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【バグすらも愛おしい。】『真・三國無双8』を60時間近くやってみた感想の話

発売から1年以上が経過し、今なおアップデートが行われている現在の状態で『真・三國無双8』(Steam版)を初めてプレイした感想を途中経過でちびちびと語ろうと思う。

 現時点のプレイ進度
 【クリア済】:曹丕、曹丕(IF)、満寵、孫堅
 【現在進行中】:曹操、関羽

 ちなみに筆者の無双歴は戦国無双のみである。(戦国無双4、4-2、4エンパ)
 三國無双は今作が初で、事前に『真・三國無双 斬』を触った程度の知識しか持ち合わせていなかった。

 以下から感想になる。
 マイナス点も多数挙げているが、許容できる範囲での好きなところしか喋っていないので笑ってスルーしていただけると助かる。

①キャラクターデザイン・衣装

 8からの新キャラは、プレイしながら調べるまで誰が新キャラか分からなかったくらい、既存のキャラと上手くかみ合っていたので違和感が無かったのが嬉しい。
 ただ、イベントによっては登場回数が目に見えて多いので、逆に既存キャラの出番が引っ込んでしまったりと「新キャラのゴリ押し」に取れなくもなかったかな…と思うところは(仕方ないとはいえ)ややあった。

 序盤は魏軍勢をメインにプレイしていたので特に曹休や満寵にスポットがあたっており、曹丕IFでも大変好感が持てた。
 満寵のEDが好きだ。

 既存のキャラに関しては「呂布はこんなに脳筋肉だったっけ…」と思うくらい「戦え」しか喋っていない印象が強かったのは何故だろう…
 あと曹操がダークヒーロー感がなく、「王道の覇者」感があるのが意外だった。

 無双はナンバリングが新しくなるたびに新しい衣装を出してくれるのが嬉しくて今回の8の衣装にも文句は全くない。むしろすごい。
 あえて言うなら
 ・礼装システムがあるなら前作衣装等でもプレイしたかった…
 ・曹丕のIFクリア衣装がじわじわくる
 だろうか…


②ストーリー・イベント

 勢力別に年表に沿って章でストーリーを進めるのは予想はついたが、「全キャラのエンディングがある」のがすごい。
 ただ、90人近く居るので、死亡の早いキャラだと章の途中でぶつ切りの形でエンディングに突入したり、エンディングに入っても内容があっさり終わるキャラも居たりと展開が激しいのは致し方ないか。

 人数の影響といえば所々の大きなイベント等がサイレントに終わっていたり、会話シーンで終了するのもあった。
 特に史実上のキャラ死亡の扱いがあっさりしており、何も言わずに途中退場で居なくなるキャラも居れば、曹操のような君主キャラが「御崩御!」の伝令の台詞のみで退場していたりとほぼギャグ寄りになってしまっていた。

 一番笑ったのは「曹丕が魏帝に就いてから『御崩御!』台詞を聞くまでのプレイ時間が約1時間」だったことだろうか。
 本来だとこの間6年掛かっているはずの時間が高圧圧縮されているのである。

 早い。早すぎるぜ。嘘みたいだろ。死んでるんだぜこれ。


 ストーリーが圧縮されているので全体的に「超高速三国志」なのである。

 ストーリーの進行方法は基本「主要任務(メインストーリー)のクリア」のみの為、サブ任務(サブストーリー)を飛ばすと本気で話が分からなくなる。
 サブ任務を真面目にやっていても、三國無双及び三国志をあまり触っていない筆者は尚更であった。

 大体の勢力図と相関図が分かったかな…くらいに差し掛かったところで強制的にキャラ別エンディングに入るので、泣きながらキャラを変えてプレイ続行である。

 DLCでIFストーリーが別に存在する武将に関してはBGMから何から何までノリノリ進行だったので大変スッキリした。ありがとう…ありがとう…


③戦闘・武器システム・AI

 ゲーム全体の処理が時々重いので、下手すると「無印のDOD並か?」というくらい重くなることもある。
 軽々サクサクヌルヌル動く無双も好きだが、こちらはこちらで(処理落ちのせいとはいえ)重厚感が出るので筆者は好きである。

 戦闘中でも難易度をオプションから変えられるのは大変助かる仕様だった。
 敵がなんか弱いな? と思ったら難易度を上げればいいし、逆にボスや強敵相手だったら下げるなど、自分で微調整できるのが楽だ。

 ただ、難易度を変えても雑兵や敵の防御力が上がるだけで、AIが賢くなったり積極的に襲ってくるとかはほぼ無いのが寂しい…
 一方的にぼこぼこやってればすぐに1000人斬りができるので推し武将の「私こそ真の三國無双!」を沢山聞きたいのならこれはこれでアリかと。

 戦闘コマンドは簡易化されていて、チャージ攻撃や神速がごっそり無くなった分、コンボコマンドが出しやすくなっていたのが嬉しい。
 まあキャラごとの個性は少し減ってはしまうが、今まで空中技等出せなかったので今作でさくさく打てる。楽しい。

 また、オープンワールドマップの利用で、敵武将の撃破方法が自由なのも楽しい点だ。
 例えば真正面から城門を通って城に侵入せずとも、鉤縄で城壁をよじ登って敵の背後から侵入や奇襲の攻略ができる。
 道中の雑兵や武将を無視して総大将に殴り込みに行く戦法はせこい以外の何でもないが、ゴリ押し戦法に馴れているとこれはこれで楽しい。完全に別ゲーである。

