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【ベルギー留学記】ベルギー人と日本人の違い

みなさんこんにちは。ベルギーに留学中のけんけんです!僕はホームステイでベルギー人家族と半年間生活しているのですが、その中で気づいたベルギー人と日本人の違いを書いてみようと思います。

1.国家観の違い

ベルギーでは国が二分されたり、他の国の一部なったりと混沌とした歴史を持っています。北部のフランダース地方ではオランダ語が話され、ワロン地方ではフランス語が話されています。ブリュッセル首都圏地域はフランダースの中にありますが、地域として独立していて主にフランス語が話されます。また東部の一部はドイツ語圏もあります。そして古くから移民を多く受け入れてきました。そのため、ホストファミリーの話を聞いていると、「ベルギー人はこうあるべき」、「私たちのベルギー」といった感覚が国民の中にあまりないそうです。例えばですが、僕たちのいるフランダース地方からしてワロンは他の国のような感覚で、もしどこかの国に攻められて併合されてもなんとも思わないそうです。

一方で日本は1億を超える人口がありながら、全員が日本語を話し同じ日本人としての誇りと文化を持っていて、これはこの先の時代も守って行くべきものだとこちらにきてから強く感じています。

2.家族との時間の過ごし方

ベルギー人は日本人に比べて、家族と過ごす時間を非常に大切にします。毎週一回は家族で必ずどちらかの祖父母を訪れて時間を共にします。また一番驚いたのは、親元を離れて下宿生活をしている大学生たちも、毎週末必ず実家に帰省しているということです。そのためルーヴェンやゲントいった大きな大学がある街は土日はゴーストタウンのように静かになるそうです。また日本では年に数回しか会わないような従兄弟や親戚にもほぼ毎週会えます。国土が日本よりはるかに小さいというアドバンテージはありますが、この面積に日本人が住んでいたとしても毎週は会いに行かないでしょう。ベルギー人の親族との関係の深さ、大切に思う気持ちを強く感じます。

3.初対面の人との関わり方

例えばパリに旅行に行ったときに日本人を見つけても、日本の人なら絶対に話しかけるどころか目も合わせないですよね。日本では初対面の人や道端であった知らない人とは一定の距離を置き、「なれなれしくするのは失礼」と言った感覚がありますよね。しかしベルギーでは一度話しかけたらもうお友達。「元気?名前は?何歳?」と相手を知ろうとするのがこちらの文化で、現に留学生で日本から来た僕もみんな興味津々に質問してきてくれてすぐに受け入れてもらえました。滞在しているゲンクのサッカーチームには僕と同世代の選手が二人いるのですが、ホストファミリーには「連絡して会ってみたら?」といつも聞かれるのですが、日本人の感覚だと難しいなあというといつも不思議がられます。

4.語学力

これに関してはヨーロッパの場所柄当たり前なのですが、僕の住むベルギーの地域ではみんな第一言語のオランダ語だけでなく、英語、フランス語も流暢に話します。僕のファミリーは僕がきた影響もあり日本語を勉強しているのですが、日本語は桁違いに難しいといつも言われます。そもそも三つの異なるアルファベットを持ち、数千の漢字を覚えて使える日本人はそれだけですごいです。オランダ語やドイツ語、英語はすべてゲルマン系で似ているため、それぞれを母国語にする人にとって習得はしやすいようですね。日本人が英語やその他ヨーロッパの言語を習得することはいかに大変なことなのかわかります。しかし、ラテン系であまり共通点のないフランス語まで話せるフランダース人は本当にすごいと思います。

5.芸術への関心

これは欧米と日本の違いになってしまうかもしれませんが、ヨーロッパの人の芸術への関心は日本に比べてはるかに大きいと思います。日本のような機能と効率だけを追求した価値観ではなく、より美しいものにするために惜しみなくコストをかけている感覚がします。例えば部屋のインテリアですが、どこのお家に伺っても、観葉植物や照明など日本よりも装飾にこだわっている方が多いなという印象を受けます。また美術館の存在がより身近で、アートに対する理解が日本よりも進んでいるように思います。よく日本では有名建築家やアーティストの建築や作品を老朽化などで壊すか改修するかの議論になっていますが、欧米では古き良きものを大切にする価値観は当たり前のようにあるのでどのように改修するかの議論になるようですね。しかし地震をはじめとした自然災害が頻繁に起こる日本ではなかなか難しい問題ですね。

(番外編)似ているところ

ここまでは日本人とベルギー人の違いについて書きましたが、最後に似ているところを挙げましょう。ズバリそれは、相手をリスペクトする文化ではないでしょうか。お隣オランダと言語は同じなのですが、よく言われるのがベルギー人は常にyouの敬語にあたる”u"を使います。オランダ人は通常の"jij"を使い、本当の目上の人と話す時だけ"u"を使うと聞きました。そのためオランダ人がベルギー人が話しているのを聞くと少しかしこまったように聞こえるそうです。もしかしたら日本人のように敬語を使う点が似ているのかもしれませんね。

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