【徹底解説】アドバンスでも活躍できる!!赤緑アポロヌス
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はじめに
皆さんこんにちは、初めましての方は初めまして。
DMPの札剣と申します。普段はリモート・ネット大会や地元のCSなどを中心に、細々と活動しています。
今回は私が4月下旬から約1ヶ月に渡り調整してきたアドバンスフォーマットでの【赤緑アポロヌス】の解説となります。
世間的には【赤単我我我】や【JO退化】に一歩及ばないとされTier3に分類されることの多い【赤緑アポロヌス】ですが、実際にはこれらTier1にも劣らない速度やメタへの耐性といった高いポテンシャルもあり、十分な差別化が可能です。
個人的にかなりオススメできるデッキだと思っているので、ぜひこの記事を読んで興味を持っていただけたら幸いです。
主な戦績
4/16 vault大会優勝
4/17 DM出羽CS 本戦一没
4/25 ZweiLanceのDM大学 アドバンスチーム戦 準優勝(個人成績 3-3)
4/27 vault大会準優勝
5/2 vault大会準優勝
5/25 ZweiLanceのDM大学 アドバンスミニトーナメント 優勝
5/28 霧鮫龍基地CS 4位
5/29 vault大会ベスト4(追記)
6/5 ZweiLanceのDM大学 アドバンス大会 優勝(追記)
デッキリスト
現在の構築
霧鮫龍基地CSさんのTwitterでも公開されているので再掲になります。
解説
デッキコンセプト
従来の最速3ターンキルを重視する構築とは異なり、《ベイB セガーレ》をトリガーケアとして運用しながらの安定4ターンキルを目指します。
これによって【赤単我我我】や【赤黒緑JO退化】ですら貫通できないことのある【4cドラグナー】の《ドラゴンズ・サイン》を着地以前にケアすることができ、受ける側の要求値を大幅に上げることが可能です。
また、進化クリーチャーを多めに採用していることと緑の枚数がやや少ないことが特徴ですが、それについては後々詳しく解説します。
採用カード
《ヘルコプ太の心絵》、《ストリエ雷鬼の巻》
1コストのタマシード群。手札を整える役割もあるため、文句なしのフル採用。
これを1ターン目にプレイできるかどうかで勝率が大きく変わります。
ストリエは手札を減らしてしまうので、可能ならヘルコプ太の方を優先的にプレイするようにしましょう。
《ベイB セガーレ》
このデッキの核その1。
【赤単我我我】や【JO退化】のような同速のデッキには後手を捲るメタカードとして、【4cドラグナー】や【5cコントロール】のようなこちらの攻撃を受けに来るデッキにはトリガーケアとして運用するため、ほとんど全対面で使います。
1コストで3~4マナ時に後述のスター進化クリーチャーたちとくっつくため、自分の動きを阻害しないのが非常に強力です。手札に余裕がある場合は2体並べて走ることも珍しくないため4枚採用しています。
《オンソク童子〈ターボ.鬼〉》
最軽量の侵略元かつ手札交換を行えるルーター。
パーツや後続のサーチカードが引けていない時には、ヘルコプ太でレッドゾーンより優先して回収することもあります。
効果の性質上禁断やレッドゾーンXとの相性がべらぼうに良いこと、アポロヌスで走った後のトップSAや追加打点としても重宝することから最大枚数採りました。
《ジャスミンの地版》
3種類目の軽量タマシード。
2→4のマナカーブから3t目にオンソクを進化して引いてきた設計図を撃つプレイはよくありますし、後手ならセガーレ+カチコミで一気に走ることも可能です。
通常この枠は《冒険妖精ポレコ》と選択になりますが、オンソクとカチコミをより強く使いたかったこと、両方回してみたら思った以上にポレコのカードパワーが低かったことなどから今回はこちらを4枚採用しています。
《進化設計図》
最強のサーチカードにしてドローソース。
進化クリーチャーを多く採用している理由であり、進化14枚の時の期待値が約2.15枚である(らしい)のに対しこちらのデッキは進化を18枚採用しているため、禁断の圧縮の影響もあって3枚回収、4枚回収がバンバン決まります。
2コスで4枚採用できてトリガー付きの《ストリーミング・シェイパー》が弱いわけありません。何なら上振れれば全回収時の《デビル・ドレーン》にすらなります。
手札が明確に増えるカードは採用圏内にこれしか存在しないため、絶対に4枚確定です。殿堂しないでくれ、マジで。
