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お腹いっぱいな時間割の話
小学校の時間割、思い出してください。お子さんがいらっしゃれば、その時間割、見てください。
毎日ほとんど、算数と国語がありましたよね。
これは、学校や担任が勝手に決めているのでなく、指導要領(文科省がこういうふうに授業をしなさいと決めているもの)に則って、各教科の時数を当てはめていっただけのものなのです。
つまり、小学校4年生なら、一年間に国語は245時間、算数は175時間学習することになっています。
年間、35週間学校に行くと考えると、毎週、国語は7時間、算数は5時間勉強するとその数になるのです。
1週間は5日ですから、7と5を5で割ると、国語は毎日1時間の日と2時間の日があり、算数は毎日1時間勉強する、という結果になるのです。
同じように、音楽や体育なんかもそうやって、分けていくと、音楽は週に1.7時間、体育は週に3時間といった数が出てきますので、一日6時間の時間割の中に、それを割り振りしていく、という形です。
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で、空いたところに、音楽や体育、道徳、図工などを入れていくという仕組みです。
もちろん、こららの教科も週に何時間するか決まっています。
英語活動もして国際社会に対応したい、体育もして体を鍛えたい。音楽教育も美術教育も大切だ。情操教育を積み上げることは豊かな人生を送るためには必要だから。
社会も大事だし、理科の学習は週3時間は学んでほしい。
各分野の子ども達に力をつけてほしいという願いがこもって、どの教科も大事でどの教科も時数を増やしたい。
で、時間割は結局、こんな感じになります。
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一日に5時間、算数をするより、毎日1時間ずつ学習をする方が理にかなっていますので、国語や算数は毎日学習します。その間、いろいろな教科がぎっしりとつまります。
いや、願いや思いはわかるのです。
私も一緒に勉強していて、どの力もつけたいし伸ばしたいと思います。
でも、この図を見ていると、お腹いっぱいな気持ちになります。
皆さんはいかがですか?
毎日、これだけぎっしりと勉強しているわけです。お腹いっぱいになり、これ以上は頑張れないという気持ちになります。
学校や教科によって、専門の先生が携わることもありますが、それだけに、1時間の学習は導入があり課題に対して自分の考えをまとめ、それを友達と交流し、理解したり練習したりするという展開がなされます。
45分の時間、集中して授業を受けると結構刺激があるのですが、その分、疲れます。
給食の時間を12時半ごろに設定しようと思うと、そして中休みを20分くらい取って十分、遊ばせてあげようと思うと、教科と教科の間の休み時間は5分くらいしか取れません。
結局、休み時間も急かすことが多いです。
授業中も集中を促し、自分の思いをもたせ、友達の話を聞くように声かけ、練習をして習熟を図り。
子ども達は良くやっていると思います。
教師も毎日、それぞれの時間の授業の展開を考えたり教材を用意したりするので、それも大変なんですけどね。
最近、学童保育の先生(放課後に保護者が仕事から帰ってくるまで面倒を見ていてくださる先生)と話すことがあったのですが、子ども達が疲れているように感じておられました。
お腹いっぱいの時間割、どうにかなりませんか?
つまりそう授業時間を減らすしか、方法はないんですけれど。