 武器はどんな形状でも全員が好きに装備が出来るフリーダムシステムだ。
 基本は素材と竹簡(製作図アイテム)を集めて「強い武器作っていこうね!」のようなシステムのスタンスを感じるが、1周年記念でチュートリアルから配布してくれる「祝賀槍」がずば抜けて強すぎて、それを装備させてしまうと新しく作る必要性を……感じない……(モーションも笑えるのでますます手放せない)

 よく使う武将の得意武器の一番強いのを作って満足してしまった。すまない。

 雑兵や敵のAIが賢くないと挙げたが、護衛武将に付けた武将も時々謎の行動をして噴いた事がある。
 例えば、船着き場で釣りをしていると、自分の後ろで待っている筈の武将が何故か海に飛び込んで目の前を泳いでどこかに行ってしまうのがあった。
 しかしカメラ視線を外して後ろを振り向くとちゃんとそこにいる。
 どうやって帰ってきた。ホラーだ。

 それはともかく、護衛として武将以外に捕獲した動物(支援獣)も戦闘に連れていけるのは大変楽しい。
 筆者が最初に仲間にできたのは熊だった。
 後ろに続いて熊の尻がついてくるのがかわいい。(ちゃんと役に立つのもすごい)

(本命のパンダを捕まえようと罠を設置するも、この後鳩が捕まった図)


④オープンワールド(とバグについて)

 一番感想が長くなる項目だと思われる。

 「三國時代の中国をオープンワールドマップにする」という企画に「誰がゴーサイン出したんだ」という程最高にキツイ要素でもあり最高に面白い要素をありがとうコー○ー……(褒めてる)

 どの方面に街や居城がある、何の勢力がいる、武将は主にどこまで東奔西走したのかを追体験できたのが分かりやすかったのが一番の利点ではなかろうか。

 ただ、さすが中国。開拓すれば各地にワープ可能なチェックポイントは点在するものの、普通に歩きか馬かで行こうものなら街から街までの間が遠い。街や拠点によってはマップの果てまで走らされるのだ。

 例えば攻略サイトの情報から「万里の長城あるじゃん! 行ってみよう!」と意気込んで行ってみたら未開拓マップの果ての果てまで飛ばされちょっとした迷子に。
 その分到達したときの達成感はあったし、オープンワールド故のゆったりプチバーチャル観光ができたのはよかった。
 勿論フォトモードも遊び倒しまくった。

 (ゆったり観光とはいえ、この間でも後ろで戦局はちゃんと動いているので「○○敗走!」のテロップはばんばん表示されるし、この画像の足元にも強敵が縄張りしていて動くに動けない。平穏なんてなかったんや…)

 思えば、従来の無双は敵の草刈りに忙しいので立ち止まることはほぼ皆無の為、今作のように「好きな武将で好きなところを廻ったり、観光したり、釣り・狩猟をする」のはこれはこれで新しいし、楽しい要素だ。

 何だろう。「主人公を既存武将にして自由度を更に上げたエンパ」と例えるべきなのか何なのか。
 建設要素のないマイクラみたいな……駄目だ、例えづらい。

 しかしこれだけを考えると「全部オープンワールドにする必要はあった?」の疑問に衝突してしまうのでこの話はやめよう。

 画面は画質を最低設定にしていても十分綺麗。
 その代り、その画質処理せいか、ムービーや城や街のマップなどの負荷がかかりやすい場面に入るとロードが長い…
 ロードが明けてもカクつきがすごい…
 PCが唸る音を立ててファンが爆速で回る…
 下手するとロード中にも落ちる…

 おそらくテクスチャとマップ生成に時間とCPUを食っている模様。

 ムービーの筈が何もない空を映したまま謎のフリーズをしたり、

 処理が限界になってくるとこんなクリスタルタワーみたいな型崩れバグも生成される。
 バグまで綺麗なのがちょっと悔しい。

 ここまでくると次の瞬間にゲームが落ちるので大体強制終了を喰らう。
 基本オートセーブのゲームなので、手動でセーブして再起動処置しない限り、落ちるタイミングが悪いとデータが破損して1時間前のデータまで戻されることもしばしば。

 このバグ、日常茶飯事である。

 ひどいとこのバグのせいで出来ない任務があったりと割と笑い事ではなかったりする。武将よりもバグが強い。PCにダイレクトアタックしてくるのだから。

 PCだから限界になれば勝手に強制終了するものの、PS4だった場合どうなっているのだろうか……不思議でたまらない。

 型崩れしなくともこのような画面になることもある。惜しい。

 これら以外にも、「キャラよりもバグが多い」と言われる程色々笑ってしまうバグが多数存在する。
 キリがないのでここでは割愛したい。


⑤まとめ

 書けば書くほどゲーム設計に笑ってしまうが、この状態のゲームでも一度起動すると落ちるまで辞め時が分からなくなる程楽しめたので個人的には「アタリ」であった。
 (過去作を知らないからという補正もあるかもしれないが)

「色々なキャラでオープンワールドを遊ぶ」よりも「特定のキャラに絞ってオープンワールドを遊ぶ」のが好きな人向けの遊び方だと思う。



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