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整形外科勤務のすゝめ 〜整形勤務のメリットを考えてみた〜

どうもこんにちは!
TwitterアカウントDr.K(@drkz21hk)ことキタノ ヒロキです。

お久しぶりの記事ですが、今回は5年間の整形勤務を終えて、今までどんなことを学んできたのかを振り返りながらツイートした内容をまとめてみました。
あくまでも僕の経験した中からですが柔道整復師が整形外科に勤務するメリットをあげたいと思います。
よろしければ最後までお付き合いください!

・はじめに

柔道整復師の基本的な就職先はやはり接骨院や整骨院だと思いますが、柔道整復師に理解のあるDr.のもとへ就職するのも選択肢に入れてもいいと思います。というよりも選択肢に入れれるなら入れるべきだと言い切ります。


なぜならそこにはDr.がいるから。
日本国内において骨折や脱臼の整復が行えるのは医師と柔道整復師のみです。
柔道整復師も許されてはいますが整復後には医師への受診が必要です。
しかし整形外科であればDr.がその場にいますので医師の指示のもと整復が行えます。

そしてDr.がいることでもう一つできることは画像検査です。
これもDr.がいて、放射線技師の方がいればX−PやMRIなどの画像の処方が出ます。エコーでもある程度の観察は可能ですが画像検査には得意不得意があるためMRIとかそういうのが近くにあることはとても助かります。

それでは本題にうつっていきます。

①X~PやMRIなどの画像に強くなれる

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先ほどあげた内容でしたが、Dr.がいることで画像検査もすぐに行っていただけます。
僕の勤務先だったところでは予診をとらせていただけたので、自分がとった所見が実際にX−PやMRIで見ることができたのでとても助かりました。
触った骨の形や出血の状態までわかるので触診技術を磨くには良いと思います。

画像に強くなるにはまずは正常な画像を知ることも大切ですが、あとは正直言って数を見ていくことも必要です。そうすると違和感のようなものを拾えるようになってきます。なので接骨院などよりも圧倒的に数を見ることのできる整形外科は強くなりやすいと思います。

②処方薬に詳しくなりやすい

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外来ではお薬の処方が行われますので、必然的に処方薬の名称や効能を聞くことが多いです。症状に対しての目的やその使い分け、似たような薬がある中で何故その処方なのかなども聞くことができました。

この辺りは整形に勤務中にも助かりますがどちらかといえば整形を離れて独立したときにクライアントの方が処方されているお薬の目的などを予測できます。そうすると施術時の選択肢を間違えにくくなります。医療事故を起こさないためにもここは押さえておきたいところですね。

③色々な紹介状を読むことができる。

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OBの先生からの紹介状やそうでない接骨院からも紹介状が来ますし、他院からの紹介状もあるので色々な紹介状を読むことができました。

その中でも読みやすいものや読みにくいものもあるので、こういう感じで書くとわかりやすいんだというのがよくわかります。書くことはあっても書かれてくることは稀なのでここはメリットとして大きいと思います。

読みやすいというか、わかりやすかった紹介状に共通していたのは何を目的に紹介したのかがハッキリしているものでした。疑わしい疾患の精査なのか、整復後の確認なのかなどです。ここがハッキリしないものはもう一度最初から予診をとることが多かったです。あとは疑わしい疾患に対する検査所見や症状、そうでないものを除外する所見が適度に記載のあるものがわかりやすかったです。

逆にわかりにくいものは、手書きで字が汚いものや所見が多すぎて結局どうしたいのかわからないものが多かったです。

紹介状は医師との連携には欠かせません。多忙なDr.にお時間をいただき読んでいただくものなので、いろんな紹介状を読み経験値を積めるのも助かります。

④OPEやナート処置を見学できる

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これは外来につけたり、OPEの設備がある施設のみにはなりますが柔道整復師にはできない観血的な処置を見学させていただけました。

出てきた血腫や腱、筋、骨などは実際に見ることがあると臨床でもイメージは格段にしやすくなります。実際に何件かOPEの見学をさせていただきましたが、術後のリハビリにしても切開や縫合を実際に見れたのも勉強になります。こういう経験をすると解剖実習にとても興味が出てきます。

