#23 プラスチック資源循環促進法~広がるリサイクルの対象~
こんにちは、GTです。
今回はプラスチック資源循環促進法について書きたいと思います。
この法律自体は2022年度から施行されたものですが、最近私たちの身近な生活に関わってくるようになってきたので、そのことについて記事にします。
プラスチック資源循環促進法による生活の変化
この法律は文字通りプラスチックを対象にしたもので、プラスチックのリサイクルなどを進めることで資源として循環させることを狙いとするものです。
この法律の画期的な点としては、プラスチックという「素材」を対象にしていることです。プラスチックを対象にしたリサイクルの法律は他にも容器包装リサイクル法というものがありますが、これはプラスチックのうち容器包装のみ(例えばペットボトルや食品トレイなど)を対象にしたもので、具体的な「モノ」に対象を限定しています。プラスチック資源循環法では対象を容器包装などの特定の「モノ」に限定せず、プラスチックという「素材」であれば全てが対象になります。
法律の具体的な内容としてはいくつかありますが、私たちの身近に影響する内容としてごみの出し方が変わります。
家庭ごみの区分として、「プラスチック容器包装」というものがある場合が多いと思います。これまではこの区分に入れてよいのは文字通り容器包装のプラスチックのみでしたが、それ以外のプラスチックを入れてよいということになっていきます。例えば、子供がいる家庭はプラスチックでできたおもちゃがあったりすると思いますが、そういうものを捨てるときに燃えるごみではなく「プラスチック容器包装」の区分と一緒に出してよいということです。
実際に同じ区分で出してよいのか、いつから出してよいかは自治体によって異なるのでお住まいの自治体の情報を確認することが必要ですが、今年度から容器包装以外のプラスチックも一緒に出してよいということにしている自治体が増えています。
プラスチックのリサイクルの現状
日本ではプラスチックの87%がリサイクルされている状況です。
かなりリサイクルが進んでいると思われた方もおられると思いますが、実態を細かく見ていくと、約60%は「サーマルリサイクル」という手法でリサイクルされています。端的に言うと、燃やしてエネルギー利用されているということです。
なので、プラスチックが資源として再び利用されている割合は3割にも満たない状況です。この比率を高めていくことが必要となっていて、そういう背景でプラスチック資源循環促進法がつくられました。
今まで家庭ごみのうち容器包装プラスチック以外のプラスチックは燃えるごみとして捨てられていました。容器包装プラスチックとして捨てられたものは再びプラスチックの原料、つまり資源として循環しますが、燃えるごみとして捨てられたプラスチックはサーマルリサイクルとして利用されたりして資源として循環されることはありません。
ごみの区分が容器包装以外のプラスチックも対象にしていなかった理由がなぜかと言うと、単純に法律の問題で、容器包装リサイクル法で対象が容器包装に限定されていたためできなかったというだけです。食品の容器包装でもプラスチックのおもちゃでも、同じようにリサイクルすれば資源として循環することができます。技術的にはリサイクルできるのに、法律上リサイクルできない仕組みだったので、その状況を見直すための法律となっています。
この法律により家庭ごみとして出るプラスチックのサーマルリサイクルの割合を減らして、資源として循環される割合を増やしていこうというものです。
ゴミ出しで注意すべきこと
私たちができること、やることとしては、まず住んでいる自治体の情報を確認して、容器包装以外のプラスチックも入れて出してよいのかを確認して、既にそのようになっていれば容器包装以外のプラスチックも容器包装と同じようにごみ出しをすることです。
ただし、1点注意すべきことがあります。それは電池が使われているプラスチック製品を入れないということです。
以前の記事にも書きましたが、リチウムイオン電池が使われている製品を家庭ごみとして出した場合は、ごみ収集車やごみ処理施設で火災が発生する危険があります。なので、充電して使っているものは外見がプラスチックであっても入れないように細心の注意が必要です。
このような新たな法律ができて資源として循環するリサイクルが進むようになることはとてもよいことだと思います。
ただし、それが実際に進むかどうかは私たちにかかっていると言ってもよく、私たちがやるべきことを理解してしっかりやっていくことが必要です。
この記事が少しでもプラスチックの資源循環を進めるきっかけの一つになれば嬉しいです。
ではでは、またお会いしましょう。