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ITパスポート受験を語る…!

昨年、「ITパスポート取得サポート」なるものを会社が突然発表した。

会社が課題にしているデジタルトランスフォーメーション(DX)において、目に見えやすい数値目標(社員○○人がITパスポート取得しました!)としての取り組みかな、と認識している。

ITパスポートを取るメリットには以下がある。

・ITパスポートは国家資格であるため、取得してしまえばたとえ今の会社を離れたとしても資格自体は残ること。
・自分の専門以外の分野を体系的に学べること。
・専門の掛け合わせで自分の希少性があがること(ITパスポートごとき…笑、と言われてしまえばそれだけだけど、ITが専門ではない自分が取る分には専門性の掛け合わせになり、それなりに評価されそう…)。

取らない理由はトラックの荷台いっぱい分ある。忙しいとか、学ぶ意味が無いとか…。

でも、せっかくの機会なので私もITパスポートを受けてみることにした。今回はその受験体験談を書く。


ITパスポートとは?

ITパスポートとは、「ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験」である(出典: https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/about.html)。

ITパスポート試験は、「具体的には新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)や新しい手法(アジャイルなど)の概要に関する知識をはじめ、経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)の知識、IT(セキュリティ、ネットワークなど)の知識、プロジェクトマネジメントの知識など幅広い分野の総合的知識を問う試験」となっている(出典: 同上)。

自分は勉強を開始するまでITのことばかり問われる試験なんだろうなぁという印象を持っていたが、勉強を始めてみて上記のようにストラテジ(経営)系・マネジメント系・テクノロジ系と3つの分野の知識を問われることを初めて知った。

受験自体は全国の試験会場で受けられる。受けられる曜日は会場によって異なり、平日メインの会場もあれば、土日メインで受けられる会場もある

各受験回の枠は会場によって異なるものの大体20名ほどである。各会場、月に10回程度試験を開催しているので割と各自の都合に合わせて受験が出来る。都合が悪くなったとしても、受験日の3日前までであれば、申込内容の変更(試験会場、受験日、試験開始時間)が可能。

受験費用は税込7500円(2024年1月現在)

形式はCBT形式となっていて、テストセンターのような場所で各自パソコンの前で4択問題を100問、120分以内に解いていく方式になっている。

合格基準は、下記のように総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること

・総合評価点: 600点以上/1000点
分野別評価点
・ストラテジ系  300点以上/1000点
・マネジメント系 300点以上/1000点
・テクノロジ系  300点以上/1000点

なぜITパスポートを取る?

自分の専門は製薬業界のとある研究分野である。その分野ではヘタレでありながらも、なんとか生き延びている。

ただ、今後の長い人生を考えた時、自分の専門一本足打法で果たして良いのだろうか…?という不安を常に抱えている。

そのような不安に対して、自分でできる対策は何か?を考えた時、ひとつ確実に言えることは、業界における自分自身の希少性を上げ続けることである。希少な人間になれば、いつでもどこでも誰とでも働ける…と信じている。

では、希少性を上げるにはどうすれば良いか…?そこについては、ふたつのアプローチがある。ひとつ目は今の専門性をさらに向上させること、そしてふたつ目は他分野の専門を習得することである。

今回の会社としてのITパスポート習得支援を見た時に、上記のふたつ目の生存戦略にあっている!と感じた。というのもITパスポートを取ることは以下と同義である。

・他分野(経営・マネジメント)の基礎知識の習得
・ITの体系的な理解

ITパスポート単体では「所詮ITパスポート…」と言われればそれまでではあるものの、自分の専門性と掛け合わせた時には人材としての希少性は少しは上がるはずである。

自分の場合はこのような動機からITパスポートを受けてみることにした。

ITパスポートの勉強法・おすすめの進め方

ここからは自分が実際にした勉強法を説明する。

まず最初に取り組むこと、それは受験をとりあえず予約してしまうことである。そうすることで受験料の7500円を無駄にするもんか!という気合いで勉強に身が入る。

忙しい社会人だと、日々の仕事や家事・育児に忙殺されてついつい勉強を先延ばしにしがちである。勉強を始める前に自分もそうなることは目に見えていた。そこで、思い切って2ヶ月後の試験日を予約した。そうすることであえて自分のお尻に火をつけた。忙しい社会人にはお勧めの方法である。

使った参考書は以下である。Amazonでも売り上げ1位になるほど人気の参考書である。

こちらの参考書は、各項目を非常に丁寧にイラストを交えてわかりやすく解説している点でおすすめである。
というのも、自分は他の動画形式の学習支援サービスを最初に利用していた。ただ、そちらのサービスでは各単元の説明がぶつぶつに切れていて各分野の全体像や各項目の流れを掴めずに学習に非常に苦労した。その時にこちらの参考書に出会えたおかげで、各単元のつながりや学習項目の全体像がしっかり掴むことができ、学習がさくさくと進められるようになった。

