線画の話。
普段はモノクロ落書き、時々カラー絵を描いている人です。
線画と言えば「ラフ→下書き→清書」で進めるものが普通とは思いますが、自分の場合はモノクロでもカラーでも「ラフ(=下書き)→清書(ラフを削る)」という、工程をかなり短縮した描き方をしています。
極端な作例ですが、このような最初のラフを直接消しゴムで削りながら、
こんな感じの線画を作り、
上のような絵を描いています。(これは創作絵)
塗りの段階でも、同時進行でかなりいきあたりばったりで修正していくこともある為、自分でも見直しする用に今回はヘッダーの絵を例にメモの形で記録に残すことにしました。
個人的メモ用の解説なのでほとんどメイキングにはなりませんが、もし何かの参考になれば幸いです。
【参考】
「うしおととら」の藤田和日郎先生が、ペン入れでこの描き方をしていたのを見て始めたのがきっかけでした。
アナログ環境下のつけペン・修正液で直接書き足しをしている作業風景が以下リンク内動画に上がっています。ご興味があれば是非。
今回の使用絵(二次創作)。趣味絵からなので線は荒めです。
※使用ソフト:SAI
1.ラフ~下書き
バランスなど気にせず、一番描きたいものをまずざくざく描きます。
(本来は一番最初の画像のような荒いラフから入ります。今回はその部分のデータが残っていなかったので、描きながらわずかに整えた下書き状態から載せています。)
整える際は新しいレイヤーは準備せず、ラフを直接消しゴムで削っていきます。目の部分のみレイヤー分けをしているくらいなので、実質レイヤー1~2枚での作業です。
後で描きながら修正する前提で、ある程度自分が分かるくらいで止めます。
2.黒ベタ
モノクロ絵なので黒いところを全て塗りつぶしていきます。
前景の頭はラフは描かずに直接黒丸のシルエットを描いて、手と髪の毛を描き足しています。(手は消しゴムで削ってから整えています)
今回の絵の中にはありませんが、上着の袖の中など、暗い影ができる部分も黒で塗りつぶしてしまいます。
ちなみに白髪を描く際は一度黒ベタで真っ黒髪にしてから削って白くすることもあります。(髪型のシルエットが決まらない際など。)
3.修正
①額・横顔が大きい、②鼻が高い、②目と目周りの髪の線が荒い
の3点が気になったので上から直接弄ります。
今回は髪部分の塗りつぶしを追加しながら、目を少し描きなおしています。
前の画像より伏せ目っぽくなったと思います。
余裕があれば腕などの線も細く削っていいのですが、今回は省略。
4.影~完成
画面がさみしかったのでざっくりと逆光影を入れて終わりです。
描いている絵によっては、この段階でも顔回りに縮小ツールで弄って修正することもあります。
今回は修正箇所が少なかったですね。
鉛筆画や木炭画のように「形(シルエット)を削り出す」「描きながら修正する」描き方になるので、描くものなどによっては、下書きをなぞって清書するより時間が掛かることもあります。
自分の場合は清書すると「下書きの線の方が線が生きてた…」と自分の線をなぞって整えるのが下手なのが分かったので、こちらの描き方を取っています。
清書すると線を綺麗にするのに精いっぱいで、線が硬くなるのが敗因だった模様。
こちらの方法だとラフ~下書きの線を直接削り出して理想の線を作る為、頭に最初に浮かんだイメージ通りの絵を作るのが容易になりました。
ただ、(作風にも寄りますが)線を細く削り出さない限りは、繊細な塗りやスクリーンショット風のアニメ塗りなどには向かない線になりますのでご注意。
今はこの描き方が一番楽しく描けるので続けていますが、何か他に効率がよさそうな描き方があればそちらに移行するかもしれません。
その時はまた別の記事で備忘録に残すと思います。