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20200610 No20 お金以外のモチベーション:見える形の誇り

長らくご無沙汰してしまった。

別にサボってた訳ではないのだが、仕事が忙しいのを心の言い訳に、遠のいてしまっていた。本日、所要で大使館にお邪魔して、何かとお世話になっている医務官の先生から、「今の経験は書き留めておてきなさいと」と言われて、またnoteに向かう気力をもらいました。

表紙の写真は、所属する疫学チームの朝ミーティング後の風景。この日は、黄色ベストが州保健省から配布された。シンプルなものだが、みんな貰っては喜んでいたし、モチベーション向上に繋がっているのが分かった。

実はこの写真の数日前から、疫学チームへ支給される交通費および通信費についてで揉めていた。Contact tracingは、移動と電話のコストが思いの外、かさむのは事実だ。

僕は所属組織からドライバーと車を提供してもらってるので、移動面では問題ないのだが、多くのチームメンバーは自家用車またはタクシー等を利用して業務にあたっている。また、14日間の健康観察の間は、毎日連絡を取るため、電話代もかさむ。

ここ2ヶ月は、交通費も通信費も支給されてなかったとのことだ。ちなみに、チームメンバーの6割ぐらいはボランティアで、残りの2割を国際機関等からのヘルプ(私はここ)、2割が保健省およびナイジェリアの関連機関のスタッフである。ボランティアの方にとっては、自腹を切って、疫学調査に参加してたことになる。

結局、一月あたり交通費は50USDと通信費は30USD程度が支給されることになった。これは、あくまでもチームあたりの金額で、二人でこれを別けることになる。しかし、この金額に決まるまでも、かなり揉めて、ごねていた。

だからこそ、黄色ベストをもらって喜んでるチームメンバーを見て、嬉しかった。お金も大切だが、この仕事をやってる誇りをも、ビブをもらう姿から感じれたからだ。

お金以外でもモチベーションを作ることは、マネジメントする側の大事な役割であると痛感した。

北部にいた頃、とある個人開業医のクリニックに、サーベイランス業務の協力依頼にいったことがある。特定の感染症疾患の患者数を毎月報告してくれというお願いであった。しかし、院長からは厳しい言葉をかけられた。

「国際機関か何か知らないが、いきなりやってきて、押し付けのように用紙だけ置いていって、うちのスタッフがやると思うのか。謝礼に限らず、うちのスタッフのやる気を起すような取り組みを考えたことあるのか。」

確かに、国連・国際機関という肩書を使い、上から現場に仕事を投下してるだけであった。これは4ヶ月前のことだが、そこから途上国にいる保健スタッフのモチベーションを起こすには何なのかと、何となく考えていた。

このビブを見たときに、一つの答えを得たように思えた。やはり、みんな自分が取り組んでることに、誇りを持ちたいし、それを形としても感じたい。自分も同じである。

貴重な気づきであった。

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