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オリンピックを見ながらスポーツを8+1つに分類してみた

夏季オリンピックの競技数は「33競技339種目」と発表されていますが、「誰がどう戦い、どう勝敗がつくか」に着目すると、大きく9つに分類できそうだ、という話です。

私は「情報を整理・分類して分かりやすくすること」を仕事にしているため、普段から「一見するとあまり似ていないコレとアレは、この観点で見ると同じカテゴリーに分類できるな」みたいなことを考えています。

最近、東京オリンピックのテレビ中継で普段見ない競技を見ていて「この競技は初めて見るけど、見たことのあるあの競技と同じような理屈で勝敗がつくんだな」という発見がありました。さらに他の競技についても「どれとどれは似ている」と連想を広げてたり、既存の分類を調べたりしていった結果、およそ全競技、ひいては全スポーツがどれかに当てはまりそうな8+1つのカテゴリーができました。

1. ゴール地点に向かって一斉に走る
2. 試技をして数値を競う
3. 演技を見せて採点してもらう
4. 的を狙う
5. 目の前の相手を倒す
6. 敵チームのゴールエリアにボールを入れる
7. ネット越しに打ち合う
8. 打って走って守る
9. 上記の組み合わせ

  1. ゴール地点に向かって一斉に走る

  2. 試技をして数値を競う

  3. 演技を見せて採点してもらう

  4. 的を狙う

  5. 目の前の相手を倒す

  6. 敵チームのゴールエリアにボールを入れる

  7. ネット越しに打ち合う

  8. 打って走って守る

  9. 上記の組み合わせ

各カテゴリーについて、もう少し詳しく説明していきます。

1. ゴール地点に向かって一斉に走る

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いわゆる「競走」です。陸上のトラック種目(100メートル競走など)やマラソンを筆頭に、競泳や自転車、セーリングなど、多くの種目が当てはまります。

基本的なルールは

1. スタート地点とゴール地点、その間の通り道が決まっている
2. 複数人で一斉にスタート地点から出発する
3. ゴール地点にたどり着いた着順で勝敗が決まる

という感じですね。

おそらく人類史上最も古くからある競技なんじゃないかと思います。また、走り方や走る場所・距離によって、無限にバリエーションがあるのが、このカテゴリーの特徴です。

2. 試技をして測定数値を競う

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陸上の跳躍・投擲種目と、ウエイトリフティングなど、

一人ずつ試技(課題に挑戦すること)をして、誰が最も良い数値を出せるか

を競う種目です。

競技の進行の点で、さらに

・決められた課題に挑戦して、最も高い数値を出した人が勝利(投擲、幅跳びなど)
・少しずつ難度が上がっていく課題に挑戦し続け、失敗したら脱落、最後まで残った人の勝利(高跳び、重量挙げなど)

の2つに分類できます。

当てはまる種目数は多くありませんが、大半が古代オリンピックの頃からある歴史の長い競技ですね。

3. 演技を見せて採点してもらう

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器械体操や新体操、トランポリンに加え、アーティスティックスイミング(シンクロ)や飛込、今回新しく登場したスケートボードやBMXフリースタイル、空手の形などが当てはまります。夏季オリンピックの競技ではありませんが、フィギュアスケートもそうですね。

一人(一チーム)ずつ演技を見せ、一定の基準に従って採点され、その点数を競う

というのが共通するルールです。

披露する技の難易度や姿勢の美しさなどにあわせて点数が変わります。繊細な身体操作が得意なせいか、日本代表が強い種目が多いですね。

競技の進行は「試技をして数値を競う」と似ていますが、競う点数が重量や距離などの「測定された数値」ではなく、審査員(採点担当者)の判断を介した点数になるのが大きな違いです。

各競技それぞれに独特の採点基準があるため、競技を見慣れていないと、何がどう評価されて得点に繋がるのかが分かりにくいのですが、その分ハマるほどに楽しめる競技が多そうです。

4. 的を狙う

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アーチェリーや射撃競技など、

的を狙って、小さな物体を射出する

タイプの競技です。先ほど挙げた2つとは少し趣が異なりますが、ゴルフもこのカテゴリーに入れました。夏季オリンピック外だと、他にカーリング、ボッチャ、ダーツ、ボウリングも当てはまります。

