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#24 プラスチック資源循環促進法その2~提供サービスの決定権~

こんにちは、GTです。
前回に引き続きプラスチック資源循環促進法に関する記事を書いていきます。

前回の記事とは別のプラスチック資源循環促進法の内容として、「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」というものがあります。
内容をざっくりと説明すると、消費者に無償で提供しているプラスチック製品の廃棄物を減らしましょう、というものです。どんなプラスチック製品があるかと言うと、コンビニでもらうスプーンやフォーク、ホテルでアメニティとして置いてある歯ブラシやくしが該当します。

この法律は2022年度の初めから施行されていますが、変化に気付いている人もいるかもしれません。コンビニではスプーンやフォークを付けるか確認をされたり、ホテルではアメニティを部屋に置かずにフロントの横に置いて必要な分を取っていくようになりました。
このように提供する量を必要最低限にするようにして、廃棄物を減らそうという取り組みが広がっています。

以前にもこれと似たような変化がありました。
それは「レジ袋の有料化」です。2020年からこの有料化がスタートしました。

https://www.meti.go.jp/policy/recycle/plasticbag/plasticbag_top.html

レジ袋の有料化はプラスチック製のものが対象ですが、店舗によってはそれまで無償だった紙袋も有料化して、「便乗値上げだー!」と批判する人たちも出てきました。

今回の「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」も全ての店舗やホテルが対象ではなく、対象のプラスチック製品の提供量が5トン以上の店舗などが対象となります。
5トンがどのくらいかと言うと、プラスチック製品1つ10gとしても50万個を提供することになります。1日あたりで言えば1000個以上の提供数です。

大手コンビニや全国展開しているホテルではそのくらいの量を提供していると思いますが、ローカルなホテルなどはその提供数に至らないところも少なくないでしょう。
なので、紙袋の有料化と同じように「便乗だー!」と声を上げる人もいるかもしれません。

でも、紙袋やスプーンや歯ブラシを無償で提供するか、または有料にしたり必要な場合にのみ提供するかを決めるのは提供する側で、提供される側ではないと思います。
紙袋もスプーンも歯ブラシも、当然仕入れるのはタダではありません。1つ数円の仕入れ費用がかかるとすると、客単価の1%くらいの費用になる場合もあるでしょう。それは利益率に直結して、純利益率が数%、高くて10数%としても1%の改善はとても大きいものです。そういうシビアな経営をしている側としては、この機会を逃す手はないでしょう。
もしそれで顧客が離れるのであれば経営判断の結果として致し方ないものですし、顧客はそのサービスの変化を受け入れるか他の提供者を選ぶかは自由です。

つまり、顧客である私たち消費者がすべきなのは批判することではなく、サービスの変化を認識して購買の意思決定をすることだけです。むやみに批判することは、機会を利用して提供サービスを変えて利益を確保したいと思っている事業者の意思決定を妨げて苦しめることにも繋がります。

今は資本主義の世界なので、各人が自分の考えで購買の意思決定を行って、市場経済に委ねればいいのではと思います。
できるなら、必要以上の提供サービスを受け取ろうとするのではなく、本当に必要なもののみを受け取る意思決定が広がることを期待したいです。

ではでは、またお会いしましょう。

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