追い越し車線で後ろから追いつくのはあおり運転?
こんばんは、Dr FJです。
今日は、表題の件について私が思うことを書いてみたいと思います。なお、最初に申し上げておきますが『法定速度を超えて走行しろ』ということでは決してありませんからね。ルールを守るのは本テーマとは別次元に大事なことです。
令和2(2020)年6月30日に「あおり運転」を取り締まる「妨害運転罪」が創設されました。これにより、違反1回で免許取消処分となり、最長5年懲役刑や罰金など厳しい罰則が科されます。
このこと自体は非常に良いことだと思っています。あおり運転によって命を落とされた方も何人もいますし、ハンドルを握ると人が変わったように強気になる人もいます。私自身もそういう車に後ろに付かれて慌てて道を譲ったことも何度もありますし、中にはパッシングをしてきたりしてかなり攻撃的なドライバーだなぁと恐怖を覚えたこともあります。車内を縄張り空間と考えたり敵意帰属というような認知のゆがみによってそうなるという話もありますが、これには強い自制が必要なのは言うまでもないことでしょう。
なのですが…他方で、追い越し車線を法定速度より遅い速度でずっと走り続ける結果、後ろに大渋滞を引き起こす車はそれはそれで困った存在と言えます。周囲に目を配って自分が他の人の邪魔になっていないかを確認し、走行速度が自分より速い車には道を譲ってあげるべきなのかなと思います。『相手の気持ちを考える』ことは、ゆっくり走る人に対してだけではなく、速く走る人に対しても同様に発現すべきなのかなと思うのです。ゆっくりな人に配慮するあまり、それにみんなが合わせる結果、速く進む可能性をつぶしてしまうんじゃないかなと、日本人によくありがちな悪平等、横並び思想なのかなと思ってしまいます。
同様のことは他にもいろんな場面で遭遇します。日本ではいまだに優秀な子も飛び級はほとんどの大学で行われていませんし、新入社員の待遇も横並びです。医者の世界でも大きな病院に務めていれば給与は医師になって何年経ったかで決まる完全な年功序列がまかり通っています。
でも…これってホントにみんなのためになるんでしょうか?横並びにすれば平均レベルの人、あるいはそれより劣る人たちの留飲が下がるとは思いますが、そんなことをするくらいなら優秀な人にはとことん先に行ってもらって大きく育っていただき、たくさん仕事をして稼いで税金をがっぽり払ってもらったらよいと思うのです。欧米の企業のCEOの給与が天文学的数字だと非難されることもありますが、あれはそれだけ出来る人間の意思決定に価値があり、生み出す富の量を大きく左右するからそうなっているのです。それに『不公平だ!!』という声を浴びせがちなのがわが国なのですが、どうせなら優秀な人を上から抑えるのではなく徹底的に成長していただいて国家のために働いていただくのが良いと思うのです。
最近、医学部にぶっちぎりの成績で入学したあるお医者さんのご子息の話を聞きました。その子は小学生の頃から別格の出来で、小学校3年生時には公文の中学3年生のカリキュラムを終了していたという逸材だったとのことです。そんな子でも、同級生がそこまで上がってくるまで足踏みしてから上の階段に上がるという現実。速い速度で伸びていく子には、専用の高速レーンを用意してあげてもいいのかなと思ってしまいますね。
まとめ
あおり運転を取り締まる「妨害運転罪」ができた。
危険な運転や法律を破る速度での走行は論外だが、中には逆に追い越し車線であるにもかかわらずゆっくり走って後続が大渋滞しているということもしばしば見る。
早く進めない人に対する配慮は必要だが、逆に人より早く進む人、人より早くできるようになった優秀な人にも同じように配慮し、存分にその能力を発揮してもらった方が結局回りまわってみんなのためになるのではないだろうか?