《カチコミ入道〈バトライ.鬼〉》
このデッキの核その2。
バトル効果が強力で、メタクリをどかしたり走る前の露払いができたりします。
ドラグナー対面ではトリガーしたロージアを確実に焼くために栄光ルピアとバトルすることも多いです。
アポロヌスの侵略元をこれしか採用していないので、当たり前に4枚確定。
《轟く侵略 レッドゾーン》
アポロヌスと同時に侵略宣言し、メテオバーンの頭数になりながらトリガーケアをする役割のカードです。
レッドゾーンの強みは破壊が全体効果な点で、万が一ロージアを3枚踏んだりザーディクリカが連鎖したりしても、その先が繋がらなければ全て焼き払って貫通することができます。複数枚同時に侵略したいのと2ターン目にオンソクから走らせるプランも太く取っておきたいため、今回は4枚フルで採用しています。
《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》
このデッキの核その3。
このデッキの全てはこいつを走らせてそのまま勝つためにあると言っても過言ではありません。
種族がフェニックスなため、出しても禁断の封印が剥がれないことは必ず抑えておきましょう。基本は不便なポイントですが、たまに禁断解放の負け筋をケアするために使うことがあります。
このカード=このデッキそのものなので、当然フル採用です。
《禁断の轟速 レッドゾーンX》
役割はレッドゾーンと同じですが、レッドゾーンの5、6枚目ではありません。
こちらの強みは主に①封印による墓地利用を封じた確定除去、②禁断、オンソクとのデッキ単位での噛み合いの良さの二つが挙げられます。
まず①に関して、Xの除去はレッドゾーンと異なり対象を選ぶため確実に狙った相手を仕留めることが可能です。X→レッドゾーンの順で効果を解決することで、相手の場に複数のクリーチャーがいても両方の効果を必要な相手に的確に当てることができます。
そして②の強み。レッドゾーンXは墓地から侵略ができるため、禁断の封印から落ちればその瞬間侵略札が+1、オンソクから捨てれば手札が実質+1になります。また、アポロヌスのメテオバーンで優先的に墓地に送ることで、横の打点や次のターン以降に再利用することも狙えます。
これがレッドゾーンXを採用している大きな理由です。多色ですが1枚絡むだけでかなり器用に立ち回れるようになるため、今回は2枚の採用にしています。
《斬斬人形コダマンマGS》
侵略元となるスター進化クリーチャーの進化元の13枚目で、唯一の受け札です。
類似する効果を持つタマシードとして《シブキ将鬼の巻》がありますが、回す過程で思った以上にコダマンマGSの1打点が勝利に直結する試合があったためこちらを採用しています。
アポロヌスが走った次のターンにコダマンマ→盾からオンソクorカチコミで進化速攻を決める動きも視野に入れているため明確に《カンゴク入道》ではない理由があり、たった1枚のGSも相手視点では何枚入っているかが分からず攻めを躊躇わせる役割が持てているため、非常に噛み合った1枚になっていると思います。
《禁断〜封印されしX〜/伝説の禁断 ドキンダムX》
このデッキの核その4。
主な役割はデッキ圧縮と盤面リセットであり、アドバンスの【赤緑アポロヌス】をオリジナルのそれより一段階上のデッキへと押し上げている立役者です。
1コストの進化元やサーチの枚数を大胆に絞れるのはこのカードによる圧縮のおかげであり、それによって空いた枠とこのカード自身がデッキパワーを大きく上げてくれるため余程のことがない限り確定の1枠になると思います。
不採用カード
《エボリューション・エッグ》
従来の【赤緑アポロヌス】にはかなりの枚数採用されているカード。
しかしセガーレを添えて走ることに重きを置いた今回の構築では早いターンでワンショット用のパーツ+セガーレを手札に揃えたいため、手札の質と同じくらい手札の量が大切になります。
それを踏まえてこのカードを評価すると、オールマイティーと言えば聞こえは良いですが手札1枚を1ターン使ってパーツに変換するだけのカードに過ぎず(ヘルコプ太やオンソクも1:1、2:2交換のカードではあるがこれらはそれ自体がコンボパーツの役割を持つため話が別)、使っていて強いと感じるシーンもあまりなかったため今回は不採用にしています。
《ダイナボルト〈ドギラ.star〉》
カチコミの5、6枚目。
アポロヌスとレッドゾーンを同時に乗せることができてジャスミンが絡めば3ターン目にも使えるのが魅力ではありますが、逆に言えばそれだけのカードです。
