経営者は簿記3級が必須
私は多くの開業医をみてきましたが、開業医で簿記を勉強したことがある人はすごーく少ない印象です。でも、一般的に考えたら経営者なのに簿記を知らないって、ちょっとびっくりです。経営をするなら、簿記はとりあえず三級程度で良いので勉強した方がいいと思います。
簿記は会計の基本であり、簿記がわからないと税理士の話もよく理解できません。会計管理もうまくいかないんですね。
知識がないので、主体的に会計を動かすことが難しくなります。ある意味税理士の言いなりにもなってしまいます。税理士がものすごく優秀ならいいですけれども、そうとも限りません。そもそも税理士は税金は正確に計算する仕事で、財務諸表を見て経営についてコンサルしてくれるわけでもありません。
私は開業して最初の年に、簿記三級の簡単な本を買ってざっくり勉強しました。さらには、開業の一年目に商工会議所に入って帳簿のつけ方について勉強しました。
医師国家試験に受かるぐらいの能力のある人でしたら、簿記の三級はすぐに理解できると思います。細かいことは知らなくてもいいから、だいたいの概念を知るだけでも価値があります。
私が簿記を勉強しようと思ったきっかけは、ある開業医の先生に、簿記の勉強を勧められたからです。新しい意見だったので、へーへーって思ったのを覚えています。あと、開業したてで資金の余裕がなかったので、税理士に頼まずに自分で帳簿付けをやってみようと思ったのでした。そういった理由で、私はたまたま簿記を勉強しましたけれど、結果的には人生に役に立ったと思っています。簿記を勉強して本当に良かったです。例えば減価償却の概念は、日常の買い物でも意識しています。服を買う時に、耐用年数3年かな?と考えて投資効果があるなら購入します。
開業医の先生たちは会計に関して無頓着の人がわりと多い気がします。でも、そもそも簿記がわからなくって財務諸表を読むことができるでしょうか。ざっくりはわかるかもしれませんけれど、イメージするのは難しいと思います。私は何がお金を使った時は、いつも頭の中にまずは仕訳が浮かびます。
主体的にお金の管理をするために、まずは簿記の本を読んでみることをおすすめしたいです。簿記を知っていて損することはありません。
クリニック開業は、医療行為の仕事は半分、残りの半分は経営が仕事です。
まずはその心がまえが必要です。
あなたのやりたい医療を実現させるためには、医療技術を磨くのも大事ですが、簿記を勉強するのもオススメしたいと思います。