日本版S&P 500のJPXプライム150指数についてメモ
JPXプライム150指数開発のねらい
日本の株式市場では日経平均やTOPIXといった株価指数が長年に渡って使われてきました。
一方で、最近の投資背景を踏まえ、2023年7月から「JPXプライム150指数」という新しい指標がJPXから運用開始されました。日本取引所(JPX)のサイトに、この背景について記載されています。
資本収益性(ROEとエクイティ・スプレッド)と市場評価(PBR)の観点で銘柄が選定されています。
具体的な選定方法は以下のとおりです
配布資料から、PBR・ROE・売上高成長率・EPSのベンチマークをS&P 500やSTOXX Europe 600にしていることがわかります。
JPXプライム150に含まれない主要銘柄
選定基準が資本収益性、及び、市場評価としているため、トヨタやメガバンクはJPXプライム150に含まれていません(最新の選定は2023年5月) 。
トヨタ自動車(7203)の場合、PBRが1未満だったため、除外されました(2023年年末時点では1.10)。
銀行株もPBRの観点からJPXプライム150には含まれていません。2023年末のPBRを確認すると、三菱UFJ(8306)が0.79、三井住友F(8309)が0.67です。
結果的に、JPXプライム150とTOPIXのウェイト上位銘柄は大きく異なります。
『現在の株式市場はPBR1倍割れ企業の経営改革や国内景気の持ち直しを期待する大きな流れになっているとし、「そうした市場や企業の変化に対する期待値が反映されない指数になっている」』という声もあります(参考 2023/08/03)。
パフォーマンス
日本取引所グループはTOPIXとJPXプライム150指数の資産モデルに基づくパフォーマンスも公開しています。長期的には、JPXプライム150がTOPIXを上回ることを期待できます。
対TOPIXのトラッキングエラーは3.2%とアグレッシブです。
JPXプライム150連動商品
大和アセットマネジメントがJPXプライム150と連動対象とする初めてのETF
「 iFreeETF JPXプライム150(2017)」が2024/01/24に上場します。信託報酬は0.16%と良心的です。
投信の誕生も待ち遠しいです。