折角の効果は使うシーンがないため準バニラですし、ジャスミンから繋げたとてサーチやルーターを使う暇がなければ本末転倒。セガーレや1コスト進化元をくっつけるにしても、マナコスト4がかさばります。
今回の構築には禁断のデッキ圧縮があること、引けなくても最悪セガーレを添えながらレッドゾーンだけで走れば勝ち得ることもあるため、不採用にしています。
《新世界王の思想》
1ターン目の行動を安定させるための色マナ。
3キル率を高めるのには一役買いますが今回のコンセプトは安定4キルであり、なおかつワンショットに直接絡まないカードを採用したくなかったため不採用です。
《冒険妖精ポレコ》、《ブンブン・チュリス》
1コスト進化元の3、4種類目。
ジャスミンの地版の項でも書きましたがこれらの上に進化したオンソクやカチコミは効果を100%使うことができず、必然的にカードパワーが下がります。
横の打点としてもコダマンマと違って手札が減っているため弱く、総じてデッキパワーを著しく下げてしまうと感じたため不採用としました。
《晴舞龍 ズンドコ・モモキング》
2コストブーストの役割を果たしながら、上にカチコミを乗せることでメテオバーンの頭数にもなってくれる器用なカードです。
それ自体は動きとして強力なのですがやはり手札を減らすことが少しネックで侵略元としての役割も持てないため、ブーストはないものの手札を減らさずサブプラン時の侵略元にもなれるオンソクに今回は枠を譲っています。
不採用カードの中では最もカードパワーが高く、場合によっては採用も考えられると思います。
《覇王る侵略 ドレッドゾーン》
レッドゾーンやレッドゾーンXと枠を競合する侵略カード。
小型に特化した除去効果を持っていますがアドバンスでは赤単以外にこれが有効な対面がなく、赤単への除去はレッドゾーンでも十分に役割を果たせるため不採用です。どうしても入れるならレッドゾーンXの枠に1枚ですが、このデッキのXは本当に最強なので減らしたくない……。
基本的なプレイ方針
対面解説に入る前に基本のプレイングから。
知らない人も少ないとは思いますが、このデッキはカチコミ入道の攻撃時にアポロヌス・ドラゲリオンとレッドゾーンを同時に侵略してアポロヌスのメテオバーンを早期に起動することで攻めていくデッキです。
そのため、最優先にすることは必然これらのコンボパーツを必死でかき集めることになります。必要なパーツは以下の4種類。
①カチコミ入道の進化元になるタマシード
②カチコミ入道〈バトライ.鬼〉
③メテオバーンを達成するために必要なもう一枚の進化クリーチャー
④超神羅星 アポロヌス・ドラゲリオン
すると「先行で」「毎ターンマナチャージをする」と仮定した時、自由に使える手札は4枚なので上記の4種類だけで枠が埋まってしまいます。これではコンセプトにある「セガーレを横に添える」ことができませんね。
そこで重要な役割を担うのが手札を減らさないパーツ&手札を増やすカードです。
今回の構築では、その役割を持ったカードをフルに採用しています。
具体的に示すと
ヘルコプ太の心絵(手札が減らない①)
オンソク童子〈ターボ.鬼〉(手札が減らない③)
進化設計図(2枚以上回収で手札が増えるサーチ)
斬斬人形コダマンマGS(手札が減らない①)
の計13枚。
これらのカードを1枚以上絡ませながら【赤緑アポロヌス】の基本的な動きを行うというのが、主なプレイ方針です。
対面ごとの相性・プレイング
基本的な環境の立ち位置
最初に、【赤緑アポロヌス】のアドバンス環境におけるざっくりとした立ち位置について話します。
現在のアドバンス環境では依然として強力な【赤単我我我】【JO退化】【4cドラグナー】に【ガイアッシュ覇道】を加えた4デッキがTOPを争い、その後を【アナカラーダークネス】【5cモルト】が続くという展開が繰り広げられています。
これに対して【赤緑アポロヌス】は【赤単我我我】【JO退化】【アナカラーダークネス】に分のいい勝負ができる上、セガーレが絡めば【ガイアッシュ覇道】【5cモルト】にも五分以上の勝負を挑むことが可能です。
【4cドラグナー】だけはセガーレ込みでも体感4~5割の勝負になりますが逆に明確な不利対面でもそれだけの突破率があり、それ以外の5デッキには回ってしまえば分のいい勝負を押し付けられるというのが、現在の【赤緑アポロヌス】の魅力だと思います。
ではそれを踏まえて、詳しい対面解説に移りましょう。
vs【赤単我我我】有利
