課題を抱える子ども・家庭を孤立化させない。今らしい社会とのつながり方の再構築。
子どもを取り巻く環境と社会問題は年々深刻になっています。貧困や教育格差、虐待、家庭や学校からの孤立、ヤングケアラー、子どもの自殺、望まない妊娠、不登校、引きこもり等々…。すべての子どもたちが健やかに希望がもてる社会の実現という思いとはうらはらに、ますます複雑化しているのが、子どもならびに子育てにおける社会問題です。
問題がより複雑化、重症化してしまう一つの要因として、家庭内で起きる課題は外から把握がしづらく、早い段階での支援が入りにくいという現状があります。また子どもは成長段階や進級進学に応じて過ごす場所も変化していきますし、それに合わせてニーズが変化していくのも特徴としてあり、切れ目のない支援が必要と言われるのは、それが所以です。
そんななかで、子どもや子育て家庭に早い段階で(なかには生まれる前の妊娠期から)アプローチをしているのが子育て支援の領域です。かものはしプロジェクトは2019年から日本国内で若年妊産婦の支援を始めました。イタリア発祥の社会に開いた教育理念、レッジョエミリアを実践する「まちの保育園」は地域の人に見守られながら子育てすることを実践。病児保育で有名なフローレンスは現在、赤ちゃんがいる家庭に物資を届けながら親子をそっと見守るアウトリーチ事業もおこなっています。
全てに共通するのは、問題が起きてから対処するのではなく、社会とのつながりを持つことで、親を孤立させないこと。ちょっと困ったときに「助けて」がいえる環境を用意するというのが特徴的です。それを聞くと、「昔ながらのご近所づきあい」を連想されるかもしれません。しかし、現代の都市部でその「ご近所づきあい」をするのは、ライフスタイルの変化もあり、現実的ではなく、今の暮らし・環境にあった家庭と社会とのつながり方を考えていく必要があります。
こうしたソーシャルキャピタル(社会関係資本)を厚くするという考え方や手法は、他のあらゆる社会問題の解決にもつながるのではないでしょうか。10月10日のクロストークライブは、いまの事業に至る背景なども詳しくお伺いできると思います。ぜひお越しください。
▼2024/10/10(木)19:00〜@NPO法人ETIC.オフィス(東京・渋谷)
『子どもを育む大人を支える仕事』
<ゲスト>
・NPO法人フローレンス
・ナチュラルスマイルジャパン株式会社
・NPO法人かものはしプロジェクト