手足口病について [2024年度]
2024年6月頃より手足口病が流行しています。
手足口病は、主に乳幼児に見られる感染症で、毎年夏に幼稚園や保育園などで集団発生することが多いです。
以下では、手足口病の原因、症状、診断、流行、そして治療について詳しく解説します。
原因
手足口病の原因はウイルス感染です。主に以下のウイルスが原因となります:
エンテロウイルス (68〜71型)
エコーウイルス
AまたはB群コクサッキーウイルス(16型)
これらのウイルスは、唾液、鼻水、糞便を通じて飛沫感染や接触感染することがほとんどです。
東京都の報告によると、コクサッキーA6とエンテロウイルス71が検出されているようです。
EV71による手足口病の流行時は、髄膜炎や脳炎といった中枢神経系合併症の発生頻度が高く、注意していく必要があります1。
症状
手足口病に感染すると、以下のような症状が数日以内に現れます:
2mm〜5mm程度の小さな水疱や円形の紅斑が体中に出現
手のひら、指間、足底、お尻に水疱が出やすい(『手・足・口』病という名称ですが、『お尻』にも発疹が多いです)
口腔内に特徴的な水疱やアフタが出現し、喉の痛みを伴うことが多い
喉の痛みのため、食欲が低下することが多い
発熱は半数程度で認められるが、高熱になるケースは多くはない
診断
手足口病の診断は、医師による臨床診断が主流です。
具体的には、手足と喉の状態を確認することで診断されます。
理論上はPCR検査でウイルスの遺伝子を増幅して検出することも可能ですが、この検査は大きな専門病院でしか行えないため、街のクリニックでは実施されることはほとんどありません。
流行
手足口病は毎年夏に流行し、特に幼稚園や保育園に通う乳幼児で集団発生することが多いです。
1歳頃に発症しやすく、5歳以下の子供が90%を占めます。
ただし、学童や大人にも感染することがあります。
また、大人の場合は喉の痛みで治まることが多いですが、手足に発疹が出ることもあります。
治療
手足口病はウイルス感染のため、特効薬はありませんし、特別な治療も必要ありません。
抗生物質はウイルス感染には効果がないため、内服してもメリットはありません。
手足口病は長くても1週間程度で自然に治癒します。
治療のポイントは以下の通りです:
こまめな水分摂取で脱水を予防する
発熱や喉の痛みには解熱鎮痛薬を使用する
予防
手足口病のウイルスは、アルコール消毒が効きづらい傾向にあります。
このため、感染予防には、石鹸やハンドソープを用いた流水の手洗いが重要です。
まとめ
手足口病は、主に夏に乳幼児に見られるウイルス感染症です。
原因ウイルスは複数あり、唾液や鼻水を通じて感染します。
症状としては手足や口腔内に水疱が現れ、喉の痛みや軽度の発熱を伴います。
診断は医師による臨床診断が一般的で、特効薬はなく、こまめな水分摂取と解熱鎮痛薬で症状を和らげることが重要です。
手足口病は自然に治癒する病気ですが、ご心配な点があれば小児科等へ受診することをお勧めします。
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