キーカード:《ベイB セガーレ》、《轟く侵略 レッドゾーン》
先行を取った場合は一直線に3tでの発進を狙います。
問題は後手を取った時と3t目に走れなさそうな時です。その場合は増えた手札でカウンターを食らわないように注意しつつ、セガーレとレッドゾーンで相手の動きを縛りながら盤面を焼いていくことになります。
警戒すべきは《一番隊 チュチュリス》と《こたつむり》。特に前者は残しておくと我我我を1コストにされ罰怒と合わせてセガーレを越えられてしまうので、優先的に除去するようにしましょう。
vs【JO退化】有利
キーカード:《ベイB セガーレ》
赤単と同じく、先行なら3キルを通せば勝てます。
赤単に比べて事故率が高いため後手でも若干の猶予があり、セガーレで相手の進化を一回分潰すことで要求値を上げることも可能です。
しかし反面、赤単と違って早期のレッドゾーンがあまり刺さらないため、3t退化からそのままリーサルを組まれると概ね負けます。ある程度相手の最大値を割り切って、自分の動きに全BETすることが必要です。
vs【ガイアッシュ覇道】五分〜微有利
キーカード:《ベイB セガーレ》、レッドゾーン系統
相手のマナの様子を見ながら「走ったターンにそのまま勝つ」ことを目標に準備をしていきます。
覇道側の有効トリガーは最大で《最終龍覇 ロージア》《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》の計8枚。6マナ貯まるより前にトリガー1枚分をケアして走るのが理想です。
一番嫌なのは2t目の《メンデルスゾーン》で一気にマナを伸ばされること。先に《流星のガイアッシュ・カイザー》を着地されてもきついので、効率よく準備を進めましょう。
vs【4cドラグナー】不利〜微不利
キーカード:《ベイB セガーレ》、レッドゾーン系統
基本的にはvsガイアッシュ覇道と同じです。
しかしこちらは有効トリガーの枚数が《ドラゴンズ・サイン》4枚分増えるため、計12枚まで跳ね上がります。したがってvsガイアッシュ覇道は確率的に1枚踏むか踏まないかの勝負でしたが、vs4cドラグナーは1枚踏むか2枚踏むかの勝負をしなくてはいけません。これが不利たる由縁です。
ドラサイザーディモルトまで展開されると概ねそのまま負けてしまうので、最低限ドラサイだけはケアすることを心がけましょう。手札にもよりますがガイアッシュを採用していない構築が相手の場合は思い切ってアポロプランを捨て、セガーレを添えながらレッドゾーンXとレッドゾーンでカツキングをケアして刻んでいくことも視野に入れる必要があります。
vs【アナカラーダークネス】有利
キーカード:《進化設計図》
現環境屈指のガン有利対面です。
テンプレ通りのリスト相手なら3t目に走れば勝ちが確定する上、仮に後手を取ってもダークネス側はこちらに干渉する手段がろくにありません。
負け筋はこちらが事故でもたついている間にハンデスを複数回当てられ、ガイアッシュカイザーなどで蓋をされることくらいだと思います。
パーツを手札に抱える都合上、先手2~3t目に連続で《乱罪 ダイパ殺デー》を当てられると少し厄介なので、設計図を優先的に撃ってリソース差をつけてしまうのがおすすめです。レッドゾーンXをセルフハンデスから落とすのも有効ですね。
vs【5cモルト】五分
キーカード:《ベイB セガーレ》《進化設計図》
vs4cドラグナー時の有効トリガーからカツキングとロージアが消え、代わりに《ドンドン火噴くナウ》などが入ったイメージです。
最近主流と思われる構築はドラサイとボルカニックの8枚+ドラサイの傘増し数枚が有効トリガーの枚数なので、やはりセガーレでドラサイ中心にケアしながら5点を叩き込みましょう。《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》の採用が増えた関係もあってそのターン中に仕留めきることが若干難しくなってしまったので、アポロヌスのランデスで時間を稼いだ返しの進化速攻まで視野に入れてハンドキープをするのがおすすめです。
終わりに
いかがだったでしょうか。
デッキパワーの高さゆえに上位デッキが揺らぎにくいアドバンス環境においては、これからも期待できるデッキだと思います。
この記事を読んで少しでも「使ってみる価値はありそうだな」と感じていただいたり、実際に試していただけたなら筆者としては非常に幸いです。
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