こちらの参考書は頻出項目を優先的に載せることで各項目の分量をなるべく少なくする工夫がしてあるため、学習がさくさく進む点において忙しい社会人に適していると言える。

参考書の最後のページには重要キーワードが網羅されており、これらの暗記にとても役立つ。また、後述の過去問演習で間違えた場合でもキーワードを索引として説明ページにすぐ戻ることができ、復習が可能になる。

自分の場合はこちらの参考書を1周目は流し読み・全体像の把握、2周目はキーワードの暗記、3周目はキーワードの理解度確認…という形で進めていった。

3周目が終わった後、ITパスポート過去問道場で直近5年分の問題を本番と同じ120分で100問解く…ということを3回繰り返した間違えた問題については、再度参考書に戻って各項目の理解に努めた。このような形で勉強を進めていった。

勉強時間は平日1時間未満(それも2,3日おき)、土日に1〜2時間ほど。かなりのんびりと学習していて、正直にいうと自分の甘さが出たことは反省点である。先に試験を予約していなかったら、もっとのんびりと学習していたに違いない…。

そして、こんなペースでのんびりと学習を進めていき、過去問で概ね7〜8割くらい取れるくらいになった頃(学習開始から2ヶ月ほど)に受験日となった。

試験の様子

試験当日は40分ほど早めに試験会場に到着。余裕を持って30分前に試験会場に入ったところ、受付にはすでに多く受験者たちが集まっていた。

受付では本人確認書類と受験票以外の持ち物はロッカーにしまうように指示された。
本当は直前までiPadで参考書を見たり、問題を解いたりしたかったんだけど…仕方がないので諦めた。

ロッカーに本人確認書類と受験票以外をしまったことで、時間を潰す術も無くテスト時間になるまでただひたすらぼーっとして待った。

試験10分前くらいに各自のテスト用PCの前に移動。CBTの操作方法に関する説明画面を読みつつ、時間を潰す。

そして、いよいよ試験が開始となった。

本番の問題は過去問や参考書についている問題とは違って、なんだか独特な、つかみどころのない、ふわふわとした印象が残る問題が多かった自信が無い問題にはチェックマークをつけられるようになっているが、最初のうちはほぼほぼ全ての問題にチェックマークをつけて、とりあえずの回答をして先に進める…という感じで進めていった。

後半になるに従って明確な知識問題や計算問題が増えてきて自信を持って答えられるようになっていった。

一通り解き終わった後、チェックマークをつけた問題に戻り、しっくりこない答えについてウーンウーンと悩んでいた

大体80分を超えたくらいからちらほらと早期に退出する人が出てきた。自分も「チェックマークがついた問題はどれだけ悩んでもどうせしっくり来る答えは無いし…」と早めに退出することを決意

試験官に試験を終了することを伝え、試験を終了した。
ちなみに試験を終了するとその場で採点が進み、点数がPC画面上に表示されるようになっていた。

試験結果

自信を持って回答できた問題が半分くらいである一方で、かと言って自信が無い回答の答えもこれしか無いよなーという感触だったので、点数がどのくらいになるかはドキドキであった。

結果は…

・総合:755点/1000点
分野別評価点
・ストラテジ系:770点/1000点
・マネジメント系:700点/1000点
・テクノロジ系:715点/1000点

であり、以下の合格基準は無事に超えられていた

・総合評価点: 600点以上/1000点
分野別評価点
・ストラテジ系  300点以上/1000点
・マネジメント系 300点以上/1000点
・テクノロジ系  300点以上/1000点

本番の感触は微妙だったけれど、点数的には過去問の点数くらい(7〜8割)にちょうど収まっていて、ちゃんと勉強した分は発揮できていたのかな?という印象で終わった。

今後に向けて

久しぶりに他分野の勉強ができたこと、また合否のある試験を受けてハラハラドキドキしたこと、そして勉強の甲斐あってちゃんと基準点を上回れて達成感が得られたことで、終わってみたら清々しさがあった。

忙しい中、頑張ってよかったと自己肯定感がアップした。これは日々の仕事や家事・育児でなかなか味わえなかった気持ちだった。世の中には資格マニアなる人たちがいるけど、その気持ちがよく分かった。

と、今回のITパスポートで調子に乗って気を良くしたので、次はちょっとステップアップして、基礎情報技術者試験を受ける予定にしている(と宣言することで自分のお尻にまた火をつけています)。

またこちらについて進展があったらブログに書きます…!長々とありがとうございました!

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