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20200822 (普及版)夏に見たい映画「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」批評5番勝負+1 中堅 夢邪鬼こそがラムの夢を食らうバクだった

さて、皆様、いよいよ中盤戦に差し掛かった頃。

僕が学生の頃の夏休みは8月31日までだったので、まだまだ気分は夏休み。夏が終わる前に、ビューティフルドリーマーはいかがでしょうか?

今回のテーマは、盟友、エトジュンの文章にインスパイアされて新説を打ち立てました。どうぞご覧ください。

夢邪鬼の夢の世界における役割

夢における夢邪鬼の役割を考えるにあたって、一つ注目したいのは、悪夢を食らうという、バクを呼び出すラッパを夢邪鬼が持っていた点です。

途中で、以下のようなセリフがあります。
「ええ夢かてぎょうさんおましたんやでェ!」
「・・・・・せやけど、みんな長続きしまへんねん。みんな、ワテを追い越して悪夢になって最後は、がしんたれに食われてしまいますねん」
「そのたんびに、ワテは、また別の夢のカケラ捜してあっちゃからこっちゃへ・・・こっちゃからあっちゃへ同じことのくり返しや・・・わて、もう疲れてしまいましてえ」

このがしんたれという呼び名がバクのことを指しています。
ここで一つ、疑問が浮かんできます。「食われてしまう」という受け身言葉を使っているにもかかわらず、呼び出すラッパは夢邪鬼が持っている。

その夢邪鬼があたるにラッパを奪われたときのセリフがこちらです。

「またや、またやこれやがな。なんで人間というのはこうなんや」

このセリフから、このラッパを吹いた人間はあたるが初めてではないということがわかります。
つまり、あたるのように、夢邪鬼を追い詰めて、バクを呼び出した人間がこれまでにも存在したということでしょう。

夢邪鬼がそのラッパを隠し持っているのは、なぜなのでしょうか?

盟友のエトジュンの分析

ここで、盟友エトジュンのビューティフルドリーマーを引用します。
http://buraihamegane.blog.fc2.com/blog-entry-62.html

エトジュンの評はなるほど、私のありきたりな映画評とは違い、一つの新機軸を打ち出している内容です。

そこに加えて、私は下記の2点を注目して、違った解釈を提示いたします。
① 夢邪鬼がラッパを持っていたのはなぜか?
② 「ラムの夢」はある時点で「悪夢」に変わっていなかったのか?

この2点に注目すると少し、違った解釈が出てくるのではないかと思います。

面倒終太郎・あたるが退場した時点でそれはラムにとっては悪夢

このビューティフルドリーマーの肝は「ラムの見る夢は悪夢にならない美しい夢」ということです。

繰り返しになりますが、ラムは、自らの夢についてこう語ります。

「ダーリンやお父様やお母様や、テンちゃんや、終太郎やメガネさんたちとずうっと、ずうっと楽しく暮らしていきたいっちゃ。それがウチの夢だっちゃ」

この言葉は、本編の冒頭と終盤で違う場面で繰り返されており、ラムの心からの願いと言って過言ではありません。

物語本編では、主要人物がホラー映画のごとく、夢邪鬼によって、1人ひとり消えていきますが、その人物は上記にラムが名前を挙げていない人々なのです。

チェリー、温泉マーク、しのぶ、竜之介。。。

そして、夢邪鬼が、さくらを始末するにあたり、終太郎とあたるまで、ラムの夢からフェードアウトしようとした。

これは、完全に、ラムにとって「夢」が「悪夢」に変わった瞬間です。
いや、言い方を変えれば、ラムの「夢」を夢邪鬼が自らの「夢」へとすり替えてしまった瞬間です。

夢邪鬼はラムの夢を食ったバクだった

その後、こういうセリフが出てまいります。

「オノレなんぞにわかってたまるかい。ワテの創る夢と現実がどうちがうちゅうねん。生まれた時から他人の夢に住んで、他人の夢こさえ続けて・・・一つくらいワテの夢があってもええやないか!なんでそれをこわさなならんのやァ!」

その前には、ここはラムの「夢」だから、ラムを出せないと言っておきながら、ここを「ワテの夢」と言ってしまった。

つまり、「ラム」を自らのものとして、ラムの夢を食ってしまったのが夢邪魔鬼だったのでないかと思います。

すると、ラッパを夢邪鬼が持っていたことも、彼自身がバクであれば、がしんたれはその使いであり、呼び出すために持っているのなら理由が付きます。

実は、夢邪鬼こそが、バクだったのではないかと。新たな結論、第3部にピッタリな内容をお送りしました。

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「文化こそ、付加価値の源泉である」といえる、21世紀の日本を目指した、思考実験と結果まとめの日記です。(ちょこちょこ雑談も入ります)

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