⑤リウマチや脊椎関節炎などの鑑別に強くなれる

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接骨院や整骨院の対象疾患を考えてもらえばわかると思いますが、リウマチや脊椎関節炎などは対象ではありません。しかし患者さんは関節が痛かったり腫れたりすれば整形外科でなく接骨院などに最初に行くことがあります。

ここでよく鑑別せずに関節が腫れているからと施術を開始して、よくならないからと患者さんが自分で整形外科を受診しリウマチと診断されたとしたら怖いと思います。そうならないためにもこの手の疾患を鑑別できるかできないかは大きな助けになります。

リウマチや脊椎関節炎などの症状を知っていることも必要ですが、実際にその腫れかたなどを触ったり見たことがあることは強みになります。

⑥フルキャスト固定がしやすい

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整形外科には骨折や脱臼の患者様も来院されるので整復後の固定などもありますが、僕の勤めていた整形では固定は柔道整復師に任せていただけていたので固定を行う機会も多くありました。

現在の方針において接骨院ではフルキャストの施行が難しい状態にあり、シーネやフルキャスト後にカツを入れたりすることが多いです。しかし、整形外科ではDr.のもとに固定や管理が行えるためフルキャストのままで管理が行いやすいです。

循環障害には気をつけながらですが、固定においては腫脹のコントロールのためにも適度な圧迫が必要なためできればカツなども入れたくはありません。フルキャストのまま固定管理が行えるのも大きなメリットだと思います。

⑦Dr.との症例検討が行いやすい

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僕が勤務していた整形外科ではDr.との症例検討会があったり、整復や固定を行なった患者様への処置についてフィードバックをさせていただけていました。

Dr.の症例への見解を聴くことができたり、どういう点に着目したのかを伺えるのは知見を広めるためにもメリットとなります。また、非常勤で来られているDr.にも質問させていただけていたのでこれも良かったと思います。特に手の外科や脊柱の専門医のお話は興味深かったです。   

⑧看護師の業務を見ることができる

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整形には看護師さんがいらっしゃるので、外来についているとその業務も見ることができます。創部の処置やバイタルのとり方などはスポーツ現場や接骨院でも役に立ちますし、清潔や不潔の考え方も外傷を取り扱うなら知っておいたほうがいいと思います。

あとは単純に他職種の業務をみれるというのはとても刺激になります。採血をする時の声かけなども勉強になることもありますし、他職種と連携が取れるということは大きいと思います。

⑨血液検査項目の内容に強くなりやすい

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整形外科では血液検査を行うため、外来で採血された患者様へDr.が検査項目について説明されているのを聞くことができます。検査項目の内容がわかってくると整形外科的テストのみでは説明がつかない症状の患者様への説明にも役立つことがあります。

予診などでなにかすっきりしない手応えの患者様も、採血結果を聞いていると納得することも多々ありました。内科学の範囲もありますが鑑別のためにも知っておいたほうがいいこともあるので、最低限でも知っておくと自分を助けてくれると思います。


・終わりに

さて、いかがでしたか?

あくまで僕が勤務した整形外科での経験からのピックアップになりますが、少しでも整形外科の勤務に興味を持っていただけると嬉しいです。

僕は現在デイサービスと接骨院で勤務していますが、整形外科での経験はとても役に立っています。コンディショニングコーチをしている時に選手が怪我をした時もある程度処置できるようになったりとこちらでも助かっています。

そもそも柔道整復師に理解のあるDr.は残念ながらあまり多くはないので、Dr.のもとで経験を積めることはとても貴重ですし、地域によっては狭き門かもしれませんが是非就職先の選択肢に入れていただけるといいと思います。

それと付け加えておくなら接骨院の勤務が良くないと言っているわけではありません。接骨院勤務には接骨院勤務の良さがありますし、整形よりもすごいような接骨院があるのも事実です。

需要があるかは分かりませんが記事全文は無料でおいておきますので、参考になったよ!という方は購入していただけると嬉しいです。最近僕の子どもがハマりだした恐竜やアンパンマンの購入資金にしたいと思います。

今回は以上です。それではまた!

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