今年の抱負というか予定

1. ブログに365記事を投稿します
2. noteでまとめ記事を発表します
3. 可能であれば、youtubeでの解説動画を投稿したいです
4. これまで通り、英語論文を最低10本は投稿します
5. これまで通り、査読は30-50本行います
6. メールに返信はすぐにしますが、手短に答えて、自分が消耗しすぎないようにします(3ー5文以内)
7. ブラック研究者・医師からのお誘い(というか無茶振りの統計解析)を全て断ります(感情を排除しようと思います。自身の興味とその時の研究を最優先します)
8. 最低2日に1日は、疫学の方法論の論文を読みます
9. しっかりと睡眠時間を取り、質の高い仕事をします
10. 少し休むことも覚え、豊かな人生とは何か、研究者と医師の間で生きるにはどうしたら良いのかを考えようと思います。


ブログ記事は出来るだけnoteのための記事にしていきます。
1つのトピックを作り、深いとことまで調べて、それをまとめていきます。
ここ1年、twitter上でも、いわゆる小児科外来でしているノウハウを発信する方が増えているので、そこまで自分が頑張らなくても良い状況になっていると思います。
(別の見方をすると、徐々にレッド・オーシャンになりつつあるので、自分のポジションを考え直しています。「疫学 x 小児科」という組み合わせであれば、ブルーオーシャンなはずなので、そちらに少し移動する形です。)

少し気になっていることは、個々の小児科ノウハウについて。エビデンスレベルや元論文をろくに読まず、なんとなく言い伝えられてきたことを発信しているだけに感じることもあります。あるいは、他の方の発信をみて、それをパラフレーズして発信されていることもあります。
これは批判ではなく、ひょっとしたら、私もそう思われているのかもしれないです。私自身を振り返っても、ある程度はそうところもありますです。まあでも、それほど悪いことしてるわけではないですし、あながち間違いを吹聴しているわけではないので、これはこれで良いのだと思って静観しています。
ただし、命に関わるような発言(例えばSIDSなど)への指摘は続けていこうと思います。

一方で、自分のスタンスとして、2019年の記事からは納得いくレベルまで追求して発信していこうと思います。
ひょっとしたら、言われている定説の根拠が薄い点を指摘することになり、不快に思われる方がいるかもしれませんが、ある意味仕方のないことだと思います。深く調べなかったり、専門家でない方が発信をすると、専門家から指摘を受けるのは健全なことだからです。ですが、ここは発言の仕方には最大限、気をつけていこうと思っています。

昨年の後半に、とある疫学のセミナーでダイコトマニア(dichotomania)という言葉を聞きました。セミナーで発表していた方は、疫学の世界で三本の指に入る超有名な教授です。

ダイコトマニアとは、物事をあり/なし、白/黒、良い/悪いに二分するのが好きな人のことを言うようです。一説によると、こう言った単純化をするのは、専門家というより、非専門家があまり知らない分野を独学で表面的に勉強をすると起こりやすい現象のようです。彼にすれば、臨床医が疫学をかじって出している論文が全てそうだと豪語して、その場が凍りつき、その後、大炎上しそうでした。JAMAやannals of internal medicineなどのauthors guideの記載についても、そもそも疫学的に間違ったことが書かれていると言って、その場にいるeditorの方が本気でキレそうになってました。私も気をつけようと思っています。ですが、彼の言っていることはほぼ正しいと思いました。一部は私の理解とは異なりました。

彼はその講義では、P値のあり方について理路整然と話をしていました。おそらく、世界の疫学者でも、彼ほどに明快に話をできる方は数少ないと思います。
彼によると、P値によるダイコトマニアは根本的に間違っており、さらに論文や主張などでdichotomy(二分化)をする人は、科学者として失格とまで言っていました(少なくとも、疫学者としてはあるまじき行為)。
あげたらきりがないのですが、
1) P値が0.05以下だったから有効性がある、それ以上だったらない。
2) メタ解析の結果だから信用できる/できない
3) NEJMの結果だから信頼できる
4) 1つのRCTで有効性が示唆されたから、有効であると言い切る
5) 観察研究で危険因子が示唆されたから、危険だと言い切る
これは異なるような現象ですが、根本は同じでダイコトマニアです。
もっと言うと、男の方が〇〇だ、女だから〇〇だ、海外の人だから、白人だから、黒人だから、お金持ちだから、...とレッテルを貼って全て同じとみなす人もダイコトマニアです。

学者として恥じないためにも、ダイコトマニアにならないよう1年間抗おうと思います。
ダイコトマニアにならずに、一般の方にわかりやすく伝えるという、一見すると矛盾する行為をしていこうと思います。

Dr.KID



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