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【ベルギーで見るべき建築】留学中の建築学生が教える定番&穴場5選

こんにちは!現在ベルギーに長期留学のけんけんです。今回は建築学生の視点で、ベルギーで見るべき建築を5つ紹介したいと思います



①グランプラス(おすすめ度⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)

一つ目は、言わずと知れたブリュッセルの世界遺産、グランプラスです。市庁舎をはじめとした中世の建築様式を持つ建物に囲まれた広場で、「世界一美しい広場」と評されるだけあって行ってみるとその美しさに本当に腰が抜けそうになります。間違いなくブリュッセルで最も魅力的な場所だと言えます。

②アントワープポートハウス(おすすめ度⭐︎⭐︎⭐︎)

ベルギーの港湾都市、アントワープにあるザハ建築です。元々消防署として使われていた建物を跨ぐように大きなガラスのダイヤモンドが乗っかっています。現在は郵便局と港湾関連施設として使われています。ザハ建築らしいぶっ飛んだ外観と構造に圧倒されます。こちらも、写真で見るものを上回る感動があったので⭐︎を三つつけておきました。普段は1階のロビー部分にしか入ることができないのですが、週末のツアーに参加すると中を見学することができます。アントワープの中央からは少し離れている(バスで20分ほど)上、ツアーには事前予約が必要なので訪れる際は前もって準備しておくことをおすすめします。

既存の建物を壊さないと言う条件でザハは空中に作ることを思いついたそうです
ヨーロッパではよく見るかつての中庭部分にガラス張りの天井をつけた開放的な空間
カウンターやコンクリートの継ぎ目のディテールまで美しかったです

③アントワープ中央駅(おすすめ度⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)

お次はアントワープからもう一つ、「世界一美しい駅」の一つにも選ばれているアントワープ駅です。この駅は19世紀後半にベルギー人建築家ルイ・デラサンセリによって設計された、石造の教会のような駅です。驚くのは、天井の高さ。階段や手すりの装飾も凝っていて駅と思えない豪華さです。面白いのが、鉄道のプラットホームが横ではなく縦に積まれていることです。アントワープに来たなら必見です。

「世界一美しい」は伊達ではありません
ホームが何層か縦に連なっています

④リエージュ・ギユマン駅(おすすめ度⭐︎⭐︎)

4つ目はワロン地方(フランス語圏)のリエージュにある駅です。この駅はスペイン出身の建築家、サンディエゴ・カラトラヴァによって設計されました。カラトラヴァは建築家であり構造家であり、彫刻家、画家でもあり、土木工学のバックグラウンドも持っています。この駅もまたルーバーがまるで肋骨のように大きく屋根を作っていて、カラトラヴァの特徴が全面的に現れています。どこにいても駅全体を見渡せるので、複雑な構造ながらも自分がどこにいるかわかるのでシンプルで使いやすいです。しかし本当に建築というよりも橋やダムのようなスケールでまるで巨大な魚の中に吸い込まれたような感覚になりました。一方で地下部分やエスカレーターなど細部までこだわられていて、「神は細部に宿る」と言う言葉がしっくりと来ました。
ブリュッセルからは電車で1時間ほどで、ユーロスターも停車するので、ドイツやオランダから立ち寄る機会があればぜひ行ってみてください。

巨大な駅全体が一つの空間といった印象
エスカレーターのディテール、どこまでが装飾で
構造なのかさっぱりわかりません
地下部分の天井がややカーブを描いています

⑤C-MINE(おすすめ度⭐︎⭐︎⭐︎)


ほとんど日本人に知られていない穴場を紹介します!オランダとの国境に近い人口7万人ほどの街ゲンクにある、C-MINEという文化施設です。この建物はもともと1900年代に炭鉱が開かれ、その際に機械室や発電施設などで使われていたものをリノベーション、コンバージョンした施設です。現在は映画館やギャラリーなどがあり文化施設としての機能を果たすとともに、かつての炭鉱時代の姿を多く残しており、ゲンクを象徴するような場所になっています。特に20世紀初めの当時のまま残る高い装飾性を持った階段は僕のお気に入りです。
多くの街は炭鉱閉鎖後に失業者で溢れ荒廃したそうですが、このゲンクはその後も自然や文化施設を生かし、発電関係の研究施設を誘致するなど、成功例と呼べると思います。ブリュッセルからは2時間ほどかかりますが、わざわざ行く価値のある場所だと思います。

色が美しい階段、電気系統も当時のまま残されています。
壁をぶち抜いて映画館の入り口が作られています
こちらは屋外にある迷路型インスタレーション、色々な場所から炭鉱の鉄塔が自然と目に入る作り


まとめ


ベルギーは小さな国なので、オランダやフランス旅行のついでに電車で1〜2時間でふらっと立ち寄ることができます。中世のゴシック建築から、現代建築やリノベーションまで事例も数多くあるので、ぜひ一度行ってみてください。

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