整形外科勤務で衝撃を受けたこと 〜僕の整形勤務体験記〜
どうもこんにちは!
TwitterアカウントDr.K(@drkz21hk)ことキタノ ヒロキです。
またまたお久しぶりの記事ですね。書いてる途中なのをすっかり忘れていていつの間にか時間が経ってしまいました。
今回も5年間の整形勤務を終えてどんなことに衝撃を覚えたのか等を振り返りながらツイートした内容をまとめてみました。
・はじめに
今回の記事は専門学校を卒業してから実際に整形外科で勤務してる中でマジか...とか、やっぱり実際に臨床に出ると違うなと思ったことを自分なりに少し掘り下げていっています。前回の記事と合わせて読んでいただけるといいかもしれません。
少し掘り下げるといっても評価方法や鑑別を書くというよりはこう思ってたけど実際はこうだったというような感じです。評価や鑑別についてはしっかり書かれている方の記事や実用書などを見ていただけると良いと思います。
それではよろしければ最後までお付き合いください!
①捻挫はたかが捻挫ではなかった
ここでの捻挫は足関節捻挫をさしていますが、足関節をグキッとやって来院される方は整形外科でも接骨院でも比較的多いのではないでしょうか?
僕が現役で野球していた頃はちょこちょこ捻挫をしていましたが、たかが捻挫だと思っていて、多少痛くても我慢していれば治ると思っていました。
ですが実際に臨床で足関節捻挫にあたってみるとその考えがいかに危険だったかわかりました。
たしかに、結果としてすごく軽微な損傷の捻挫であれば安静をとったりしていれば痛みは引いてくるかもしれません。しかし、受診された本人は捻挫だと思っていても、いざ診察が始まれば実際は骨折していたりもします。
そして、足首を捻って痛みがあるという主訴でも所見をとっていると損傷箇所はまちまちです。よくある前距腓靭帯だけではなく、二分靭帯や前脛腓靭帯、下駄骨折や腓骨筋腱脱臼などなど、細かくいうと挙げるのが多いですし、一番最初に挙げた前距腓靭帯でさえ人によって肥厚部が一箇所だったり二箇所だったりしますし、少ないですが三箇所の方だっています。捻挫後の固定や整復、リハビリもナメてかかると失敗します。
残念ながら今のスポーツ現場の指導者の方や怪我をした本人、子どもの場合はその親御さんの中にもたかが捻挫と思っている方はいます。捻挫を甘くみないことは非常に重要だということを経験しましたし、その経験があるからこそ実際に現場で捻挫をした選手への処置も気を抜けません。
②鎖骨骨折の変形治癒は機能的に困る
柔整の学生時代に授業では鎖骨骨折の変形治癒は美容上の問題になるけど機能的には困ることは少ないといった感じで教えていただいたように記憶しています。
たしかに活動度の高くない日常生活レベルではそんなに困ることはないのかもしれませんが、仕事をされている方の鎖骨骨折のリハビリを実際に行なってみるとなかなかに困ります。
肩の可動域制限もありますし、なんか重だるいといったようなことも訴えられることもあります。そしてスポーツをされている方となると競技によっては可動域制限は残せないですし、固定期間中に落ちた筋力の問題、さらにはリハビリ期間の問題等もっとシビアになってきます。
赤ちゃんや小さい子どもの若木骨折であればそこまで問題になることは少ないですが、リハビリ以前に鎖骨骨折の整復や固定が不十分であるために変形治癒が起こってしまうので鎖骨骨折の転位や整復操作の理解も非常に重要となります。ちなみに僕が経験した中では小さい子どもや赤ちゃんの固定にはクラビクルバンドが使えないことが多かったため、その固定を作るのが一番苦労しました。なんせ痛いはずなのに力いっぱいに暴れることが多いので形が極めにくいです。
鎖骨骨折後のリハビリでは鎖骨に着く筋肉や周囲を通る神経なども着目して行う必要があります。
このあたりはしっかりと復習できるといいですね。
③ウォーターベッドが人気
あくまで僕の中のウォーターベッドの印象ですが慰安の代名詞とも言える機器です。僕の勉強不足だと思いますが、本当になぜあんなにも人気があるのか到底理解できない代物です。(メーカーの方ごめんなさい)
ちなみに整形だけでなく、他の接骨院や僕が現在勤務しているデイサービスでもなぜか大人気みたいです。水流でどうにかこうにかしているのでしょうが、僕が実際に使用してみた感想はよくわからんといったとこです。
振動や横になる事で体幹筋の緊張の緩和などあるのかもしれませんが...
