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小児のインフルエンザの迅速検査と診断

毎年冬になると、多くの方は、インフルエンザウイルスに感染し、外来を受診されます。流行のピーク時には、発熱・咳で受診された患者の半分以上はインフルエンザです。

基本的にインフルエンザも風邪の延長線上にあると考えられています。現在のような「インフルエンザ迅速診断キット」が登場する前は、かぜとインフルエンザを区別して診療することはあまりなかったようです。

しかし、インフルエンザは小児において季節的な流行が大きいこと、重症化や合併症があること(気管支炎/肺炎や脳症)から、徐々に区別されるようになりました。

さらに、近年はタミフル®︎(オセルタミビル)をはじめとした抗インフルエンザ薬が臨床で使用されるようになりました。このため、治療の対象者を定めるために、インフルエンザと他のウイルス感染症を求められるようになっています。

今回は小児のインフルエンザの診断について解説していきます。

具体的には、
• 症状から小児のインフルエンザを区別することは可能か?
• 迅速検査を用いない診断は正確か?
• インフルエンザの検査はどのタイミングで受けるとよいか?
の3点について説明していきます。

あと、インフルエンザの検査や診断に関する質問についても、Q&Aでお答えできればと思います。

このnoteの結論を先にいうと、小児の場合、症状のみでインフルエンザを正確に診断するのは困難です。
ただし、迅速検査も100%の精度でなく、感度が高い時間帯があります。一般的には発熱して24〜48時間前後したあたりの感度が最も高いです。

このため、インフルエンザの流行期に「発熱したからすぐ受診」をするより、少なくとも12時間、可能であれば24時間程度は経過してから受診されるほうが良いでしょう。
(*注:3ヶ月未満の発熱、呼吸が苦しそう、水分摂取が困難、不機嫌がつづくなど、「何かおかしい」と思われる状況なら、インフルエンザの診断とは別に、お早目に受診されてください)。


インフルエンザらしい症状は本当にインフルエンザを予測できるのか?

インフルエンザと聞くとどのような症状を思い浮かべるでしょうか。
「突然の発熱・咳・関節痛・筋肉痛」などといった典型的な症状をイメージされる方が多いかもしれません。

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