令和6年能登半島地震に関する北国新聞のニュースでは、崩壊した家屋から救出後に亡くなった方について書かれている。
これは、クラッシュシンドロームではないかと思ったが、実際にどのように対処すべきなのか、文献を見てみた。
クラッシュシンドロームの概要
要するに、体が圧迫され逃げられない状態から助けたと思ってもその後容体が急変し、死亡してしまうなくなってしまうということである。
対処方法
医療的には、救出後にいち早く血液透析が必要ということになる。
ただし、震災時という状況を考えると、医療的なリソース(透析施設、エネルギー、水)が足りなくなるため、以下のような観点が必要と書かれている。
被災地周辺の患者はより遠方の透析施設に移動させ、急性腎不全患者のためにリソースを空ける
クラッシュシンドロームの急性腎不全患者を被災地周辺の透析施設に移動させる
現場でできること
ヤマハ発動機の防災ウェブマガジンに以下のような記載がある。
まとめ
いつ崩れるかわからない状態で、発災時に人員が足りていないレスキュー隊を待つというのはなかなか難しい気もする。
住民の知識レベルにも依存する。クラッシュシンドロームを理解できているか、その場の合意形成では救出優先になるかもしれない。そうなると、死亡するリスクも高まってしまう。
どうすれば正解なのか答えがない難しいケースではあるものの、耐震化率が低い地域もあるなかではクラッシュシンドロームに遭遇する可能性は依然として高いため、具体的な対応ガイドラインと防災訓練が必要だと感じている。
参考
実際の症状などカラー写真入りで紹介
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/050100/d00210677_d/fil/kougi11_1.pdf