ただまぁウォーターベッドを目当てで通院する方もいるくらいなので経営的にはいいんでしょうね。
この機械にはずっともやもやさせられています。
④発作は突然やってくる
てんかんの発作って突然やってくるんですよ。
発作なんだから当たり前だろ!って思うかもしれませんが、本当に突然起こるんですよね。しかも目の前で。
知識はあったとしても最初はかなりパニクると思います。何したらいいかわかんないですからね。
それでも対応の方法などは先に確認しておくといいですし、ロールプレイングも意外と重要です。
そもそも、てんかんを持っているかどうかを聞き出しておく事が大切です。
これはこちらから聞かないとなかなか患者様本人からは伝えてくれないですからね。
⑤綿包帯はあまり使われない
柔整学生の時は包帯法のテストなどがあり綿包帯を巻いたのは柔道整復師のみなさんはいい思い出じゃないでしょうか?
僕が就職した整形外科では綿包帯を使わない訳ではありませんが、シーネ固定などではほとんどが弾性包帯を使用していました。
理由としてはシーネ固定だと自宅でお風呂の時に患者様が外した後、もう一度固定してもらうのに難易度が高い(固定がしにくい)からでした。
たしかに学生時代も入学したての頃はなかなか上手く巻けなかったですし、一般の方には難易度が高いのはわかります。
だからといって弾性包帯ならしっかり固定出来るかといえばそれも微妙なところです。まぁ綿包帯よりは幾分かマシといった感じじゃないでしょうか。
しっかりと通院してもらえ管理ができるなら綿包帯をしっかり使った方がいいと整形外科を離れた今なら思います。
またキャストの練習などでも弾性包帯だけでなく綿包帯を使用して練習した方がいいなとも思います。
⑥大腿部頸部骨折でも歩いて来院する
高齢者の方で転倒して歩けないなら大腿部頸部骨折は疑うべき症状にあがると思います。
しかし、中にはそれでも歩いて来院されるツワモノがいらっしゃいました。
元勤務先の整形外科では、僕たち柔道整復師が外来で予診をとっていたので、問診票に記入された項目を読んでから所見をとっていきます。そこには転倒したと記入されていました。
所見を取るために待合室から呼ぶんですが、なんとか脚をつきながら歩かれていました。
そこで実際に所見をとると明らかに健側とは動きや筋力も出ないし、やっぱり骨折も疑われるよねといった感じだったと思います。
予診後にレントゲンを撮影されて、出てきたレントゲンを見たら思いっきり噛み込んで短縮してたんです。
咬合骨折というのは知識としては学生時代に習って知っていましたが、その時初めて見ました。
安定しているとは言い難いですが、グラグラでもない。そんな印象でした。
歩いて来たからといって骨折じゃないと頭から外すような事はできませんね。
⑦圧迫骨折は思っていたより多い
高齢者の方の圧迫骨折って意外と多いんです。
就職する前はそんなに多いと思っていませんでしたが、1日に数件の圧迫骨折の対応をする事もあり、意外と多いんだなと認識を改めた骨折の1つです。
一口に圧迫骨折と言っても転倒などのハイエネルギーなものもあれば、腰を反って急に痛くなってギックリ腰だと思って来院したら圧迫骨折だったなんて例もあります。
ハイエネルギーの損傷はレントゲンでも椎体の大きさなどでわかりやすいですが、そうでないものはMRIで確定する事も多かったです。
別件で腰が痛くて来院された高齢者の方のレントゲンで椎体が潰れていたっていうのもあるので、こういうのをいつの間にか骨折って言うんだなと思いました。
圧迫骨折に限らずどの症例でもそうですが、画像診断前の所見である程度あたりをつけるのは大切ですよ。
画像はあくまで答え合わせぐらいに考えておいた方がいいです。
・終わりに
さて、いかがでしたでしょうか?
これらは僕が整形勤務時代に衝撃を受けたというか、実際に就職して印象が変わったり、なんかもやもやした事などの一部をまとめた内容です。
この記事や前回の記事を読んで整形勤務に興味を持つ柔道整復師が増えてくれるといいですね。
この記事も需要があるかは分かりませんが記事全文は無料でおいておきますので、参考になったよ!という方は購入していただけると嬉しいです。
最近僕の子どもがハマりだした恐竜やアンパンマンの購入資金にしたいと思います。
今回は以上です。それではまた!
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