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5. 科学的根拠からみた小児のかぜとホームケア・解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)
「子供用の解熱鎮痛薬(熱冷まし・痛み止め)をください」と外来でお願いされることが多々あります。お子さんが風邪によって発熱したり、喉の痛みなどがひどいと辛そうなので、熱を下げてあげたり、痛みを緩和させてあげたくなるのも当然でしょう。
もちろん私も小児科外来でよく処方する薬ですが、
・どうして薬を飲むと熱が下がるのか?
・本当に解熱効果があるのか?
・他の解熱剤(イブプロフェン)を比べて、どちらがよく効くか?
・解熱薬を飲むと、病気が治るのが遅くなるのか?
・解熱薬を飲むと熱性けいれんが起こりやすくなるのか?
などなど、解熱薬にまつわる質問は多数あります。
実は小児科医ですら知識が偏っていたり、情報がアップデートされていないと、間違った指導を保護者の方々にしてしまっているケースもあります。
このせいで困惑してしまっている方もいるでしょう。
そこで、今回は、これらの解熱薬にまつわる質問に、科学的根拠をできるだけ提示しつつお答えしてみようと思います。
目次
1. 解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)
1-1. 解熱鎮痛薬について
1-2. アセトアミノフェンの作用機序
1-3. アセトアミノフェンを含む処方薬
1-4. アセトアミノフェンを含む市販薬
1-5. アセトアミノフェンの副作用
2. 解熱鎮痛薬の有効性(主にアセトアミノフェン)
2-1. 解熱薬を飲むと本当に熱が下がるのか?
2-2. 解熱薬は民間療法より有効か?
3. 解熱薬を使用すると治りにくくなるは本当か?
3-1. マラリア感染の例
3-2. 水痘の例
3-3. 風邪の例
4. 解熱薬は熱性けいれんを誘発させるのか?
4-1. 解熱薬の有無と熱性けいれんの再発
4-2. 解熱薬は発熱期間中はずっと使用するべきなのか?
今回のnoteはブログ記事17本分、論文数は15本分の情報が凝縮されています。
なかなか医学英語論文というと、敷居が高くて読みづらいと思われるかもしれませんが、できる限り分かりやすく記載しています。
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