートにされて一緒に落ちるわで大変な目にあったけど(文哲ちゃんが救済システムで復活し、キムセインちゃんがあれで注目集めてファン増えたのがせめてもの救い)、自分のファン層が嫌いがちなコミュニティで第一歩を踏み出したのは結構意味は大きいのではないか。
オーディションが始まる前の週の7/31にさくら学院が1年半ぶりの有観客公演を行ったのだが、アンコールに選ばれたのは4年越しの披露となった隠れた名曲「アイデンティティ」だった。閉校した今改めて歌詞(詳しくは検索してみてください)を読みながら聴いてみると、あの時アンコールに「アイデンティティ」を選んだのは百々子へのメッセージもあったのかなという解釈もできる。知らんけど。
かつてBabymetalが保守的かつ排外主義や女性蔑視の気風の強いメタルシーンにレジスタンスしたように、今度は岡崎百々子が自身に求められたイメージを蹴っ飛ばしてまだ見ぬ世界へレジスタンスしているのかもしれない。
彼女に幸せが訪れますように
P.S. 百々子は落ちたけど同じセルの文哲ちゃんは復活したし、戸高美湖と革命少女でやってた桑原彩菜ちゃん、菊○○愛のお友達らしい久保玲奈ちゃんと川口ゆりなちゃんはまだ生き残ってるからせっかくだしさ、さくらベビメタファンのみんな!! 今からでも最後までガルプラ観ようぜ。
色々思うことはあるだろうけど、こだわりが悪い意味で強すぎると音楽の醍醐味を見逃すよ。世の中何があるかわからないのに。とりあえず最後にthe bodyの3年前のインタビューの一節を置いときます。
I think the underground needs to learn more from pop music actually. The biggest things that have happened lately in pop are Beyonce at Coachella, Cardi B, and Taylor Swift on tour with Charli XCX and Camila Cabello. I'd like to see that level of inclusiveness at the underground level. I understand the irony of this but does the world need more white guys playing riffs? Probably not.
the body
(訳)
アンダーグラウンドは、実際にポップミュージックからもっと学ぶべきだと思います。ポップスで最近起こった最大の出来事は、コーチェラでのビヨンセ、カーディ・B、そしてテイラー・スウィフトがチャーリーXCXとカミラ・カベロとツアーに出たことです。そのレベルの包括性をアンダーグラウンドでも実現したいですね。これは皮肉なことだと理解していますが、世界はリフ(メタルやロックにおけるリズムギターの反復演奏を指す)を演奏する白人男性をもっと必要としているのでしょうか?おそらく、そうではないでしょう。
the body
(出典)
https://metalinjection.net/interviews/the-body-dont-see-heavy-music-as-strictly-being-a-metal-thing