映画「愛なのに」
面白すぎ。映画館で観れて良かったです。今泉力哉×城定秀夫という最高の組み合わせ。緊張と緩和というか、クスって笑えるシーンが沢山。どこか噛み合わない会話、常軌を逸した行為、非日常が日常に変わってく様だったり、この世界観にずーっと浸っていたい。
正しさと欲求の天秤がどちらに傾くか。愛を肯定出来る方はどっちか。執着と嫉妬でおかしくなりそうでも、信じたい方を信じれるのか。人目に曝されない憤怒・悲哀・諦観、そんなのを全てひっくり返せる気概はあるのか。愛はあるのか。
主人公・多田役の瀬戸康史がめちゃくちゃ良い。無自覚に醸し出してる色気が半端ない。「街の上で」の荒川青みたいな人間臭さ・女々しさ・だらしなさがあって可愛い。突然、女子校生から求婚されて当惑してる所に、突然、好きだった女性から連絡が来て、感情が揺れ動く様が面白い。
岬役の河合優実が最高。一途に恋する姿がキュンキュンです。若いのに色っぽさがあって、目線だけで観客を虜に出来るというか流石です。ヒット作品には必ず出て来る若手女優で、これからも楽しみです。
中島歩のクズさも最高。中身が空っぽな感じ、その場しのぎな感じが最高。喋り方に特徴がある俳優だけど脱力感あって良かった。クズに徹してくれて、こいつのどこを婚約者は好きになったんだろうかと気になる。さとうほなみの怪演もエグい。大胆な濡れ場、えっろい。向里祐香も素晴らしかった。悪い事してるのに遊びだと割り切れてる所とか、結婚式について的確なアドバイスしてたり、お前がそれ言う?みたいな可笑しさがあって面白かった。
終始、ニヤニヤが止まらない作品。キャラクター達の色んな顔が見れて、どれも本当の自分だろうけど、自分が自然に演じれる自分と、なりたい自分、なりたくない自分、色んな葛藤があって、煩悶してる姿が美しい。恋は盲目で、傷付いて傷付けて、それでも愛せるのかどうか。過去も未来も、そして一番大事な今を愛せる人に出会えるのかどうか。表の顔も、裏の顔も愛せるのかどうか。
「愛なのに」っていうタイトルが秀逸。大好きな映画が増えました。最高です。