種目によって

・大きな的の、より中心に近い場所に当てるほど高得点
・複数ある的に何個当てられるか
・的に当たるまでに打った回数の少なさを競う

などルールは異なりますが、「正確に当てる」ことが求められるのが全体に共通する要件になります。

他のカテゴリーに比べて、体力をあまり求められないため、アマチュアレベルであれば年齢を重ねても楽しみ続けられる競技が多いのがこのカテゴリーの特徴です。

「順位を競う」か「1対1で勝つ」か

さて、ここまでの4カテゴリーは

大勢で一緒に競い合って、順位を決める

という形式が主でしたが、次の4つは

1対1で戦って、相手に勝つ

形式で一つ一つの試合が進行します。

競技全体の進行としては、トーナメント(勝ち抜き)方式で競技が進行し、最後まで勝ち残った人(チーム)が優勝、という形式がほとんどです。

5. 目の前の相手を倒す

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いわゆる「武道・格闘技」の仲間です。日本のメダルラッシュに沸いた柔道にレスリングの他、ボクシングやフェンシング、テコンドー、今回新しく登場した空手(組手)などが当てはまります。オリンピック競技外だと相撲や総合格闘技もありますね。

狭めの競技エリアの中で、選手が1対1で向かい合い、お互いの身体に対して攻防を繰り広げる

という形で競技が進行します。

たいていの場合、

・自分の攻撃が相手に特定の形で当たる(空手、フェンシング)
・相手を特定の状態に追い込む(柔道、レスリング)

のどちらかで得点が加算され、

・得点が一定に達する(一本、フォール勝ち)
・時間内により多くの点を取る

のどちらかで勝敗が決まります。

体重別階級制(体重が近い選手どうしで対戦する制度)が導入されている競技が多いのがこのカテゴリーの特徴です。

6. 敵チームのゴールエリアにボールを入れる

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サッカーとバスケットボールが分かりやすいですね。他にラグビーやフィールドホッケー、ハンドボール、水球、ラクロスが当てはまります。夏季オリンピック外だとアイスホッケーやポロもありますね。

競技の進行は

・広めの競技エリアの両端に、対戦する2チームそれぞれの「ゴールエリア」がある
・一つのボールを奪い合いながら、そのボールを相手チームのゴールエリアに入れることを目指す

得点・勝利条件は

・ボールを相手ゴールに入れると得点が加算される
・時間内により多く得点を取ったチームが勝利

という感じでしょうか。

試合時間が比較的長く、また「前半/後半」のように複数に区切られていることが多いのもこのカテゴリーの特徴です。

戦況や勝敗が分かりやすく、競技時間もほぼ決まっていて、TV放送での観戦と相性が良いため、プロスポーツとして確立している競技が多いカテゴリーです。

7. ネット越しに打ち合う

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テニス、卓球、バドミントン、バレーボール、ビーチバレーです。

・ネットで2つに区切られた競技エリアのそれぞれが対戦する2チームの「自分の陣地」になる
・「ネット越しに飛んできたボールを、相手陣地に打ち返し続ける」ことを目指す

というのが競技の基本的な進行です。

得点・勝利条件は

・「打ち合いの継続に失敗」すると、相手チームに得点が加算される
・先に一定の得点をしたチームが勝利

ですね。

得点が多層構造になっているのが、このカテゴリーの大きな特徴です。たとえば卓球は「11点獲得すると1ゲーム獲得→3ゲーム獲得すると試合に勝利」という二重構造です。テニスはもう一つ階層が増えます。このため、見慣れていないとどちらがどれくらい勝っているのか分かりづらいことも多いと思います。

また「ミスすると相手が得点」というルールの性質上、互いにミスの少ない上位チームどうしの対戦になると、試合時間が長くなりがちなのも特徴のひとつです。

8. 打って走って守る

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野球とソフトボールです。

ルールは多層的で複雑なので、ここでは本当にざっくりとしか説明できませんが、

・対戦する2チームが攻撃と守備に分かれる
・攻撃側は「ボールを打ち、設置された4つのベースを順に踏んで1周する」と得点
・一定条件で攻守を交代し、攻守交代を一定回数すると試合終了、得点の多い方が勝利

という感じです。

大量得点・大逆転が比較的起きやすく、エンターテイメント性に優れているため、特に野球は日本やアメリカで1・2位を争う人気スポーツになっています。

このカテゴリーで一般的に知られている競技は、他にクリケットとキックベースくらいで、似た競技が非常に少ないのもこのカテゴリーの特徴です。

9. 上記の組み合わせ

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最後は単純に、上記1-8のどれかの組み合わせです。陸上の十種競技や、近代五種など、異なる種類の種目の組み合わせで行われるものは、どれか一つのカテゴリーには分類できないので、最後にこのカテゴリーを作りました。

おわりに

以上、夏季オリンピック競技種目を中心に、スポーツを9つのカテゴリーに分類してみました。

東京オリンピックはもう終了しましたが、これから始まるパラリンピックや来年以降のオリパラ、その他スポーツを見たり参加したりする際に、「どのカテゴリーに入るんだろう」と少し考えてみると面白いかもしれません。

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